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ルナの新しい力
だれかいる! その2
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ガルドナがたどり着いたのは召喚術や実戦形式の魔法を練習する施設だ。
新館が建設されてからめっきり使われなくなったものの、その設備の頑丈さは新館のそれよりずっと強い。
旧館が最盛期の時代は今よりも体系化された知識がさらに少なく、どうしても実戦形式での学習が多かった。
無駄も多かったがそれ故に当時の学生は皆、魔法使いとして精強だった。
見学にきた騎士や聖職者がこの施設の修繕の回数や怪我人の治療依頼の数を見て下手な軍学校や騎士の養成所よりも訓練していると驚いたほど。
「曰くがつくには十分な要素だよな・・・」
魔法が多数使われた場所には精霊が現れることがあるという。そして精霊はその魔力の残滓に宿る彼らの苦悩や苦痛、思い出を吸い上げて再現することがある。
幽霊騒ぎの中にはこういった精霊の悪戯が含まれるのだ。
ガルドナは施設の周辺を調べてみる。古びていること以外は別段おかしなことはない。
旧館には先生もさして用事もないためもし噂がデマであれば生徒の中にはそこを秘密基地や駄弁り場として使いたいという思惑があるのだろう。
ガルドナとしてはぜひとも精霊や悪霊の類に出会いたかった。
そしてその願いはすぐに叶うことになる。
「・・・あそこが開いてるな」
周辺を散策していると建物の裏手にある窓がわずかに開いていることに気付いた。鍵がしまっていないようだ。
もしかすると過去にここを駄弁る場所に使っていた生徒がいたのかもしれない。
壁に刻まれた術式を劣化させないように外気から魔力を少しずつ循環させる魔石が設置されているのが見える。
盗難防止の為に頑丈な柵で囲われているがそれが足場となって窓に容易に近づけるようになっている。
「よし、此処から中にはいれそうだ」
窓もそこまで高くない。いざとなればあそこから外に飛び出しても大した高さではない。
ガルドナは意を決して窓から侵入を試みることにした。
補助なしで上るには少々手間取りそうだが幸い足場になる柵があるので入るには問題なかった。
窓を開けて中に入るとそこは倉庫のようだ。
魔法の的になるものや護符、魔法陣を描くための白墨などが箱に詰まっている。
中身がぎっしり詰まった頑丈な箱が多いので出入りにも苦労しなさそうである。
(・・・今のところおかしなところはないな)
倉庫もそれなりの広さがあり、魔力が循環をつづけているからかおもったよりも空気も綺麗だ。
ここならこっそり生徒で駄弁るにはいいかもしれない。
収穫があったと言えばそうだがガルドナは少しがっかりした。悪魔化などの契約をしていないからわからないだけかもしれないがなんてことはない。きっと彼らの中にいろいろと勘違いが重なったのではないだろうか。
そう思いガルドナは窓から再び外に出ようと箱を移動させるべく窓に顔を向けたときだった。
「!」
自分でもはっきりと分かるほどの魔力の流れを察知した。その方向へ慌てて振り向くとそこは召喚術や魔法の実戦を行う部屋の方向だ。魔力は微弱であれば風の流れのように扉や壁に阻まれる。ましてやこの施設はそういった魔力を散らす事に特化している壁材を使っているはずだ。それをぶち抜いて魔力を発しているのだから尋常ではない。
心臓が跳ねた。ガルドナにとってこれは恐怖というよりも好奇心と期待が大きかった。
もしかすると自分が驚愕するような出来事がまっているかもしれない。
そのドキドキを前に彼は見て見ぬふりなどできなかった。
まるで吸い寄せられるように扉に近づき、そっとドアノブを捻った。
突風。まるでそれを思わせるような魔力の流れがガルドナの顔を叩いた。
ドアの前には見学者が咄嗟に身を隠せるような柱が一列に等間隔で並んでいる。それ故に何が原因かはわからなかったが一瞬息が詰まるほどの衝撃にガルドナは驚いた。
(何があった?何が・・・起こったんだ?!)
扉は幸いなことに軋みなど音を建てなかった。ガルドナはそれをいいことに部屋に入ると柱の陰から部屋の中を見渡した。そこで彼は先ほどの魔力の衝撃など吹き飛ぶような出来事に出くわした。
『アハハハハハ!!!』
光輝く魔法陣、そしてその中心で天を仰ぎ高笑いする異形。八つの腕、猛禽のような足、そして八つの目、腕からは蝙蝠を思わせる被膜の翼。それでいてまるで蜘蛛の足のようにいくつもの関節を有したしれは口から牙を覗かせて愉快そうに体を揺らしている。
(悪魔・・・!悪魔がなんでここに!)
息が詰まるような威圧感。魔力の突風の正体、そして悪魔化の契約をしている同級生たちの感じた異変の原因が目の前にいた。
(悪魔化の契約をしている悪魔はみんな中級以上だったはずだ・・・そ、それが感じていた肌のざわつきとなると・・・)
上級悪魔・・・あるいは、いや、ありえない。そんな悪魔が顕現すれば教会だって黙っていないはず。
それが、どうして・・・。そう考えてからガルドナは思い至った。
そうか、その為の此処!魔力の流れを封じるこの場所なら、地上に出てもバレない。
旧館の使われていない施設を使ったのはそのためか!
彼の推理は目の前の超常現象を前に加速していく。
新館が建設されてからめっきり使われなくなったものの、その設備の頑丈さは新館のそれよりずっと強い。
旧館が最盛期の時代は今よりも体系化された知識がさらに少なく、どうしても実戦形式での学習が多かった。
無駄も多かったがそれ故に当時の学生は皆、魔法使いとして精強だった。
見学にきた騎士や聖職者がこの施設の修繕の回数や怪我人の治療依頼の数を見て下手な軍学校や騎士の養成所よりも訓練していると驚いたほど。
「曰くがつくには十分な要素だよな・・・」
魔法が多数使われた場所には精霊が現れることがあるという。そして精霊はその魔力の残滓に宿る彼らの苦悩や苦痛、思い出を吸い上げて再現することがある。
幽霊騒ぎの中にはこういった精霊の悪戯が含まれるのだ。
ガルドナは施設の周辺を調べてみる。古びていること以外は別段おかしなことはない。
旧館には先生もさして用事もないためもし噂がデマであれば生徒の中にはそこを秘密基地や駄弁り場として使いたいという思惑があるのだろう。
ガルドナとしてはぜひとも精霊や悪霊の類に出会いたかった。
そしてその願いはすぐに叶うことになる。
「・・・あそこが開いてるな」
周辺を散策していると建物の裏手にある窓がわずかに開いていることに気付いた。鍵がしまっていないようだ。
もしかすると過去にここを駄弁る場所に使っていた生徒がいたのかもしれない。
壁に刻まれた術式を劣化させないように外気から魔力を少しずつ循環させる魔石が設置されているのが見える。
盗難防止の為に頑丈な柵で囲われているがそれが足場となって窓に容易に近づけるようになっている。
「よし、此処から中にはいれそうだ」
窓もそこまで高くない。いざとなればあそこから外に飛び出しても大した高さではない。
ガルドナは意を決して窓から侵入を試みることにした。
補助なしで上るには少々手間取りそうだが幸い足場になる柵があるので入るには問題なかった。
窓を開けて中に入るとそこは倉庫のようだ。
魔法の的になるものや護符、魔法陣を描くための白墨などが箱に詰まっている。
中身がぎっしり詰まった頑丈な箱が多いので出入りにも苦労しなさそうである。
(・・・今のところおかしなところはないな)
倉庫もそれなりの広さがあり、魔力が循環をつづけているからかおもったよりも空気も綺麗だ。
ここならこっそり生徒で駄弁るにはいいかもしれない。
収穫があったと言えばそうだがガルドナは少しがっかりした。悪魔化などの契約をしていないからわからないだけかもしれないがなんてことはない。きっと彼らの中にいろいろと勘違いが重なったのではないだろうか。
そう思いガルドナは窓から再び外に出ようと箱を移動させるべく窓に顔を向けたときだった。
「!」
自分でもはっきりと分かるほどの魔力の流れを察知した。その方向へ慌てて振り向くとそこは召喚術や魔法の実戦を行う部屋の方向だ。魔力は微弱であれば風の流れのように扉や壁に阻まれる。ましてやこの施設はそういった魔力を散らす事に特化している壁材を使っているはずだ。それをぶち抜いて魔力を発しているのだから尋常ではない。
心臓が跳ねた。ガルドナにとってこれは恐怖というよりも好奇心と期待が大きかった。
もしかすると自分が驚愕するような出来事がまっているかもしれない。
そのドキドキを前に彼は見て見ぬふりなどできなかった。
まるで吸い寄せられるように扉に近づき、そっとドアノブを捻った。
突風。まるでそれを思わせるような魔力の流れがガルドナの顔を叩いた。
ドアの前には見学者が咄嗟に身を隠せるような柱が一列に等間隔で並んでいる。それ故に何が原因かはわからなかったが一瞬息が詰まるほどの衝撃にガルドナは驚いた。
(何があった?何が・・・起こったんだ?!)
扉は幸いなことに軋みなど音を建てなかった。ガルドナはそれをいいことに部屋に入ると柱の陰から部屋の中を見渡した。そこで彼は先ほどの魔力の衝撃など吹き飛ぶような出来事に出くわした。
『アハハハハハ!!!』
光輝く魔法陣、そしてその中心で天を仰ぎ高笑いする異形。八つの腕、猛禽のような足、そして八つの目、腕からは蝙蝠を思わせる被膜の翼。それでいてまるで蜘蛛の足のようにいくつもの関節を有したしれは口から牙を覗かせて愉快そうに体を揺らしている。
(悪魔・・・!悪魔がなんでここに!)
息が詰まるような威圧感。魔力の突風の正体、そして悪魔化の契約をしている同級生たちの感じた異変の原因が目の前にいた。
(悪魔化の契約をしている悪魔はみんな中級以上だったはずだ・・・そ、それが感じていた肌のざわつきとなると・・・)
上級悪魔・・・あるいは、いや、ありえない。そんな悪魔が顕現すれば教会だって黙っていないはず。
それが、どうして・・・。そう考えてからガルドナは思い至った。
そうか、その為の此処!魔力の流れを封じるこの場所なら、地上に出てもバレない。
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彼の推理は目の前の超常現象を前に加速していく。
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