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ルナの新しい力
ガルドナの実力
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シドルが修練場に着くとガルドナは体をほぐしている最中だった。
「いつになくやる気だな・・・」
兄としては弟が学業や訓練にやる気になってくれているのはとても嬉しいことだ。しかしつい最近まで不貞腐れていたガルドナがどうして?と疑問も抱いていた。
「あぁ、目標が出来たんだ」
「目標?」
「ええ、師匠・・・とはとても言える立場じゃないけど、認めさせたいあく、人が出来たんだ」
それを聞いてシドルはパッと表情を明るくした。
「それは学校の?」
「ああ、うん。先生も見てくれてるから」
それを聞いてシドルはさらに笑みを深めた。それを見て今度はガルドナが困惑する番だった。
ついさっきまで自分に対して苦い顔をしていた兄が突然明るい表情になったのだから当然だろう。
「そうか、お前も尊敬できる人を見つけたんだな・・・!」
良かった良かった、と勝手に嬉しそうにしている兄にガルドナはさらに困惑を深める。
「に、兄さん?」
「いや、すまない・・・お前は最近ずっと父さんや母さんを困らせてばかりだったからな」
「そ、それは・・・」
ガルドナもそれに対しては引け目は感じていた。別に両親そのものに不満があったわけではない。
ただ、その愛情が自由を望む自分の足かせになる事がもどかしかったのだ。
両親を困らせたいわけではない。だけども両親や一族が引いたレールに乗るのは嫌なのだ。
「だけども学校の人と切磋琢磨するって言うなら二人も安心するさ!俺も嬉しいぞ」
「そ、そうかな・・・」
兄が嬉しそうにしているのでガルドナはちょっとだけ罪悪感を感じずにはいられなかった。
悪魔に対して挑戦するという本来なら無謀も無謀な挑戦をしようとしているのに。
そしておそらくその挑戦は全くの無駄に等しい。勝てっこない。
けど、挑戦したい。強大な何かに全力でぶつかっていきたいのだ。
あの火球をはじき返したとき、自分の中にある何かに、決定的な火が点いたのを感じてしまったから。
「どんな人なんだ?」
「え?」
「その、認めさせたい人だよ」
ガルドナはそれを聞いて困った。口止めされているのに答えられようはずもないが・・・そこでガルドナは申し訳ないとは思いつつもアダムを口実に嘘をつくことにした。
「実はさ、今年の一年生でFクラスってあるだろ?」
「ああ、落第すれすれとか酷い噂話をされてる・・・」
「そこの担任の先生、ディーン先生っていうんだけどその先生が個人的に講師を招いてるんだ。その先生だよ」
「へえ!それはいいな、しかしそのディーン先生って人も熱心だな」
「元々人数が少ないらしいからね、クラスメイトの事を大切にしてるんだろうね」
準備運動を終えて二人は木剣で打ち合っている。その強度はそれなりのものだったが二人はそれを難なくこなしている。フェンシブ家の魔法使いは剣術や槍術、体術を学ぶことも多いが二人のそれはその中でも同年代の中では抜きんでているといっていい。
「先生とはそうあるべきだろう、生徒と向き合わずして何が先生か!」
「ッ!それもそうか!」
兄も色々な武術や魔法の師ともいうべき人に教えを乞い、技術を磨いてきた。
人を見る目があったのか、それとも運が良かったのか兄は才能を開花させて跡目を継ぐに相応しい技量を持っている。
(そう考えると・・・俺は、何を目指しているんだろうか)
目の前の兄は十分に目標にするに値する人物のはずだ。自分のことも気にかけながら家族を大事にし、仕事についての修行も欠かさない。そんな兄をどうして自分は目標とすることができなかったのか。
(俺はどうにも、自分で思っている以上に馬鹿なのかもしれないな)
自分はどうにも目標が高くないと面白くないらしい。それも無謀だとか、無茶だとか言われるくらいの。
「兄さん!俺!強くなるよ!」
「ああ、頑張れ!」
それからしばらくの間稽古が続き、シドルはガルドナの目的を知って武器の持ち出しを大っぴらに許可してくれることになった。ガルドナはそれを受けて様々な武具を手に水曜日に向けて準備を重ねた。
『来たか』
ガルドナが待ちに待った水曜日、武具を身に纏いまるで戦士のような雰囲気で対峙するのは八つの腕に目、見上げるような体格の女性。悪魔である。
「失礼の無いようこちらは殺す気でいきます!」
『力み過ぎないようにね』
悪魔はそう言うと指先をガルドナに向ける。
『それでは前回のおさらいと行こう』
魔力が一点に集まり、火球が形成される。その威力はおそらく以前のものと同様だ。
「ッ!行きます!」
ガルドナは以前のように真向から受けるのではなく、あえて前に出ることで打点が高い位置に移動すると盾の魔法を発動しながら前へ前へと進んでいく。
「ぐおおっ!」
当たった火球が魔法とは思えない重量を発してのしかかる。しかしそれは前へ進もうとする力を持っているためガルドナが差し込んだ盾を滑って通り過ぎていく。
そしてその火球が盾を押して自分に当たりそうになる瞬間にスライディングでその下を潜ると火球はガルドナの背後へと飛んでいき、大きな爆発を起こした。
「いつになくやる気だな・・・」
兄としては弟が学業や訓練にやる気になってくれているのはとても嬉しいことだ。しかしつい最近まで不貞腐れていたガルドナがどうして?と疑問も抱いていた。
「あぁ、目標が出来たんだ」
「目標?」
「ええ、師匠・・・とはとても言える立場じゃないけど、認めさせたいあく、人が出来たんだ」
それを聞いてシドルはパッと表情を明るくした。
「それは学校の?」
「ああ、うん。先生も見てくれてるから」
それを聞いてシドルはさらに笑みを深めた。それを見て今度はガルドナが困惑する番だった。
ついさっきまで自分に対して苦い顔をしていた兄が突然明るい表情になったのだから当然だろう。
「そうか、お前も尊敬できる人を見つけたんだな・・・!」
良かった良かった、と勝手に嬉しそうにしている兄にガルドナはさらに困惑を深める。
「に、兄さん?」
「いや、すまない・・・お前は最近ずっと父さんや母さんを困らせてばかりだったからな」
「そ、それは・・・」
ガルドナもそれに対しては引け目は感じていた。別に両親そのものに不満があったわけではない。
ただ、その愛情が自由を望む自分の足かせになる事がもどかしかったのだ。
両親を困らせたいわけではない。だけども両親や一族が引いたレールに乗るのは嫌なのだ。
「だけども学校の人と切磋琢磨するって言うなら二人も安心するさ!俺も嬉しいぞ」
「そ、そうかな・・・」
兄が嬉しそうにしているのでガルドナはちょっとだけ罪悪感を感じずにはいられなかった。
悪魔に対して挑戦するという本来なら無謀も無謀な挑戦をしようとしているのに。
そしておそらくその挑戦は全くの無駄に等しい。勝てっこない。
けど、挑戦したい。強大な何かに全力でぶつかっていきたいのだ。
あの火球をはじき返したとき、自分の中にある何かに、決定的な火が点いたのを感じてしまったから。
「どんな人なんだ?」
「え?」
「その、認めさせたい人だよ」
ガルドナはそれを聞いて困った。口止めされているのに答えられようはずもないが・・・そこでガルドナは申し訳ないとは思いつつもアダムを口実に嘘をつくことにした。
「実はさ、今年の一年生でFクラスってあるだろ?」
「ああ、落第すれすれとか酷い噂話をされてる・・・」
「そこの担任の先生、ディーン先生っていうんだけどその先生が個人的に講師を招いてるんだ。その先生だよ」
「へえ!それはいいな、しかしそのディーン先生って人も熱心だな」
「元々人数が少ないらしいからね、クラスメイトの事を大切にしてるんだろうね」
準備運動を終えて二人は木剣で打ち合っている。その強度はそれなりのものだったが二人はそれを難なくこなしている。フェンシブ家の魔法使いは剣術や槍術、体術を学ぶことも多いが二人のそれはその中でも同年代の中では抜きんでているといっていい。
「先生とはそうあるべきだろう、生徒と向き合わずして何が先生か!」
「ッ!それもそうか!」
兄も色々な武術や魔法の師ともいうべき人に教えを乞い、技術を磨いてきた。
人を見る目があったのか、それとも運が良かったのか兄は才能を開花させて跡目を継ぐに相応しい技量を持っている。
(そう考えると・・・俺は、何を目指しているんだろうか)
目の前の兄は十分に目標にするに値する人物のはずだ。自分のことも気にかけながら家族を大事にし、仕事についての修行も欠かさない。そんな兄をどうして自分は目標とすることができなかったのか。
(俺はどうにも、自分で思っている以上に馬鹿なのかもしれないな)
自分はどうにも目標が高くないと面白くないらしい。それも無謀だとか、無茶だとか言われるくらいの。
「兄さん!俺!強くなるよ!」
「ああ、頑張れ!」
それからしばらくの間稽古が続き、シドルはガルドナの目的を知って武器の持ち出しを大っぴらに許可してくれることになった。ガルドナはそれを受けて様々な武具を手に水曜日に向けて準備を重ねた。
『来たか』
ガルドナが待ちに待った水曜日、武具を身に纏いまるで戦士のような雰囲気で対峙するのは八つの腕に目、見上げるような体格の女性。悪魔である。
「失礼の無いようこちらは殺す気でいきます!」
『力み過ぎないようにね』
悪魔はそう言うと指先をガルドナに向ける。
『それでは前回のおさらいと行こう』
魔力が一点に集まり、火球が形成される。その威力はおそらく以前のものと同様だ。
「ッ!行きます!」
ガルドナは以前のように真向から受けるのではなく、あえて前に出ることで打点が高い位置に移動すると盾の魔法を発動しながら前へ前へと進んでいく。
「ぐおおっ!」
当たった火球が魔法とは思えない重量を発してのしかかる。しかしそれは前へ進もうとする力を持っているためガルドナが差し込んだ盾を滑って通り過ぎていく。
そしてその火球が盾を押して自分に当たりそうになる瞬間にスライディングでその下を潜ると火球はガルドナの背後へと飛んでいき、大きな爆発を起こした。
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