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ルナの新しい力
ごほうび?
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ガルドナはそれからしばらくして目を覚ました。床で寝ていたからか体の節々は痛んだが後頭部だけが何故か柔らかい事に気付いた。
「う・・・」
『気が付いた?』
声が響いて目を開くと視界の大半が何かに遮られているのに気付いた。慌てて真横に転がって起き上がると正座した状態の悪魔がこちらを見ていた。
『手加減したから大丈夫だとは思っていたけど・・・うん、腫れも引いたし大丈夫そう』
対峙していた時と違い、温和な表情でほほ笑む彼女は印象がガラリと変わっていた。
恐ろしさは鳴りを潜めておりその表情はまるで聖女のそれだ。
悪魔は異形にも関わらずその美しさは人を惹き付ける。魔力の波長、量、そして魂の強さ。
それらが重なることでそれは雰囲気として強まり、そして彼女に限っては人の特徴もまた美しさを持っている。
「俺が無傷だったのは・・・」
『私が治療した、治癒術を使えるから』
ゆっくりと立ち上がるとその姿は蝙蝠とも蜘蛛ともつかぬ姿だった。ただその両足は人のそれに近い形になっており、自分を床に寝かせないためにそうしたのだろうか。
「あ、ありがとうございます」
『お礼を言われるほどのことじゃない、これも練習だから』
糸が絡んだ際にできた裂傷も、擦り傷も、火球が掠った際の火傷もきれいさっぱり無くなっている。
先ほどの戦闘が夢かと見まごうほどの精度だが・・・ボロボロになった装備がそれを現実の出来事と教えてくれる。
『魔法ばかりでは先が見えるし、こちらも何か好奇心が満たされるものがいいな・・・』
「好奇心ですか?」
開いた八つの目が細く、それでもしっかりとガルドナを見据えていた。
『剣の使い方や、体の動き、それらはとても興味深い』
「そ、そうなんですか?魔法と比べたら使い勝手は・・・」
『それはそれ、これはこれ。興味が出たら、それは学んでみたい』
今回の戦いで比較的無事だった短槍を拾っていたのか彼女はそれを棒切れのように振り回している。
ぶっちゃけ自分の腕で攻撃した方が威力も効率も良いだろうがそれは彼女にとって面白くないらしい。
『次に、何か用意できたら・・・やってみよう』
彼女が振り回すような武器で攻撃されたら死ぬんじゃないかとガルドナは思ったが何やら楽しそうなので気にしないことにした。強制できる立場でもないし。
「それじゃあ、今日のところはここらへんで失礼します」
『うん、気を付けてね』
彼女は手を振るとそのまま魔法陣の中へと入っていった。ガルドナは装備の破片など集められるものをできるだけ集めるとその惨状を見て溜息をついた。
「さすがに怒られるかな・・・」
魔法の余波で壊れたものや彼女の手足の攻撃を防いだり受け流したりした際に変形した手甲やアームガードなど。
護符も燃え尽きて黒焦げになっているし服も同様である。ガルドナは仕方ないとは思いつつも重い足取りで家路についた。
「武器が欲しいです」
「なんだ藪から棒に」
ガルドナとの訓練が終わってからルナはアダムにそう言った。あまりに突拍子もない言葉に最初はぽかんとしていたアダムだったがルナが相手にしていたガルドナの実家は徒手戦闘から武器による近接戦闘をこなす戦士職を兼ねた家である。彼が思いのほか体術に秀でていたのでルナの好奇心が刺激されたのだろう。
「武器です、剣とか槍とか」
「お前さんは魔法使いだろうに・・・」
「でも、面白そうだから・・・それにディーン先生はいろんな道具の使い方を教えてくれたし」
「教えたのは確かだが・・・お前さんはほぼほぼ自前で代用できるだろうに」
アダムは鉤縄や火打石の使い方など魔法に寄らない知識でFクラスにサバイバル技術の手ほどきをしていたが困ったことにルナにはほとんど必要のないものばかりだった。もちろんそれは人型でいなければならない時には必要になる知識ではあるし、知っていて損はないのだが・・・。
「鉤縄が無くても糸でお前さんの体重どころかFクラス全員吊り下げても大丈夫だったろう」
「そうですね」
「縄梯子を掛ける前にお前さんなら壁を歩けるだろ」
「・・・まあ、できます」
「登器とかもいらないし、なんなら空を飛べるだろう」
「・・・」
Fクラスでは身軽かつ、洞窟などの足場の悪いところでも難なく移動できるダズがそれを一番うまく活用していた。
元よりピッケル一つで山に登れるくらい達者なダズは壁に寝床を作って休憩することすらできる。
他は人並みだが魔力による身体強化を多少できるのでそれを元にして壁にぶら下がったり、縄を登ったり下りたりできるのだ。
ルナもそれに関しては他の皆と同様だったが、彼女の場合は持ってなくても代用できるものが多すぎるのである。
「蜘蛛の足があれば両手足を自由にしたまま壁を登れるし、糸を張れば高所に楽々留まれるし、空を飛んでいくこともできるし、蜘蛛の足は逆に糸を切ったりもできるし・・・」
ぶっちゃけ麻縄や革を切り裂くことができるだけの鋭さを持ち合わせた蜘蛛の足と、金属や石を容易く砕いてしまう百足の牙や毒があれば穴を掘るのも埋めるのも思いのままだ。
「う・・・」
『気が付いた?』
声が響いて目を開くと視界の大半が何かに遮られているのに気付いた。慌てて真横に転がって起き上がると正座した状態の悪魔がこちらを見ていた。
『手加減したから大丈夫だとは思っていたけど・・・うん、腫れも引いたし大丈夫そう』
対峙していた時と違い、温和な表情でほほ笑む彼女は印象がガラリと変わっていた。
恐ろしさは鳴りを潜めておりその表情はまるで聖女のそれだ。
悪魔は異形にも関わらずその美しさは人を惹き付ける。魔力の波長、量、そして魂の強さ。
それらが重なることでそれは雰囲気として強まり、そして彼女に限っては人の特徴もまた美しさを持っている。
「俺が無傷だったのは・・・」
『私が治療した、治癒術を使えるから』
ゆっくりと立ち上がるとその姿は蝙蝠とも蜘蛛ともつかぬ姿だった。ただその両足は人のそれに近い形になっており、自分を床に寝かせないためにそうしたのだろうか。
「あ、ありがとうございます」
『お礼を言われるほどのことじゃない、これも練習だから』
糸が絡んだ際にできた裂傷も、擦り傷も、火球が掠った際の火傷もきれいさっぱり無くなっている。
先ほどの戦闘が夢かと見まごうほどの精度だが・・・ボロボロになった装備がそれを現実の出来事と教えてくれる。
『魔法ばかりでは先が見えるし、こちらも何か好奇心が満たされるものがいいな・・・』
「好奇心ですか?」
開いた八つの目が細く、それでもしっかりとガルドナを見据えていた。
『剣の使い方や、体の動き、それらはとても興味深い』
「そ、そうなんですか?魔法と比べたら使い勝手は・・・」
『それはそれ、これはこれ。興味が出たら、それは学んでみたい』
今回の戦いで比較的無事だった短槍を拾っていたのか彼女はそれを棒切れのように振り回している。
ぶっちゃけ自分の腕で攻撃した方が威力も効率も良いだろうがそれは彼女にとって面白くないらしい。
『次に、何か用意できたら・・・やってみよう』
彼女が振り回すような武器で攻撃されたら死ぬんじゃないかとガルドナは思ったが何やら楽しそうなので気にしないことにした。強制できる立場でもないし。
「それじゃあ、今日のところはここらへんで失礼します」
『うん、気を付けてね』
彼女は手を振るとそのまま魔法陣の中へと入っていった。ガルドナは装備の破片など集められるものをできるだけ集めるとその惨状を見て溜息をついた。
「さすがに怒られるかな・・・」
魔法の余波で壊れたものや彼女の手足の攻撃を防いだり受け流したりした際に変形した手甲やアームガードなど。
護符も燃え尽きて黒焦げになっているし服も同様である。ガルドナは仕方ないとは思いつつも重い足取りで家路についた。
「武器が欲しいです」
「なんだ藪から棒に」
ガルドナとの訓練が終わってからルナはアダムにそう言った。あまりに突拍子もない言葉に最初はぽかんとしていたアダムだったがルナが相手にしていたガルドナの実家は徒手戦闘から武器による近接戦闘をこなす戦士職を兼ねた家である。彼が思いのほか体術に秀でていたのでルナの好奇心が刺激されたのだろう。
「武器です、剣とか槍とか」
「お前さんは魔法使いだろうに・・・」
「でも、面白そうだから・・・それにディーン先生はいろんな道具の使い方を教えてくれたし」
「教えたのは確かだが・・・お前さんはほぼほぼ自前で代用できるだろうに」
アダムは鉤縄や火打石の使い方など魔法に寄らない知識でFクラスにサバイバル技術の手ほどきをしていたが困ったことにルナにはほとんど必要のないものばかりだった。もちろんそれは人型でいなければならない時には必要になる知識ではあるし、知っていて損はないのだが・・・。
「鉤縄が無くても糸でお前さんの体重どころかFクラス全員吊り下げても大丈夫だったろう」
「そうですね」
「縄梯子を掛ける前にお前さんなら壁を歩けるだろ」
「・・・まあ、できます」
「登器とかもいらないし、なんなら空を飛べるだろう」
「・・・」
Fクラスでは身軽かつ、洞窟などの足場の悪いところでも難なく移動できるダズがそれを一番うまく活用していた。
元よりピッケル一つで山に登れるくらい達者なダズは壁に寝床を作って休憩することすらできる。
他は人並みだが魔力による身体強化を多少できるのでそれを元にして壁にぶら下がったり、縄を登ったり下りたりできるのだ。
ルナもそれに関しては他の皆と同様だったが、彼女の場合は持ってなくても代用できるものが多すぎるのである。
「蜘蛛の足があれば両手足を自由にしたまま壁を登れるし、糸を張れば高所に楽々留まれるし、空を飛んでいくこともできるし、蜘蛛の足は逆に糸を切ったりもできるし・・・」
ぶっちゃけ麻縄や革を切り裂くことができるだけの鋭さを持ち合わせた蜘蛛の足と、金属や石を容易く砕いてしまう百足の牙や毒があれば穴を掘るのも埋めるのも思いのままだ。
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