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旅立ちの日に
邪神との取引その2
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とりあえず邪神さんは影がすっかりと小さくなり、子犬ちゃんみたくなっている。元の影の形が犬っぽかったから彼女とも上手くいっていたのだろうか。
「とりえあえずまずは・・・これね」
魂の交換リストと現在の魂の数を示すランタン状の容器。軽く三桁超えてる気がするけどこれは・・・。
『彼女は前の世界でも同じような事をしていたんだ・・・悪人を狩り続けていた、規定数が既に集まっていたからこちらから契約を持ちかけたんだよ』
元から死後に魂を回収しようとして付け狙っていたらしいが予定外に収入をもたらしてくれるとの事で彼は彼女の専属になったそうだ。
『しかし彼女の嗅覚というか、そういった物は素晴らしくて・・・こっそり近づいたのにこの通りさ』
そう言うと彼は頭に出来た切り傷を見せる。荒く縫ってあるがどうしてこんな傷が?実体のないものとおもっていたけど。
『向こうの世界では勝手が違ってね、接触するために実体化したのさ』
「そしたら先手を打たれたと」
『手斧でバシーっ!て実体化してたから死ぬかと思ったけどいい思い出にもなった』
からからと笑う彼、なるほど・・・悪魔は総じて自分に反抗的な人が大好きだ。アスモデウスも私がいかようにしても殺せないし靡かないという一点をまず最初に評価してくれた。そして私がそれなりの敬意を払ったのもあるけど。
『とりあえず、まずはチュートリアルだ。彼女を回復させるから見ててくれ・・・流石に彼女もヤバイ』
話し合いに夢中になっていたが絶賛彼女は死に瀕しているんだった。振り返ると顔色に見えるくらい失血している。
『これくらいならまだ三十分はもつがそれでも急ぐのに越したことはない』
「どうしてわかるの?」
『経験則』
そう言われると仕方ない。先生ほど医学に精通していないので人がどれくらいもつかなんてわからない。まさか自分の体を匙加減にすることもできないし、ってかならないし。
『それじゃあこのランタンに示された個数を気にしながら・・・このメニューを参照してくれ』
そう言うとランタンの反対側にガラス状のプレートがはめ込まれており、魂を代価に叶えられる願いが列挙されている。
1、契約者、任意の生物の全快。代価魂一個
2、任意の生物の強化 。代価魂一個
3、異世界からの物品の取り寄せ。代価魂一個
4、使役する使い魔の召喚。代価応相談、最上級に限り魂のみの取引とする。
5、異世界への移動 代価魂十五個
6、異世界の技術への順応 代価魂十五個
7、死者の蘇生。代価魂千個
「蘇生だけやけに高くない?」
『魂さえ確保できれば肉体が消滅していようが、世界を跨いで別の地で死んでようが、悪魔に魂を取られてようが大抵は千個集めれば蘇生できるんだ。むしろ蘇生に関してはリーズナブルだぞ』
最低でも千人を殺す必要があるのにリーズナブルってのもかなりアレだけどそもそも悪魔が相手だから倫理を問うたところで無駄だからしょうがない。
「むしろ他のが安い気すらするけど・・・」
『魂一個のものに関してはサービスってところが多いね、能力が上がってくれればその分次の収入がよくなるだろ?』
「なるへそ」
『ま、彼女のはほとんど自前だからそれすら要らなかったんだがねー』
彼の話によると彼女の不死身さ、そして筋力と獣とのコミュニケーション能力は持って生まれた異能だという。一応異世界に渡る時とこの世界に順応するために三十個の魂を消費したらしいがかなり彼女はイヤイヤだったそうだ。
『それだけ一直線に母親に会いたかったんだろう、こっちもその熱意に負けて一個分の願いはタダで叶えたし』
「一個分のサービスはなんだったの?」
『彼女の顔さ、美人だろ?でも最初は病で崩れてて・・・彼女はそれで母親に捨てられたんじゃないかと気に病んでいた・・・だから俺が真実を教えて、母親を生き返らせるかと契約を持ちかけたのさ』
彼女は幼い頃に病気になり、顔は二目とみられない顔になった。それからというもの、母親は彼女を猟師だった祖父預け、自分は家に帰らなくなったそうだ。祖父は変わらず彼女を愛し、帰らぬ母親が今も彼女を愛し続けていると諭し続けたがそれでも彼女の心の隙間は埋まらなかった。
そして、彼女の母親が生きて帰る事は二度となかった。その頃には誰とも接する事なく、後を追うように亡くなった祖父のいた山小屋で猟師として生きていたのだという。しかしその後、母が非業の最期を遂げた事、そして母が家に帰らなくなった理由は彼女を蝕む病を治す為に資金と情報を集める為だと知った。祖父の言う通り彼女の母は微塵も愛を失うことはなかったのだ。
『俺と契約した彼女はそれから母親を死に追いやった連中への復讐と、祖父の家を守る為に寄ってくるあらゆる外敵を始末するためだけに奔走していた』
「へー・・・」
『それで、魂を集めるのに限界が来たんで世界を渡って、彼女には内緒で母親の魂の居所を探りつつ悪人狩りを続けてたッてワケ』
なるほど、詐欺まがいかと思いきや真面目に仕事してたのか。ちょっと反省、しかしそうなるとこれからが大変だろう。
「とりえあえずまずは・・・これね」
魂の交換リストと現在の魂の数を示すランタン状の容器。軽く三桁超えてる気がするけどこれは・・・。
『彼女は前の世界でも同じような事をしていたんだ・・・悪人を狩り続けていた、規定数が既に集まっていたからこちらから契約を持ちかけたんだよ』
元から死後に魂を回収しようとして付け狙っていたらしいが予定外に収入をもたらしてくれるとの事で彼は彼女の専属になったそうだ。
『しかし彼女の嗅覚というか、そういった物は素晴らしくて・・・こっそり近づいたのにこの通りさ』
そう言うと彼は頭に出来た切り傷を見せる。荒く縫ってあるがどうしてこんな傷が?実体のないものとおもっていたけど。
『向こうの世界では勝手が違ってね、接触するために実体化したのさ』
「そしたら先手を打たれたと」
『手斧でバシーっ!て実体化してたから死ぬかと思ったけどいい思い出にもなった』
からからと笑う彼、なるほど・・・悪魔は総じて自分に反抗的な人が大好きだ。アスモデウスも私がいかようにしても殺せないし靡かないという一点をまず最初に評価してくれた。そして私がそれなりの敬意を払ったのもあるけど。
『とりあえず、まずはチュートリアルだ。彼女を回復させるから見ててくれ・・・流石に彼女もヤバイ』
話し合いに夢中になっていたが絶賛彼女は死に瀕しているんだった。振り返ると顔色に見えるくらい失血している。
『これくらいならまだ三十分はもつがそれでも急ぐのに越したことはない』
「どうしてわかるの?」
『経験則』
そう言われると仕方ない。先生ほど医学に精通していないので人がどれくらいもつかなんてわからない。まさか自分の体を匙加減にすることもできないし、ってかならないし。
『それじゃあこのランタンに示された個数を気にしながら・・・このメニューを参照してくれ』
そう言うとランタンの反対側にガラス状のプレートがはめ込まれており、魂を代価に叶えられる願いが列挙されている。
1、契約者、任意の生物の全快。代価魂一個
2、任意の生物の強化 。代価魂一個
3、異世界からの物品の取り寄せ。代価魂一個
4、使役する使い魔の召喚。代価応相談、最上級に限り魂のみの取引とする。
5、異世界への移動 代価魂十五個
6、異世界の技術への順応 代価魂十五個
7、死者の蘇生。代価魂千個
「蘇生だけやけに高くない?」
『魂さえ確保できれば肉体が消滅していようが、世界を跨いで別の地で死んでようが、悪魔に魂を取られてようが大抵は千個集めれば蘇生できるんだ。むしろ蘇生に関してはリーズナブルだぞ』
最低でも千人を殺す必要があるのにリーズナブルってのもかなりアレだけどそもそも悪魔が相手だから倫理を問うたところで無駄だからしょうがない。
「むしろ他のが安い気すらするけど・・・」
『魂一個のものに関してはサービスってところが多いね、能力が上がってくれればその分次の収入がよくなるだろ?』
「なるへそ」
『ま、彼女のはほとんど自前だからそれすら要らなかったんだがねー』
彼の話によると彼女の不死身さ、そして筋力と獣とのコミュニケーション能力は持って生まれた異能だという。一応異世界に渡る時とこの世界に順応するために三十個の魂を消費したらしいがかなり彼女はイヤイヤだったそうだ。
『それだけ一直線に母親に会いたかったんだろう、こっちもその熱意に負けて一個分の願いはタダで叶えたし』
「一個分のサービスはなんだったの?」
『彼女の顔さ、美人だろ?でも最初は病で崩れてて・・・彼女はそれで母親に捨てられたんじゃないかと気に病んでいた・・・だから俺が真実を教えて、母親を生き返らせるかと契約を持ちかけたのさ』
彼女は幼い頃に病気になり、顔は二目とみられない顔になった。それからというもの、母親は彼女を猟師だった祖父預け、自分は家に帰らなくなったそうだ。祖父は変わらず彼女を愛し、帰らぬ母親が今も彼女を愛し続けていると諭し続けたがそれでも彼女の心の隙間は埋まらなかった。
そして、彼女の母親が生きて帰る事は二度となかった。その頃には誰とも接する事なく、後を追うように亡くなった祖父のいた山小屋で猟師として生きていたのだという。しかしその後、母が非業の最期を遂げた事、そして母が家に帰らなくなった理由は彼女を蝕む病を治す為に資金と情報を集める為だと知った。祖父の言う通り彼女の母は微塵も愛を失うことはなかったのだ。
『俺と契約した彼女はそれから母親を死に追いやった連中への復讐と、祖父の家を守る為に寄ってくるあらゆる外敵を始末するためだけに奔走していた』
「へー・・・」
『それで、魂を集めるのに限界が来たんで世界を渡って、彼女には内緒で母親の魂の居所を探りつつ悪人狩りを続けてたッてワケ』
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