ドラゴンになったので世界を救う為に国と跡継ぎつくります!

ファウスト

文字の大きさ
29 / 282
いざ行かん、リットリオ

生活費を稼ごう

しおりを挟む
「買うとは言ったけど・・・。」

翌日、ピリピリする色町を他所に俺は再びキャサリンの店を訪ねる。
そこに持ち込まれた魔導金属の量にキャサリンは難しい顔をしていた。

「少ないか?」
「馬鹿言わないで、多すぎるわ。 店を破産させる気?」
「歩合制でもいいぜ、売れた金額から交渉するが?」

単価は金を純粋に買うよりも高価らしい。しかし金にならなければ持っている意味はない。成金趣味も物欲もないのでさっさと生活費にして女の子達の教育費にも回してしまいたい。

「いいの?私が売り上げを正直に言うとは限らないけど?」
「商売人が信用を金で売るとはおもえん、オカマの地位がそれほど高いとも思えんしな。それに世話になったヤツの信用にも傷をつけるような店なら俺も切り易いしな。」

そう言うとキャサリンは参ったと言わんばかりに大きく息を吐いた。

「さすがはマフィア殺しの男・・・といったところかしら?」
「よせよ、そんな渾名に興味ないぜ。どうせなら『どぶ浚い』でもいいぜ。」
「あら意外、こういうのって武勇伝自慢でやるのが大半だと思ってたけど・・・。」

アンタ馬鹿なの?と真剣に聞いてきた。地味に傷つくな。俺だってやりたくてやってない。

「社会のごみが目の前で未来ある女の子を食い物にしてたら潰すだろ? オカマの世界じゃ違うってのか?」

「ああ、なるほど、アナタ良い馬鹿ひとなのね。」
「ああ、その通りさ。だが今更自分の命惜しむほど若くないつもりだ。それより未来が欲しい。」

明るい未来がな。と恍けてみせる。潰されて擦れていくだけの人生になんの価値がある。そう言う事を俺の目の前でするってことはとどのつまり俺に喧嘩を売ってるってことだろ。ラブ&ピースだ、それがいい。ありきたりだが難しい事を考えて短い人生棒に振るなんて無駄だ。無駄。

「はー、最悪だ。全うな事を願ってるはずなのに俺が馬鹿だといわれる気分を教えてやろうか?」
「結構よ、とりあえず作品作りに今から集中するからアンタもう帰っていいわよ。」


これから一応70以上生きた俺の人生哲学を聞かせようと思ったら仕事の邪魔になったのか追い出された。泣けるぜ。さてさて、こうなってくると日銭をまた稼がなきゃいけないワケだが・・・。
仕方ないので俺はまた懲りずに闘技場へと向かうことにした。



「よう、受付のお嬢ちゃん。今回は空いてる?」
「・・・?。あぁ、アナタでしたか。」

もちろんですよ、と返されて俺は番号札を受け取る。どうやら一回目のように担保を払う必要はなくなったらしい。



 「あ!てめえ・・・また来やがったのか!」

このゴリラも懲りないヤツだ。

 「今度こそテメエを沈めてやるぜ。」

コイツほんと・・・あれだ、うん、アレだ。










『強い!圧倒的に強い!今回もまたヴォルカン選手が一番!しかも見事に全滅させての勝利です!』

結論からいうと今回はかなりチョロかった。あの三人組もおらず、ツレもいないので俺はサクッと全員をボコって勝利した。ゴリラは最初にボコッたら終盤に起き上がってきたので再びボコッてキッチリ締め落としておいた。

諦めが悪いヤツだ、それとも実力差がわからないほど馬鹿なのか。ゴリラだからか?

 「大活躍でしたね、それでは賞金をどうぞ。」

受付嬢がそう言うと再び大きな袋を渡してくれた。前回と内容は一緒、心なしか前回よりも少し多いかもしれない。今回違ったのは闘技場のボスからお呼びが掛かった事だ。
しおりを挟む
感想 84

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...