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いざ行かん、リットリオ
騎士団長とお話
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「覚えとけアウロラ、知らないということは場合によっては如何なる罪よりも業が深いぞ」
「はい・・・」
二人で人間ウォッチングをしながら話し込んでいると遅れてエルフの間者達が俺達の立つ建物の屋根へと遅れながら追い着いて来る。
「ふぅ・・・ふぅ・・・、案内を振り切らないでください」
「遅すぎるお前達が悪い、歩き方から教えてやるほど俺は気長ではない。時間は貴重なんだぞ?」
夜の帳の内側こそ影が自由に動ける時間。彼女達は自分達が秒刻みのスケジュールに組み込まれたいる事を知らないのか?全く無責任だ。
「鍛錬が足りないんです、エルフはデスクワーカーばかりなのですか?」
アウロラが片方の眉を持ち上げてそう言うとエルフ達の視線が厳しいモノになる。こいつも意外と好戦的だな。
「煽るなアウロラ、お前も所詮似たり寄ったりだ。俺から逃れられないレベルの足腰で彼女達に巧拙を問う権利があると思うのか?」
「す、すみません・・・」
「むしろこれから真価を問われるのはお前の方だ、彼女達は我々よりも先に仕事を果たす。我々の仕事はここからなのだからな。」
此処からは少しばかりスピードを落としてテルミットの部下に合わせつつ騎士団の住居を飛び越えて一際大きな建物へと辿り着く。
外見は質素に作られていて主人の趣向が見て取れる。
「ここからがショータイムだ」
「ショータイムですか?」
アウロラが怪訝そうな顔をするが俺は気にする事無く大きく跳躍し一気に騎士団長の屋敷の屋根へと飛び乗った。そしてその勢いのまま奴の書斎へと乗り込んだ。
「おじゃま・・・ってまだ誰も居ないがね」
テルミットの調べでは騎士団長は寝る前に書斎で仕事を片付けると言う。今は丁度晩餐を済ませ仕事に支障が出ない程度に晩酌を楽しんでいる頃だろう。
仕事を済ませる頃に丁度酔いが回るように考えて呑んでいるらしい。
「さて、まずはカマ掛けのための事前準備からだ・・・」
薄暗い書斎で俺はある書類を取り出し机の上へと置いた後、騎士団長がやってくるまで勝手にセラーに積まれた酒瓶を傾ける事にする。
「ふぅ・・・」
屋敷の主、騎士団長アイノ・ルッカーネンは何時もの仕事を終えて帰途に着き、日課の晩酌を楽しんでいた。しかし今日・・・というよりは最近になってからはその晩酌に使う酒も安酒が多くなり、質よりも量を求めるようになっていた。
「騎士団の動静を操作するにも限界があるというのに・・・」
最近になって不意に裏社会からのアプローチが多くなった気がするからだ。
彼らとの関わりは昔に犯したほんの小さな過ち、既婚者であるにも関わらず売春婦とはいえ不貞を働いてしまった。それからというものスキャンダルを封じる代わりに幾つかの犯罪を揉み消し、敵対者の抹消などを取り持ってきた。彼らの敵対者は大抵脛に傷を持つ者であったため功績を積むことができたので出世もできた。しかしながらそれが悪縁であることは言うまでもなく、できることなら切りたくもあった。
縁を切りたいと強く願うようになったのは妻に子供が出来たときだった。元気な赤子は女の子で目に入れても痛くない可愛らしい子。そんな子が時折自分を見上げ、抱っこをねだるのだがその際に自分を見つめる純粋な目を見る度に強い自責の念に駆られるのだ。
「・・・リーシャ、アニタは寝たのか?」
「ええ、最近帰りが遅いから心配してましたけど」
貞淑な妻リーシャはそう答え、少し心配そうに私を見つめる。よもや私が過去に不義を働き、その尻拭いに悪事に加担しているとは夢にも思うまい。
マフィアの連合からガサ入れの時間と量を減らし、罪の追求を最小限に抑えるように恫喝されているのだ。私が妻と子を愛している事を知るや恫喝の内容に娘の誘拐や妻の殺害を仄めかすようになってからは殆ど奴隷も同然だった。帰りが遅いのは正義感に燃える若い騎士達を見張り、マフィアの調査に乗り出さないように押さえ込む為だった。全く情けない限りである。
「明日も早い、書類仕事を片付けて私は寝ることにするよ」
「ええ、くれぐれも無理はしないでくださいね?」
作り笑いで妻の心配を誤魔化し、私は足早に書斎へと向かう。このごろは妻の顔すら苦痛に感じる有様だ・・・。いっそ自首でもすれば良いのではないだろうか?しかしそれではどの道妻と娘は・・・。乱暴にドアを開け、書斎に逃げ込むと酒瓶を手に取りグラスに注ぐ事もなく乱暴に呑むと口元を拭う。
「何をやっているんだ・・・私は・・・」
「全くだね」
ギョッとして振り返ると影から這い出すように月明かりに照らされた大柄な青年が口元に笑みを浮かべて佇んでいる。
「せっかく俺がマフィアを幾つか潰したってのに騎士団が仕事しないんだよ、なにかご存知かねぇ・・・?」
まるで全てを見透かすような態度で笑みを浮かべると彼は気味の悪い笑みを浮べたまま勝手に書斎の机に腰掛ける。
「な、何のことだ?」
「トボケるない、若い子攫って色町に卸してたから潰したってのに肝心に騎士様が動いてくれないんで正義の味方の俺が命を狙われちゃってんだぜ」
そう言うと同時に見せた彼の獰猛な瞳の輝きに私は思わず息を呑んだ。飲んだ酒の酔いなんぞ簡単に吹き飛ぶような迫力にでかかった言い訳が霧散していく。
「アンタの事は調べさせてもらったが・・・中々どうして立派な御仁じゃないか、若いのにな」
若い。その言葉に私は思わず怪訝し、青年を見る。20そこそこの青年がまるで老人のようなことを言うモノだ。しかし老人のように感じるのは言動だけではない。
「娘さんがいるアンタなら解るだろう?子供を利用して金を稼ぐ卑劣漢を赦せん俺の気持ちが・・・悪いことは言わん、そんな外道とは手を切るべきだ」
「それは・・・そうだろう・・・だが私は弱みを握られている。些細な事かも知れないが・・・」
「なんだ、美人局にでも引っ掛かったのか?」
その言葉に私は思わず顔を顰めた。まるでその場に居合わせていたかのような雰囲気で言うのでまさにぐうの音も出ない有様である。そもそもその時は酒にも酔っていたのでどうなっていたかも定かではない、ただ女を連れたマフィア達に脅かされて今まで従ってきたのだ。
「そんな事を気にするとは何とまあ律儀な奴・・・大方酒に酔って覚えてないんだろ?それで詰め寄られて有耶無耶にするからとか何とか言われたんだろう」
名誉が命の騎士様らしいな、と呆れを孕んだ表情で語る彼の姿はまるで今は亡き祖父を思い起こさせる。
「はい・・・」
二人で人間ウォッチングをしながら話し込んでいると遅れてエルフの間者達が俺達の立つ建物の屋根へと遅れながら追い着いて来る。
「ふぅ・・・ふぅ・・・、案内を振り切らないでください」
「遅すぎるお前達が悪い、歩き方から教えてやるほど俺は気長ではない。時間は貴重なんだぞ?」
夜の帳の内側こそ影が自由に動ける時間。彼女達は自分達が秒刻みのスケジュールに組み込まれたいる事を知らないのか?全く無責任だ。
「鍛錬が足りないんです、エルフはデスクワーカーばかりなのですか?」
アウロラが片方の眉を持ち上げてそう言うとエルフ達の視線が厳しいモノになる。こいつも意外と好戦的だな。
「煽るなアウロラ、お前も所詮似たり寄ったりだ。俺から逃れられないレベルの足腰で彼女達に巧拙を問う権利があると思うのか?」
「す、すみません・・・」
「むしろこれから真価を問われるのはお前の方だ、彼女達は我々よりも先に仕事を果たす。我々の仕事はここからなのだからな。」
此処からは少しばかりスピードを落としてテルミットの部下に合わせつつ騎士団の住居を飛び越えて一際大きな建物へと辿り着く。
外見は質素に作られていて主人の趣向が見て取れる。
「ここからがショータイムだ」
「ショータイムですか?」
アウロラが怪訝そうな顔をするが俺は気にする事無く大きく跳躍し一気に騎士団長の屋敷の屋根へと飛び乗った。そしてその勢いのまま奴の書斎へと乗り込んだ。
「おじゃま・・・ってまだ誰も居ないがね」
テルミットの調べでは騎士団長は寝る前に書斎で仕事を片付けると言う。今は丁度晩餐を済ませ仕事に支障が出ない程度に晩酌を楽しんでいる頃だろう。
仕事を済ませる頃に丁度酔いが回るように考えて呑んでいるらしい。
「さて、まずはカマ掛けのための事前準備からだ・・・」
薄暗い書斎で俺はある書類を取り出し机の上へと置いた後、騎士団長がやってくるまで勝手にセラーに積まれた酒瓶を傾ける事にする。
「ふぅ・・・」
屋敷の主、騎士団長アイノ・ルッカーネンは何時もの仕事を終えて帰途に着き、日課の晩酌を楽しんでいた。しかし今日・・・というよりは最近になってからはその晩酌に使う酒も安酒が多くなり、質よりも量を求めるようになっていた。
「騎士団の動静を操作するにも限界があるというのに・・・」
最近になって不意に裏社会からのアプローチが多くなった気がするからだ。
彼らとの関わりは昔に犯したほんの小さな過ち、既婚者であるにも関わらず売春婦とはいえ不貞を働いてしまった。それからというものスキャンダルを封じる代わりに幾つかの犯罪を揉み消し、敵対者の抹消などを取り持ってきた。彼らの敵対者は大抵脛に傷を持つ者であったため功績を積むことができたので出世もできた。しかしながらそれが悪縁であることは言うまでもなく、できることなら切りたくもあった。
縁を切りたいと強く願うようになったのは妻に子供が出来たときだった。元気な赤子は女の子で目に入れても痛くない可愛らしい子。そんな子が時折自分を見上げ、抱っこをねだるのだがその際に自分を見つめる純粋な目を見る度に強い自責の念に駆られるのだ。
「・・・リーシャ、アニタは寝たのか?」
「ええ、最近帰りが遅いから心配してましたけど」
貞淑な妻リーシャはそう答え、少し心配そうに私を見つめる。よもや私が過去に不義を働き、その尻拭いに悪事に加担しているとは夢にも思うまい。
マフィアの連合からガサ入れの時間と量を減らし、罪の追求を最小限に抑えるように恫喝されているのだ。私が妻と子を愛している事を知るや恫喝の内容に娘の誘拐や妻の殺害を仄めかすようになってからは殆ど奴隷も同然だった。帰りが遅いのは正義感に燃える若い騎士達を見張り、マフィアの調査に乗り出さないように押さえ込む為だった。全く情けない限りである。
「明日も早い、書類仕事を片付けて私は寝ることにするよ」
「ええ、くれぐれも無理はしないでくださいね?」
作り笑いで妻の心配を誤魔化し、私は足早に書斎へと向かう。このごろは妻の顔すら苦痛に感じる有様だ・・・。いっそ自首でもすれば良いのではないだろうか?しかしそれではどの道妻と娘は・・・。乱暴にドアを開け、書斎に逃げ込むと酒瓶を手に取りグラスに注ぐ事もなく乱暴に呑むと口元を拭う。
「何をやっているんだ・・・私は・・・」
「全くだね」
ギョッとして振り返ると影から這い出すように月明かりに照らされた大柄な青年が口元に笑みを浮かべて佇んでいる。
「せっかく俺がマフィアを幾つか潰したってのに騎士団が仕事しないんだよ、なにかご存知かねぇ・・・?」
まるで全てを見透かすような態度で笑みを浮かべると彼は気味の悪い笑みを浮べたまま勝手に書斎の机に腰掛ける。
「な、何のことだ?」
「トボケるない、若い子攫って色町に卸してたから潰したってのに肝心に騎士様が動いてくれないんで正義の味方の俺が命を狙われちゃってんだぜ」
そう言うと同時に見せた彼の獰猛な瞳の輝きに私は思わず息を呑んだ。飲んだ酒の酔いなんぞ簡単に吹き飛ぶような迫力にでかかった言い訳が霧散していく。
「アンタの事は調べさせてもらったが・・・中々どうして立派な御仁じゃないか、若いのにな」
若い。その言葉に私は思わず怪訝し、青年を見る。20そこそこの青年がまるで老人のようなことを言うモノだ。しかし老人のように感じるのは言動だけではない。
「娘さんがいるアンタなら解るだろう?子供を利用して金を稼ぐ卑劣漢を赦せん俺の気持ちが・・・悪いことは言わん、そんな外道とは手を切るべきだ」
「それは・・・そうだろう・・・だが私は弱みを握られている。些細な事かも知れないが・・・」
「なんだ、美人局にでも引っ掛かったのか?」
その言葉に私は思わず顔を顰めた。まるでその場に居合わせていたかのような雰囲気で言うのでまさにぐうの音も出ない有様である。そもそもその時は酒にも酔っていたのでどうなっていたかも定かではない、ただ女を連れたマフィア達に脅かされて今まで従ってきたのだ。
「そんな事を気にするとは何とまあ律儀な奴・・・大方酒に酔って覚えてないんだろ?それで詰め寄られて有耶無耶にするからとか何とか言われたんだろう」
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