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ドラゴンと動力機関の章
閑話 アランの近況報告
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アラン視点
ふふふー、私の名前はアラン・ゲイズバー。リットリオで今をときめく大商会ゲイズバー商会の会長。
部下達を家族のように可愛がり、有能なら乞食だって引き立ててやってきた私の大事なお家。
そこにもって新しい刺激がやってきた。あの赤髪のお馬鹿さん。出会った時には任侠の世界を思わせるようなたくましさと実直さを持った丈夫って感じのタイプの男性だったわ、まるで真新しいのに熟成されたお酒のような、内容と外面が一致しないような不思議な、けれどとても立派な男性。
ただ、あの男、逢瀬を重ねるのは火遊び大好きな私にはいいけど商売相手としてはホント大変ね。
ヒューイの疲れた顔を見て察するべきだったかしら?でも目の前の利益が果てまで道になってるような商売のタネを見逃すのは商人としては論外だし、人間を見る目はヒューイも私もそれなりに自身がある。
けれどあのお馬鹿さんはとっても規格外だったわ。まさか闘技場経営者が妻で自身も集落を切り盛りするサマル王国の辺境伯の一子で本人は気付いてないけど国内じゃ実質彼も伯爵位に推挙されてるって話じゃない?なんでもあの子の作った木材の入手ルート、リットリオでは私に独占させてくれてるから仕方ないけどサマルでは彼の卸した木材のお陰で輸入の割合が減って他国に流出する財貨が減ってるとか何とか。
サマルは木工芸品で有名だからフィゼラー大森林の高品質な木材は垂涎の品、今までは魔物たちが多すぎて無理だったけど今はあの集落での頻繁な狩りのお陰で大分危険度が下がってきてるって。
独占はずるいと言いたいでしょうけどあそこの維持管理を誰がやるの?って疑問を投げた時に結局出来る人が居なかったのよね。それ故に貴族達は高品質な木材を手に入れるためにヴォルカンを伯爵位に就けて恩を売ろうとしている。
ただヴォルカンは並みのやり手では制御できないわ、腕っ節もあるし度胸もある、何より行動力とカリスマがあるから何時の間にか周りを味方につけてやりたい放題する。
不義は許さないけど苛烈な対応や闇討ちなんかもお得意みたいだし、なによりダークエルフ達を味方につけている時点で彼らには恩を売って取り込む以外に選択肢が無いんでしょうね。
リットリオでも私と闘技場の二大巨頭と誼を結びつつ、貴族達に自分の息の掛かった子供達を養子として出してるんだから・・・。あらやだ、あの子二カ国このまま併合しちゃったりしないわよね?
怖いわー、なんかやりそうで怖いわー。
魔導金属の件もそう、売る相手選ぶのよねー、キャサリン達に頼んで片っ端から装飾品にしてもらってるけどアレが武器に化けたら戦争が起きかねないし。お陰で在庫がだぶ付いて困ってるからヴォルカンの言を参考にして職人用の道具に使うことにしてエンゲンの鍛冶場町で包丁や鋏、鍬や鋤なんかに使おうかしら。とっても贅沢な品ね。でも魔導金属で出来た品は品質が頭一つ飛びぬけて高い品。
素材ですら高値がつくけどそれをふんだんに使った品ともなればさらに値段は高くなる。それが名工の手がけた作品ともなると天井知らずに値が上がる。それ故に商売の糸口はいくらでもあるし、ダメ元で闘技場に資金援助を打ち出したところ職人育成と人材貸し出しの件を条件にOKがでた。
何事もチャレンジして見るものだわね、コレによって商会が独占していた利益を循環させ商会以外にも商売を回していけるようになった。それに伴って魔導金属の在庫もどんどんと高値で出荷されていく。
ふぅ、これでリットリオは未曾有の好景気になるわね。首都から発した熱が徐々に周辺に伝わり、貴族達も自分達の領地を立て直す為に積極的な投資と商家の受け入れを行っている。
孤児院出身の子供が手紙で知った学校の設立を提言しているので孤児院発の新しい試みである学校も職人教育の計画とセットで広まっている。
読み書き算盤の使い方の基本的な学問から鍛冶・工芸・魔法・武芸、さまざまな人間が教官、先生という肩書きに憧れて自分の技術を手に首都のみならず色々な地域に走り回っている。
ああ、これでも読み書きの練習に使う筆記用具とかも必要よね、どうするのかしら?
あら、お客さん?ああ、あそこの集落の・・・え?紙の量産の目処がついたって?
学校もヴォルカンの立案?なにそれ怖い、またアイツが言いだしっぺだったわけ?そこに来て紙の量産って・・・しかもこれかなり丈夫な紙じゃないの。
羊皮紙が供給に耐えられなくなってきているから助かるわ、一般紙として普及させましょうかね。王族にいる知り合いに渡りをつけて規格化してもらおうっと。適当に税をかけてもらえば国も潤うし保護も代わりにしてもらいましょう。最近思ってきたけどヴォルカンの人の振り回し方を見てると自分でなんでもやろうとするのがバカらしいからねぇ。マフィアの不始末で国民に苦労かけた分彼らに頑張ってもらいましょう、こういう決まり事作るのと管理するのは得意だろうしね。
あー!そうそう、だれか集落に知らせを送ってちょうだいな。そうそう、あとダークエルフのお嬢さん達ともっと親密になって頂戴ね。なんか思いついたらやらかす前に教えてくれって伝えて頂戴。
こんど会ったらとっちめてやるわ。
ふふふー、私の名前はアラン・ゲイズバー。リットリオで今をときめく大商会ゲイズバー商会の会長。
部下達を家族のように可愛がり、有能なら乞食だって引き立ててやってきた私の大事なお家。
そこにもって新しい刺激がやってきた。あの赤髪のお馬鹿さん。出会った時には任侠の世界を思わせるようなたくましさと実直さを持った丈夫って感じのタイプの男性だったわ、まるで真新しいのに熟成されたお酒のような、内容と外面が一致しないような不思議な、けれどとても立派な男性。
ただ、あの男、逢瀬を重ねるのは火遊び大好きな私にはいいけど商売相手としてはホント大変ね。
ヒューイの疲れた顔を見て察するべきだったかしら?でも目の前の利益が果てまで道になってるような商売のタネを見逃すのは商人としては論外だし、人間を見る目はヒューイも私もそれなりに自身がある。
けれどあのお馬鹿さんはとっても規格外だったわ。まさか闘技場経営者が妻で自身も集落を切り盛りするサマル王国の辺境伯の一子で本人は気付いてないけど国内じゃ実質彼も伯爵位に推挙されてるって話じゃない?なんでもあの子の作った木材の入手ルート、リットリオでは私に独占させてくれてるから仕方ないけどサマルでは彼の卸した木材のお陰で輸入の割合が減って他国に流出する財貨が減ってるとか何とか。
サマルは木工芸品で有名だからフィゼラー大森林の高品質な木材は垂涎の品、今までは魔物たちが多すぎて無理だったけど今はあの集落での頻繁な狩りのお陰で大分危険度が下がってきてるって。
独占はずるいと言いたいでしょうけどあそこの維持管理を誰がやるの?って疑問を投げた時に結局出来る人が居なかったのよね。それ故に貴族達は高品質な木材を手に入れるためにヴォルカンを伯爵位に就けて恩を売ろうとしている。
ただヴォルカンは並みのやり手では制御できないわ、腕っ節もあるし度胸もある、何より行動力とカリスマがあるから何時の間にか周りを味方につけてやりたい放題する。
不義は許さないけど苛烈な対応や闇討ちなんかもお得意みたいだし、なによりダークエルフ達を味方につけている時点で彼らには恩を売って取り込む以外に選択肢が無いんでしょうね。
リットリオでも私と闘技場の二大巨頭と誼を結びつつ、貴族達に自分の息の掛かった子供達を養子として出してるんだから・・・。あらやだ、あの子二カ国このまま併合しちゃったりしないわよね?
怖いわー、なんかやりそうで怖いわー。
魔導金属の件もそう、売る相手選ぶのよねー、キャサリン達に頼んで片っ端から装飾品にしてもらってるけどアレが武器に化けたら戦争が起きかねないし。お陰で在庫がだぶ付いて困ってるからヴォルカンの言を参考にして職人用の道具に使うことにしてエンゲンの鍛冶場町で包丁や鋏、鍬や鋤なんかに使おうかしら。とっても贅沢な品ね。でも魔導金属で出来た品は品質が頭一つ飛びぬけて高い品。
素材ですら高値がつくけどそれをふんだんに使った品ともなればさらに値段は高くなる。それが名工の手がけた作品ともなると天井知らずに値が上がる。それ故に商売の糸口はいくらでもあるし、ダメ元で闘技場に資金援助を打ち出したところ職人育成と人材貸し出しの件を条件にOKがでた。
何事もチャレンジして見るものだわね、コレによって商会が独占していた利益を循環させ商会以外にも商売を回していけるようになった。それに伴って魔導金属の在庫もどんどんと高値で出荷されていく。
ふぅ、これでリットリオは未曾有の好景気になるわね。首都から発した熱が徐々に周辺に伝わり、貴族達も自分達の領地を立て直す為に積極的な投資と商家の受け入れを行っている。
孤児院出身の子供が手紙で知った学校の設立を提言しているので孤児院発の新しい試みである学校も職人教育の計画とセットで広まっている。
読み書き算盤の使い方の基本的な学問から鍛冶・工芸・魔法・武芸、さまざまな人間が教官、先生という肩書きに憧れて自分の技術を手に首都のみならず色々な地域に走り回っている。
ああ、これでも読み書きの練習に使う筆記用具とかも必要よね、どうするのかしら?
あら、お客さん?ああ、あそこの集落の・・・え?紙の量産の目処がついたって?
学校もヴォルカンの立案?なにそれ怖い、またアイツが言いだしっぺだったわけ?そこに来て紙の量産って・・・しかもこれかなり丈夫な紙じゃないの。
羊皮紙が供給に耐えられなくなってきているから助かるわ、一般紙として普及させましょうかね。王族にいる知り合いに渡りをつけて規格化してもらおうっと。適当に税をかけてもらえば国も潤うし保護も代わりにしてもらいましょう。最近思ってきたけどヴォルカンの人の振り回し方を見てると自分でなんでもやろうとするのがバカらしいからねぇ。マフィアの不始末で国民に苦労かけた分彼らに頑張ってもらいましょう、こういう決まり事作るのと管理するのは得意だろうしね。
あー!そうそう、だれか集落に知らせを送ってちょうだいな。そうそう、あとダークエルフのお嬢さん達ともっと親密になって頂戴ね。なんか思いついたらやらかす前に教えてくれって伝えて頂戴。
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