ドラゴンになったので世界を救う為に国と跡継ぎつくります!

ファウスト

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ドラゴンと独立宣言の章

リフレッシュしたところで

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さて、いろいろ発散できたのでそろそろ本題に入ろう。トラックの本格運用だ。これを国内だけでなくサマルやザンナル領での利用を目指しての対策を考えないといけない。

「魔導金属という高いハードルがあるから早々真似はされないと思うが・・・」

そもそも扶桑国には俺と言う無料の魔導金属加工機があるのでどうとでもなる。数か月に一度炉に火を吹き込めば後は火と鉄のプロであるドワーフ達がそれを有益に活用してくれる。しかし機構の真似自体は簡単なのだ。
なにせ、魔導金属の二つに反発する作用があり、魔導金属の金属片三つと水の張った桶とコップでもあれば気づけることだ。魔導金属の量が増えて、簡易な開発方法が発見されればトラックも直にできるだろう。

「うう・・・魔導金属が生産できている時点でまず大変な事なんですが・・・」
「それもそうだ、そして・・・知られるとむちゃくちゃ面倒くさい」
「利益がとんでもない事になりますしね」

とりあえず間に合わせの魔法で出した水で濡らしたタオルで体をふきながらアレクシアとあれこれ話し合う。

「とりあえずヴォルが持ちすぎるというのであれば・・・王族の所有物ということでトラックを運用するのはどうでしょうか?」
「うーむ、それが妥当なのか?」

やはり俺の所有物ではなく、アレクシア王族所有というのが一番角が立ちにくいだろうか。中身の機構もそれに伴って秘匿されれば不用意に真似されることもない。

「そうなるとどうやって王族所有を証明するんだ?」
「それにはちゃんと解決策があるのです!」

ささっと着替えるとアレクシアは自身の机の引き出しからビロードの箱を取り出した。
上等そうなそれは割りと大きな物で、ちょっとしたポスター位のサイズだった。

「その箱は?」
「私が将軍の席に就いたときにお祖父様から戴いた私個人の紋章です」

箱から取り出して見るとそこには鎧を纏った龍が槍を手に佇むイラストが描かれており、それが一枚の金属板になっている。これは・・・。

「判子か」
「そうです!魔力を込めれば何にでも捺せる凄い判子です!」

魔導金属を使用した特殊な判子だ。王公貴族以外は所持すら許されない権威の象徴。
アレクシアは王族なのだが・・・その価値がわかっているか怪しい反応してやがる。判子も凄いがそれの所持が如何なる意味を持つかがわかってないんじゃ・・・。

「ほら、私の枕にも捺せました!」

確定、用意したのは陛下だろうが持たせたのは父親の方だな!畜生目ぇ。枕なんかに捺すんじゃないよ!

「アレクシア、お前は後でお説教だ」
「ええっ!」

俺に対するリアクションからして意味が全くわかっていやがらねえ。公文書とかに使うもんだろうに。そう思っていると案の定文書用の小型の判子も。大きな判子とも寸分の違いもなくスケールダウンさせた職人の技が光る逸品が・・・。

よく見ると文書の束の上に・・・あるような?

「あそこにあるのは?」
「小さい判子ですね、文書の決裁に使うのでそこにいつも置いています」

無用心極まりないが用途はちゃんとしたものなので安心した。これで文鎮にしてたら拳骨モノだったが・・・。

「これなら木材や金属にも捺せるハズですよ」
「なるほど」

とりあえず文書にも使用されていると言うことならある程度の知名度もあるだろう。貴族連中も王族の所有物ともなれば文句も言いにくいだろう。

「ありがたく借り受けよう、これがあればすぐにでも木材を首都まで運び込める」
「その車はそれほど凄いのですか?」
「生物が動力じゃないから御者の体力さえ持てば一日中移動できる」

そう言うとアレクシアは顎に手を添えて考え込む。軍を動かす用兵の観点からも衝撃的なんだろう。

「すごい・・・速度は?」
「馬車並みには出せる」

そう言うとアレクシアは再び考え込んだ。流石に事が重大過ぎたか?

「とりあえずお祖父様と父上に話をあわせておいてください、私ではちょっと手に余る内容です」
「わかった、こちらで早馬を出しておく」

ダークエルフの斥候にそれを頼めば良いだろう。フィゼラー駐留のメンバーを同行させれば魔導エンジン車の説明もできるだろう。

「それなら大丈夫です、後は私に実物を見せておいてくれれば
「そう言われると確かにそうだ、どうしようかな・・・」
「フィゼラー近辺にあるなら視察という名目で行けますが?」
「そうしよう、それなら時期的にもおかしくない」

打ち合わせを終え、軽くだべってから俺は一旦アレクシアと別れて首都近辺に詰めている獣人部隊に召集をかける。それからダークエルフにも召集をかけ、彼女達にアレクシアのサイン要りの文書を添えてトラックの件の確認をとっておく。

「それでは獣人部隊は先行してトラックを確保してくれ」
「了解です、伯爵様」
「斥候隊は貴族連中に気取られないように移動することを徹底しろ、打ち合わせはできるだけ念入りにな」
「我等原初の王の御心のままに」

ニ部隊の返事に頷くと彼らは一斉に行動を開始した。さて、俺も行動するとしよう。


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