転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋

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第五章『暗帝団について』

久々に

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「着いたよー。」
ニコがそう言った時、僕とアフェは外を覗いた。
「おー。」 
「久しぶりに帰ってきたー。」
僕は馬車を降り、カイルさんと向き合った。
「今回もありがとうございました。」
カイルさんがそう言った。
「こちらこそありがとうございました。
またお願いします。」
カイルさんが頭を下げると同時に僕も頭を下げた。
僕は馬車に戻り、ナツたちを起こしに行った。
「ナツ、セトス、着いたよ。」
「んー…?」
「着いたんだ。」
「うん。
紹介したいから僕の部屋で準備しに行こう。」
「ナツちゃんは私の部屋でね。」
そうして僕は自分の塔の玄関に来た。
すると見知った顔が僕の目に映っている。
「シルファ姉様。
お久しぶりです。」
「待ってたわリィ!」
そう言ってシルファ姉様は飛び込んできた。
「見ない間に大きくなったわね。」
「お陰様で。」
「えっと…この女の子は?」
ナツがそう言ったのでシルファ姉様は少し下がり、お辞儀をした。
「初めまして。
グラシアル家次女、シルファ・グラシアルです。」
「シルファ姉様、全員年下ですし仲間なので敬語は外して貰っても構いませんよ。」
「あらそう?
ならそうさせてもらうわ。」
「姉様…ってことはリィのお姉さん?」
「うん、2つ上のね。」
「リィが女の子を連れてきたのは今回が初めてだね。」
あ、確かシルファ姉様にはリリーのこと紹介してなかったっけ。
「見た感じこれから準備って感じかな?」
「はい。
全員着替えをしようと思いまして。」
「2人には私から貸そうか?
父上に会うんでしょう?」
「シルファお嬢様、身支度はこちらにお任せください。
シルファお嬢様の服はお嬢様のために領主様が買われた物なのですから、ご自身でお使い下さい。」
ニコのこんな丁寧な敬語とか久々に聞いたなー。
「あらそう?
なら任せようかな。
いつまでいるつもりなの?」
「学校が自分の家より近いので暫くはいるつもりです。」
「そうなの!
また遊びましょ!」
嬉しそうなシルファ姉様を横目に僕はニコと目を合わせた。
「時間も多くありませんので、準備してきます。」
「分かったわ。
なら私は本館で待ってるわね。
相変わらず父上と母上は来てないけど兄様たちと姉様は来てるわ。」
はっや。
「分かりました。
すぐに向かいますね。」キャプテンの周りの女の子全員可愛くないですか?
そう言うとシルファ姉様はウインクして走って行った。
「セトス、行こうか。」
「アフェちゃんとナツちゃんも行こうか。」
そうして僕たちは別れた。
「これがリィの部屋!?」
僕の部屋がある塔に入るとセトスが叫んだ。
「僕も最初びっくりしたよ。
でもここは貴族の家、こんな大豪邸でも納得するよね。」
「うーん、確かにそうか。」
今頃ナツも似たような反応してるんだろうなぁと思いながら僕は寝室に入った。
「フィカさん?」
なんか魔力感じるなーとは思ってたけどフィカだったとは。
「久方ぶりだな、リィよ。」
「え、こちらの方は?」
「俺の使い魔、ドラゴンのフィカだよ。」
「あ、前言ってた!」
「我はフィカだ。
よろしく頼むぞ。」
フィカが笑いながら言う。
「それで、ここにいるってことは何かあったんでしょ?」
「うむ。
ただ今すぐ言うことではない。
家族との時間を作るのも人間の仕事の一つらしいからな。
ギシュから聞いたぞ。」
ギシュはどんなこと教えてんだか。
「分かった。
ひと段落ついたら教えてね。」
「分かったぞ。」
あ、そう言えばここに来た理由を忘れてた。
「服どれ着ようかな。」
せっかく作ってもらったしスーツでも着ようかな。
「セトスはどれ着たい?」
と言うと、男の人の使用人が颯爽と現れた。
「ここは私にお任せ下さい。」
「ありがとうございます。」
「よ、よろしくお願いします。」
ガチガチのセトスであった。
「リィ様、お召し物はどうなさいますか?」
「自分で決めるよ。
セトスだけよろしく。」
「承知しました。
集合時間まである程度の余裕はありますので、ごゆっくり。」
…新人かな?
見たことない人だった。
「ま、着替えるか。」
僕は後ろにいるフィカと少し喋りながらタンスから服を選び、準備を終えた。
「フィカはどうする?」
「我はじきにに見回りの交代の時間だ。
ここで時間を潰させてもらうぞ。」
「分かった。
ギシュも休んでてって言っておいて。」
「承知した。」
僕はそう告げて部屋を出た。
すると、目の前に着替えを終えたセトスがいた。
「お、いいじゃん。」
「そう?
リィが言うなら間違いないや。」
そうして僕らは本館に向かった。
外に出ると、そこには立ち尽くしたアフェの姿があった。
「アフェ。」
「やっと来た。
遅い。」
仕方ないと思って欲しい限りである。
「てか着替え早かったな?」
「早着替えの魔法。
便利。」
なんだその絶妙に欲しい魔法。
「ナツ、中。」
「了解。
ちょっと待っておこうか。」
珍しく可愛らしい服を着ているからか少しご満悦なアフェ、それを見て微かに笑う僕、何も考えてないように見えて何も考えてないセトス。
そんな3人で三角形を構成していると、ナツが来た。
「ごめん、待った?」
「いや待ってないよ。
さ、行こうか。」
僕は3人を後ろに引き連れて本館に向かった。
1分もかからずに本館前に着いた。
ドアを開けると、そこにはリン姉様以外が座っていた。
と、言うことは前回と同じく…
「今回は背中を叩かれませんよ。」
僕はリン姉様の気配を感じ、振り向いた。
「お、成長したな。」
「お陰様で。」
「まあ立ち話ってのもなんだ。
ほら、君たちも座ると良い。」
僕たちは席に案内された。
「自己紹介は父上や母上が来てからにしよう。
それまで前菜でも食べて待っていてくれ。」
ドラ兄様がアフェたちにそう言った。
するとリン姉様が話し始めた。
「ん?
お前はアフェリスじゃないか。
なんで貴様がここにいるんだ?」
あ、そういえば騎士団員なんだっけか。
「私、リィの仲間。」
「そうだったのか!
早く言ってくれたらよかったのに。」
「ん。
ごめん。」
なんか謝ってるところ初めて見た気がする。
「あれ、席多くないですか?」
隣のタク兄様に聞いてみた。
「今回はリィが連れてきてくれた彼ら以外にも客人が数名いてね。
その人たちのために置いているんだよ。
リィが知ってる人もいるかもね。」
誰なのだろうか…
そう考えていると、ドアが開いた。
「どうもー。
皆さんお久しぶりです。」
そこには見知った顔があった。
「クロース様!」
リン姉様の所属している団の副団長、クロース・アヴェンドがそこにはいた。
「リィくん。
この前の報告感謝するよ。
おかげで特に大きな被害も出なかった。」
「いえ、こちらこそ。」
「お初にお目にかかります。
リィの姉、シルファ・グラシアルです。
よろしくお願いします。」
シルファ姉様が席を立ち、挨拶した。
「初めまして。
君の話はリン団長から聞いてるよ。」
そんな感じでクロース様との会話が弾む。
そんな時、また人が来た。
「調子はどうだ?
リィよ。」
「久しぶりー!」
声がしたので後ろを向くと…
「国王様とリリー王女!?」
そこには国王とリリーがいた。
「国王陛下、王女リリー様、こちらへ。」
ドラ兄様が席に案内した。
リリーは僕の隣らしい。
「リィよ。」
「はい。」
国王に呼ばれ、返事をした。
「領地での調子はどうだ?」
「あー…父上達の報告も兼ねて後でもいいですか?」
「うむ、分かった。」
その後国王はリン姉様に話しかけていた。
というか今どんな状況だよ。
両隣にはリリーとアフェ、一つ飛ばしてナツとクロース様、向かいには国王。
なんだこの豪華すぎるメンバー。
まだ席は4つ空いてる。
父上と母上以外に誰が来るのだろうか。
と身構えていたら、意外な人が来た。
「カイル?」
「どうも皆様、お初にお目にかかります。
カイル・ゴールと申します。
主にリィ様の使用する馬車の運転手をしております。」
「お、てことはリィ御用達の?」
「はい。
いつも運転して下さっています。」
なんでカイルが?
「カイルさん、ここ座って下さい。」
「ありがとうございます。」
そこは国王の隣で、かなり肩身が狭そうだった。
ラストは…
「ハロー♪」
「カルマ侯爵。
お久しぶりです。」
この人は…知らないな。
「初めましてだもんね。」
え?
「え?ってどうしたの?」
「リィ、カルマさんは読心魔法の使い手だよ。」
「あ、そうだったのですか。
では改めまして、リィ・グラシアルです。」
「カルマ・アローだ。
よろしく。」
カルマさんがそう言うと後ろからニコが忍び寄ってきた。
「あの方は侯爵。
リィのお父様と仲が良くて呼ばれたみたい。」
「よく知ってるね。
メイドさんかな?」
「はい。
リィ様の専属メイドをさせていただいているニコです。」
「よろしくね。」
まさかこの人がこれからのストーリーの鍵になるとは、この時も僕は思いもしなかった。
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