偶然が生んだ最強種

大路

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34.俺の使命感

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 朝気持ちよく寝ていると珍しくテリーに叩き
 起こされる。

「テツ!起きて!」

 そう言いながら顔に腰掛けてくる。

「ブハァ!!」

 何やってんだよこの馬鹿は!!
 殺す気かよ!

「何だよテリー!それと起こし方おかしいだろ」
「やっぱりテツ面白い!」

 うん??

 そんなやり取りをするテリーの横に
 ボロボロの蝉丸。

「蝉丸、どうしたんだよ?」
「て、テリー様に特訓をしてもらいまして」

 どうやら早朝からテリーに起こされ特訓をされて
 いたらしい。
 その成果か進化が可能になったとの事。
 テリーが言うので間違いないだろうがステータスを
 チェックしてみる。

 蝉丸
 進化可能一覧
 死龍刀 格上の幻獣種と戦い一度心停止する 達成
 黄泉刀 一度死に黄泉の世界から帰還する 達成

 ど、どんな特訓だったんだ・・・
 蝉丸一覧死んだのか・・・

「殿!拙者も進化出来ますか?」
「あ、ああ出来るよ」

 よっしゃあーーとガッツポーズをする蝉丸。
 喜んでいるしまぁ良いか?

 そう思いながら蝉丸に進化先をどちらにするか
 選ばせる。

「拙者、黄泉刀でお願い致します」

 黄泉龍のテリーの影響を色濃く受けそうな
 進化先だ。

 では黄泉刀に決定!!

 光が晴れ蝉丸が姿を現わす。
 着物は金と白の豪華な物に変わりスキンヘッドの頭
 には龍をモチーフにした様なタトゥーが入っていた

「蝉丸!カッコ良い!」
「テリー様!ありがとうございます」

 そう言いながら握手を交わす二人。

 蝉丸
 種族  黄泉刀 蝉丸
 基本属性魔法
 魔法は使用出来ません
 特殊能力
 妖術 金  妖術 死  妖術 龍

 中々強そうに進化した蝉丸。
 疲れが限界だったのか失礼しますと声を掛け刀に
 戻っていった。

 テリーも珍しく早起きで眠たいのかもう一度寝ると
 ベッドに潜り込んだ。

 少し早いが俺は出掛ける事にする。
 そんな様子に気付いたのか他の四人が姿を現わす。

「主よ出掛けるのか?」
「ちょっと本を読みにね」

 俺は当初の目的の図書館に行く予定だ。
 何で立って此処は通称「本の国」。
 四人にも今日は自由に遊んで来ていいと伝え
 ある程度のお金を渡す。

 紅丸と白雪は嬉しそうに買い物に行く予定を
 たてていた。

 黒爺と薄緑は俺について来ると言うので三人で
 出掛ける事にする。

 街に繰り出すと俺達に挨拶をしてくれる人々。
 昨日の大会で有名人だ。

 途中軽い軽食を取り綺麗な街並みを歩き目的の
 図書館に辿り着いた。

 驚いたのは本の多さ!!

 その中で各々気になる本を借りて読む。
 黒爺は名酒の歴史という本。
 薄緑は世界の名刀の本。
 俺は歴史ある魔導書に目を通す。

 のんびり読書を楽しむ。
 中々良い時間だ。

 知識も増えていくのが分かる!
 魔王についての書籍も読んだ。

 その中で アリス・アクレピオスという人が書いた
 この世の成り立ちという書籍は興味深い物だった。

 世界のバランス理論という物を説いている内容で
 転移した者つまり俺が魔王を倒すか俺が滅びなけ
 ればこの世界は成立しないという内容の物だった。

 内容は難しくて全て理解する事は出来なかったが
 俺達が魔王を倒さなければならないらしい。

 他の誰でもなく俺達がだ。

 何か使命感の様な物が芽生える内容だった!!

 この世界に来て俺達は人に恵まれている。
 この世界や人々を守りたいという気持ちが
 芽生えてきているのが自分でも分かる。

 そうこうしている内に中々良い時間になって
 いたので宿に戻る事にする。

 途中大量の荷物を持った紅丸と白雪に会い
 一緒に帰る。

 さあ明日は獣人の国を目指して頑張りますか!!



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