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二章
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「アリアージュ・ゼス・キュイベル王妃殿下に祝福と恩恵に感謝致します」
この中で年長のヴェクステル館長が代表で口上を述べ一同に礼の挨拶をすると、王妃様は手を上げ着席を促す。
「非公式故に畏まらなくて良い。アエスに会うのに堅苦しいのはつまらぬからね。最近は公務が忙しいようですが、身体を大事になさい」
「はい。母上もご健勝でなによりでございます」
上座に王妃様が着席してから皆不動のまま。緊張で動けない。
王妃様は、アエス王子によく似た髪色だ。瞳は王様似だけど、全体の雰囲気は王妃様似なのだと思った。顔の作りなんて、凄んだ時のアエス王子にそっくりだし。だからか王様より緊張する。なんだろこの迫力。
チラリと横目で視ると、背後のアチラの方はお婆様らしき人物。と、もう一つ。
慌てて視線を戻した。
ヴェクステル館長と、同じくらい珍しいのが居た。
肩に乗る大きな猫。
ーー霊獣だ。
霊獣は飼い主と強い絆がないと成れない。よっぽど王妃様を慕っていたのだろう。ゴロゴロと喉を鳴らして擦り寄っているのが視えた。
「ところでアエス。所用とは何かな?この者達が何か関わっているようですが?」
「はい、実はーー
アエス王子が説明をする。
地図の不明瞭な先にある秘密の部屋の出入り口。その捜索の依頼を話すアエス王子。
王妃様は王様が意識不明になった原因なども当然知っている。
我が家が王様から褒美を貰ったことも知っているだろうし。
だから、私が視えることはあらかじめ知っているはず。
会話の合間にチラリと私に視線を向けるのは辞めてください。
刺さる視線を受けながらただ黙して不動のまま座り続けた。
「なるほどな。なら後宮への入宮を認めよう。して、部屋は何処が出入り口なのか判明してますか?」
「まだなのです。部屋の特徴として、色を多用した部屋で白い本棚に、青いベッド、黄色いテーブルがあるのだそうです。家具大きさから子供部屋のように見受けられたと」
そう。
色々な色で彩られた家具がある部屋だった。
多分子供部屋。
サイズが小さかったから。
そう報告したんだけど。
そんな部屋、都合良くあるかしら。
「そのようなお部屋にお心当たりはございますか?」
「ああ。その部屋はお前の部屋だった場所だ」
って、あったの!?ビンゴじゃん!
「え?私のですか?」
「生まれたばかりの幼い頃や後宮に来た時だけ使っていたのだが、覚えてはいないのだな」
なんだか悲しそうな王妃様。背後のお婆様もしょんぼりしている。
「アエスが……とても幼い時、一時的に使用しただけだから……。覚えていないのも無理はないか………」
王妃のその声は、話したと言うより自問自答したような呟きでアエス王子も返答できず黙っていた。
◇◆◇
「案内を着けます。気をつけて任を済ますように。また時間があれば顔を見せておくれ」
簡潔に述べると王妃様は執務に戻って行った。
「「はあーー」」
私とヴィーエさんと溜め息が重なった。
王妃様が退室したとたん重圧から解放され、ダラシなく背もたれに保たれかけた。
流石にマアディン卿とヴェクステル館長とファルシュさんは顔色も変わらず態度も変わらない。大人だねー。
アエス王子は神妙な顔付きで黙ったままだった。
この中で年長のヴェクステル館長が代表で口上を述べ一同に礼の挨拶をすると、王妃様は手を上げ着席を促す。
「非公式故に畏まらなくて良い。アエスに会うのに堅苦しいのはつまらぬからね。最近は公務が忙しいようですが、身体を大事になさい」
「はい。母上もご健勝でなによりでございます」
上座に王妃様が着席してから皆不動のまま。緊張で動けない。
王妃様は、アエス王子によく似た髪色だ。瞳は王様似だけど、全体の雰囲気は王妃様似なのだと思った。顔の作りなんて、凄んだ時のアエス王子にそっくりだし。だからか王様より緊張する。なんだろこの迫力。
チラリと横目で視ると、背後のアチラの方はお婆様らしき人物。と、もう一つ。
慌てて視線を戻した。
ヴェクステル館長と、同じくらい珍しいのが居た。
肩に乗る大きな猫。
ーー霊獣だ。
霊獣は飼い主と強い絆がないと成れない。よっぽど王妃様を慕っていたのだろう。ゴロゴロと喉を鳴らして擦り寄っているのが視えた。
「ところでアエス。所用とは何かな?この者達が何か関わっているようですが?」
「はい、実はーー
アエス王子が説明をする。
地図の不明瞭な先にある秘密の部屋の出入り口。その捜索の依頼を話すアエス王子。
王妃様は王様が意識不明になった原因なども当然知っている。
我が家が王様から褒美を貰ったことも知っているだろうし。
だから、私が視えることはあらかじめ知っているはず。
会話の合間にチラリと私に視線を向けるのは辞めてください。
刺さる視線を受けながらただ黙して不動のまま座り続けた。
「なるほどな。なら後宮への入宮を認めよう。して、部屋は何処が出入り口なのか判明してますか?」
「まだなのです。部屋の特徴として、色を多用した部屋で白い本棚に、青いベッド、黄色いテーブルがあるのだそうです。家具大きさから子供部屋のように見受けられたと」
そう。
色々な色で彩られた家具がある部屋だった。
多分子供部屋。
サイズが小さかったから。
そう報告したんだけど。
そんな部屋、都合良くあるかしら。
「そのようなお部屋にお心当たりはございますか?」
「ああ。その部屋はお前の部屋だった場所だ」
って、あったの!?ビンゴじゃん!
「え?私のですか?」
「生まれたばかりの幼い頃や後宮に来た時だけ使っていたのだが、覚えてはいないのだな」
なんだか悲しそうな王妃様。背後のお婆様もしょんぼりしている。
「アエスが……とても幼い時、一時的に使用しただけだから……。覚えていないのも無理はないか………」
王妃のその声は、話したと言うより自問自答したような呟きでアエス王子も返答できず黙っていた。
◇◆◇
「案内を着けます。気をつけて任を済ますように。また時間があれば顔を見せておくれ」
簡潔に述べると王妃様は執務に戻って行った。
「「はあーー」」
私とヴィーエさんと溜め息が重なった。
王妃様が退室したとたん重圧から解放され、ダラシなく背もたれに保たれかけた。
流石にマアディン卿とヴェクステル館長とファルシュさんは顔色も変わらず態度も変わらない。大人だねー。
アエス王子は神妙な顔付きで黙ったままだった。
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