126 / 302
5章
126
しおりを挟む「どうもこうもありませんよ。
相変わらず行く度に彼に付き纏われてますよ。
あ、あとツヴァイからいただいた鞄は物凄く役に立ってます。」
「だろうな。
あんな常識知らずなやり方をするとはさすがに思ってなかったから聞かされた時は驚いたぞ。」
「その節はご迷惑おかけしました?」
俺は首を傾げながら言う。
迷惑はかけてない気がする。
うん、かけてない。
かけてないよな?
「何で疑問形なんだ?」
「いや、ツヴァイに迷惑かけたのかな?と…」
「かかったな。
ギルドに繋ぎをつけたのは俺だ。
俺の名前は伏せてはいてもわざわざクレームがきたぞ。」
「…すみませんでした。」
がっつり迷惑をかけていたようだ。
お仕事を増やしたようで申し訳ない。
「で?
その付き纏ってる騎士団の騎士は今後どうするつもりなんだ?
迷惑しているようなら騎士団の方に一言言うか?」
「いや、そこまでは…」
オークスはあんな奴だし迷惑って言うかめんどくさいって言うか…そんなところはあるがなんだか憎めない奴なんだよな。
「ほう。
案外付き纏われているのも悪くないと思ってるわけだな?」
「そこまで言ってませんよ。」
「ふん、まぁ好きにしろ。」
ツヴァイに鼻で笑われた…
完全に面白がってるな…
「まぁとりあえずそんな感じです。
報告以上。」
「さっさと切り上げる気だな?」
「そうですよ。
何か問題でも?」
ないでしょ?
ちゃんと報告はしたし、質問にも答えた。
これ以上付き合えって言うのか?
「問題は…ないな…」
「じゃあ僕は明日も学校なので切りますね。」
「明日もギルドの仕事に行くのか?」
「そのつもりですけど?」
明日は実技の授業はない。
体力も気力もありそうだし、討伐はいい運動になる。
狩り過ぎると生態系のバランスに影響が出るので程々にしなければならないが…
いろんな種類を狩れば問題はないだろう。
「あまりギルドに入り浸るなよ。」
「そのつもりはありませんよ。」
「仕事ばかりじゃなくて今しか出来ないことをしろ。
学生時代はすぐ過ぎ去るからな。」
「友達と遊べってこと?」
ツヴァイは俺がギルドの仕事ばかりでククスやライルやアリサとあまり遊べていないことを心配してくれていたようだ。
「学生はさっさと寝ろ。
じゃあな。」
「ぁ、おやすみなさい!」
「おやすみ」
ツヴァイはぶっきらぼうに言い水鏡が霧散した。
俺はそのあと布団に入り今日のことを思い返しながら眠りについた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
702
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる