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6章
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しおりを挟む翌日、約束通り様子を見に森へ行く。
森に入り少し歩いていると俺に気付いたのか横から羽根をバタバタ羽ばたかせながらあの鳥が凄い勢いで突っ込んでくる。
飛んでいるわけではない。
ただ走っているだけだ。
さすがに避けられずかなりの衝撃が俺を襲う。
現代日本で言う交通事故だよ、これ。
それくらいの威力だ。
いくら身体強化や防御膜を張っていても、さすがにこの衝撃は殺しきれない。
かと言って避けるとそのまま木に突っ込んでいきそうだし…
避けられないよな…
「こらっいきなり突っ込んでくんじゃねぇ!」
俺に頭を擦り付けてくる鳥の頭をコツッと拳で軽く小突く。
それよりかなり距離があったはずなのによくもまぁこんな短時間でここまで来れたな…
まだ飛べないようだが脚はかなり強く…速くなったようだ。
それにしてもこいつが聖獣か…
いろいろと厄介だな。
懐かれたこと自体もそうだが、他の聖獣と違いすぎる。
まず聖獣に刷り込みって有りなのか?
いや、普通ないだろ…あーもうどうしたものか…
とりあえずこんな森の入り口付近だと目立つと森の奥へ入り、緑が茂る開けた場所へ移動する。
俺がブチブチと薬草をちぎりながら今後のことを悩んでいると鳥は暇を持て余したのか羽根をバタバタ動かしている。
飛ぶ練習をしているのだろうか?
助走をつけて羽根を羽ばたかせる。
ほんの少し浮きすぐに着地する。
それを何度か繰り返し、少しずつ滞空時間を伸ばしていく。
生後1日でもう飛べるのか…
早いよな…さすが聖獣、というとこか。
飛べるようになったら一緒に飛ぶのも面白そうだな。なんて考えてしまっている自分に気付き俺は頭を抱える。
そんな俺に少し飛べるようになった鳥が褒めて褒めて、と頭を押し付けてくる。
俺はわしゃわしゃっと頭を撫で、さっき薬草と一緒に採った木ノ実を鳥の口に放り込む。
鳥の口に合ったのかもっともっとと口を開けアピールしてくる。
よっぽど好きだったのか持っていた木ノ実を全部平らげまだ欲しそうに俺を見ていた。
今度来る時はもっといろんな木ノ実や果実を用意しておこう。
陽が暮れるまで一緒に過ごし今日も昨日と同様無の精霊に路地裏に繋いでもらいギルドに薬草を納品したあと引き止められつつ寮に帰る。
明日も様子を見に行くべきなんだろうか…?
まだ産まれたばかりだし…行った方が…
いや、でも甘やかし過ぎるのも…
でも心配だし…いやーうーん…
決められないまま夜は更けていった。
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