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7章
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しおりを挟むだがこんなことで怯んでなんかいられない。
俺はノックに近付き労いの言葉をかける。
「ノックありがとう、ご苦労様。」
「ガゥッ!」
俺がノックをひとしきり撫で、満足したのかルンルン気分でお尻を振りながら森の中へ帰って行った。
その上機嫌で揺れるお尻がまた可愛い。
ノックの心を表しているな。
「さて、お待たせしました。
中へどうぞ。」
ドアを開け手のひらで中を指す。
といってもドアを開けて目に入る範囲、すぐそこに雑に転がされた今回の実行犯がいるんだけどな。
ここは俺が作った小屋だ。
俺以外が使うことは滅多にない。
だが俺が帰らなかった間、森の精霊たちがきちんと管理してくれていたようで埃1つない。
が、なぜかリドのおもちゃが1つ、控えめに転がっている。
リドはこっそり遊びに来ていたみたいだな…
3人が小屋に入ったあと俺も続いて入り踏まれたり壊れたりしないようにおもちゃをそっと拾いポケットにしまう。
「ギル、これは…いったいどういう状態なんだ…?」
「あぁ、あまりにも煩かったので眠ってもらいました。」
「普通に眠ってもらったって感じではないようだな。」
「えぇ、まぁ…」
怒られるとわかっていて素直に言うべきか…
でも言わなかったら言わなかったで怒られそうだな…
だけど俺はこの件に関して引く気はない。
たとえ道徳的に間違っていると言われようと俺からすればこれは引いてはいけない問題なのだ。
「ギル…」
「精神に作用する魔法を使ってます。」
「クククッさすがだな。
ますます俺の部隊に欲しくなった!」
「ツヴァイ…」
悪びれもなく言い放った俺にツヴァイが面白そうに声を上げる。
そんなツヴァイにドア付近に立つイリスが冷めた気を放つ。
それに肩を竦め両手を挙げ首を振る。
これ以上この件に触れることはないだろう。
イリスの前では。
「ギル、これは使ってはいけない術なのはわかっているのかい?」
「はい。
それは十分理解しています。
それでも僕は…例えこの件で罪を問われ罰せられようとも後悔しないし、もしまた同じことが起これば僕は迷わず同じことをします。」
「ギル…」
「だっておかしいでしょう?
何の罪もない幼い子供たちを誘拐して傷付けて普通に裁かれて終わり?
僕はそんなこと許しませんよ。
リドの恐怖、痛み、それ以上のものを与えないと気が済みません。
このまま永遠に闇の中に屠ってもいいとさえ思っています。」
俺の言葉に言葉を失うメルとイリス。
何か言おうとするが妥当な言葉が見つからないようだ。
そんな俺たちをニヤニヤしながら傍観するツヴァイ。
ほんと、性格悪いよな。
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