ひたすら楽する冒険者業

長来周治

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楽の戦士トーチの章

143.なるべく楽な楽でない戦い-6

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 回復のタイミングを早めに、攻撃の頻度を下げたことで、押される時間が長くなり、それが少しストレスではあったが、状況そのものは拮抗以上の状態が続いていた。
 けれどダメージはこちらが確実に奪っているので、バーサクウルフが弱っていけば、押し返しも出来るだろう。
 不利と判断すれば逃げたり攻撃方法を変更したり回復してきたりする魔物もいるが、こいつらに関してそれはなく、常に真っすぐ向かってくるので、気にしなくてもいい。
 今懸念しているのは、最初の眠らせた二匹の状態だ。
 戦況は安定しているが、時間が長引いているので、魔法の効果が切れて起き出してくる可能性がある。
 どちらか一匹でも出てこられると、流石にきついので、作戦の方針を少し変更する。
 単純に総体的なダメージの効率を重視して、メリルには範囲魔法を使ってもらっていたが、今は数を減らすことを重視して威力の高いの魔法を使って欲しいところ。
 俺自身も一匹を狙いうちするように攻撃をしながら、後衛のメリルに軽く目で合図を送った。
 別にすぐに伝わらなくてもよかったが、彼女の察しはよい。
「サンダーレイ!」
 すぐさま雷撃の魔法を俺が狙った敵に放った。
 雷撃の魔法は中位以上のものしかなく基礎威力が非常に高いのが特徴。
 着弾までも速く命中率も高いので、一匹をひたすら狙い撃つような戦いでは非常に有効だ。
 消費魔力が多く、発動までの準備が長めという問題はあるが、とにかく今は片方を落して押し切りに入るとき。
 直撃を受けて弱った方に俺がひたすら纏わりつき、攻撃を畳み掛ける。
 この間、もう片方への攻撃が減るため、引き付けが甘くなるが、それでも優先は一匹減らすこと。
 メリルが盾でしっかり受けられることがわかったことで、後衛への攻撃へのケアを多少緩めてもいい余裕が出来たのも、ここで押す理由の一つだ。
 もちろん後ろに敵を漏らすのはダメなのだが、しっかりやっていてもしくじる事があると考えれば、メリルに盾を持たせたのは結構正解だったように思う。
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