233 / 240
楽の戦士トーチの章
232.楽のための調査-4
しおりを挟む
今日最後の獲物だ。とりあえず、仕留めるは仕留めるのだが。
「うーん」
「何か気になる事でもありますか?」
「いや、こいつら結構いろんなところにいるよな、って」
考えていたことを漠然と口にし過ぎて、メリルは当然首を傾げる。
「それは……そうですね?」
魔物がいろんなところに出るのは当たり前のことだ。
俺は言いたい事を整理してから答えた。
「ここまで歩いてくる間に、亀裂とか隅っことか、それらしい場所はあったのに、一匹も見かけなかった。でもここには群れでいる」
「割とまばらに分布している印象はありますね」
「どうやって移動してるんだろうって思ってさ」
「あ……それは、確かに」
迷宮の中にあって、特に狭い場所や陰の濃い場所を好むといっても、常にそこにいるわけにはいかない。
普通に通路を移動している個体か、その痕跡ぐらいはあってもいいのに。
夜甲虫だけを執拗につけ狙う生活をしているのに、そういう奴に遭遇したことは……厳密にはあるかもしれないが、ほとんど記憶にない。
「何か独自の移動経路があるんでしょうか」
「たまたま俺たちが普通に移動している夜甲虫を見ていないだけ、っていう可能性ももちろんゼロじゃないけど、そう考えるのが妥当なのかなって」
「もしそれが分かれば、かなりの前進じゃないですか」
「うん」
移動経路を抑えられるなら、もっと夜甲虫を探す手間は大幅に軽減される。
「とはいえ、現状何のヒントもないし、今日はもう目の前のこいつらは仕留めて終わりにしよう」
「そうですね。ちょっと誘導するには遠いですし、倒して運んでいきますか?」
「うん、その方が良さそうだね」
運ぶのは大変だが、まあ今日はこれで最後だ。
周囲の通路を確認する。
例によってメリルの攻撃魔法で倒すわけだが、その際にこちらの事を気取られる可能性があるので慎重にしたい。
ここらの魔物は問題にはならないが、例の連中はどこにいるかわからないからだ。
「うーん」
「何か気になる事でもありますか?」
「いや、こいつら結構いろんなところにいるよな、って」
考えていたことを漠然と口にし過ぎて、メリルは当然首を傾げる。
「それは……そうですね?」
魔物がいろんなところに出るのは当たり前のことだ。
俺は言いたい事を整理してから答えた。
「ここまで歩いてくる間に、亀裂とか隅っことか、それらしい場所はあったのに、一匹も見かけなかった。でもここには群れでいる」
「割とまばらに分布している印象はありますね」
「どうやって移動してるんだろうって思ってさ」
「あ……それは、確かに」
迷宮の中にあって、特に狭い場所や陰の濃い場所を好むといっても、常にそこにいるわけにはいかない。
普通に通路を移動している個体か、その痕跡ぐらいはあってもいいのに。
夜甲虫だけを執拗につけ狙う生活をしているのに、そういう奴に遭遇したことは……厳密にはあるかもしれないが、ほとんど記憶にない。
「何か独自の移動経路があるんでしょうか」
「たまたま俺たちが普通に移動している夜甲虫を見ていないだけ、っていう可能性ももちろんゼロじゃないけど、そう考えるのが妥当なのかなって」
「もしそれが分かれば、かなりの前進じゃないですか」
「うん」
移動経路を抑えられるなら、もっと夜甲虫を探す手間は大幅に軽減される。
「とはいえ、現状何のヒントもないし、今日はもう目の前のこいつらは仕留めて終わりにしよう」
「そうですね。ちょっと誘導するには遠いですし、倒して運んでいきますか?」
「うん、その方が良さそうだね」
運ぶのは大変だが、まあ今日はこれで最後だ。
周囲の通路を確認する。
例によってメリルの攻撃魔法で倒すわけだが、その際にこちらの事を気取られる可能性があるので慎重にしたい。
ここらの魔物は問題にはならないが、例の連中はどこにいるかわからないからだ。
10
あなたにおすすめの小説
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
私を家から追い出した妹達は、これから後悔するようです
天宮有
恋愛
伯爵令嬢の私サフィラよりも、妹エイダの方が優秀だった。
それは全て私の力によるものだけど、そのことを知っているのにエイダは姉に迷惑していると言い広めていく。
婚約者のヴァン王子はエイダの発言を信じて、私は婚約破棄を言い渡されてしまう。
その後、エイダは私の力が必要ないと思い込んでいるようで、私を家から追い出す。
これから元家族やヴァンは後悔するけど、私には関係ありません。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
勇者パーティのサポートをする代わりに姉の様なアラサーの粗雑な女闘士を貰いました。
石のやっさん
ファンタジー
年上の女性が好きな俺には勇者パーティの中に好みのタイプの女性は居ません
俺の名前はリヒト、ジムナ村に生まれ、15歳になった時にスキルを貰う儀式で上級剣士のジョブを貰った。
本来なら素晴らしいジョブなのだが、今年はジョブが豊作だったらしく、幼馴染はもっと凄いジョブばかりだった。
幼馴染のカイトは勇者、マリアは聖女、リタは剣聖、そしてリアは賢者だった。
そんな訳で充分に上位職の上級剣士だが、四職が出た事で影が薄れた。
彼等は色々と問題があるので、俺にサポーターとしてついて行って欲しいと頼まれたのだが…ハーレムパーティに俺は要らないし面倒くさいから断ったのだが…しつこく頼むので、条件を飲んでくれればと条件をつけた。
それは『27歳の女闘志レイラを借金の権利ごと無償で貰う事』
今度もまた年上ヒロインです。
セルフレイティングは、話しの中でそう言った描写を書いたら追加します。
カクヨムにも投稿中です
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達より強いジョブを手に入れて無双する!
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚。
ネット小説やファンタジー小説が好きな少年、洲河 慱(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りに雑談をしていると突然魔法陣が現れて光に包まれて…
幼馴染達と一緒に救世主召喚でテルシア王国に召喚され、幼馴染達は【勇者】【賢者】【剣聖】【聖女】という素晴らしいジョブを手に入れたけど、僕はそれ以上のジョブと多彩なスキルを手に入れた。
王宮からは、過去の勇者パーティと同じジョブを持つ幼馴染達が世界を救うのが掟と言われた。
なら僕は、夢にまで見たこの異世界で好きに生きる事を選び、幼馴染達とは別に行動する事に決めた。
自分のジョブとスキルを駆使して無双する、魔物と魔法が存在する異世界ファンタジー。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つ物なのかな?」で、慱が本来の力を手に入れた場合のもう1つのパラレルストーリー。
11月14日にHOT男性向け1位になりました。
応援、ありがとうございます!
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる