【完結】冷遇され続けた私、悪魔公爵と結婚して社交界の花形になりました~妹と継母の陰謀は全てお見通しです~

深山きらら

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第六章 陰謀

あからさまな嘘

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 謁見の間は静まりかえっていた。
 そんな中、リリアーナが一歩前へ進み出た。

「わたくしが、こちらにおいでのヴァルモント公爵を媚薬で誘惑しようとしたと思われているようですが……実は、あの薬は媚薬ではなかったのです」

「……王家の調査結果が誤っていたと申すのか?」

 王が太い眉を寄せる。リリアーナは自信たっぷりな笑みを浮かべた。

「あれは『人を正直にさせる薬』だったのです。どんな質問をされても、隠し事ができず、すべて正直に答えてしまう……。わたくしは、不正についての情報を得るために、ヴァルモント公爵に近づいたのですわ」

 何を言っているのか、とエリアナは驚き、呆れた。
 肌着姿でアレクシスにしがみつき、「抱いて」と叫んでいた。あれが、情報を得るためだったというのだろうか。

「皆さまもご承知のとおり、薬は効きませんでした。ヴァルモント公爵は、強い意志をもって薬の力をはねのけ……かたくなに拒んだのですわ。真実を話すことを。どうしても明かしたくなかったんでしょうね」

 くすっと意地悪く笑うリリアーナ。

 アレクシスは彼女に見向きもしなかった。まっすぐ、王だけを見つめていた。

「私は潔白です、陛下。いま述べられた事柄は一つも真実ではありません」

 王はうなずいた。だが、その顔にはかすかに困惑が浮かんでいる。

「わしは汝を信じたい。汝の我が国へのこれまでの貢献は、文句のつけどころがないからな。だが……フォンティーヌ伯爵の訴えはあまりに重大だ。物証も十分揃っており、軽く扱うことはできぬ」

「どうか、申し開きの機会を」

 アレクシスは両腕を広げ、王に向かって懇願した。

「準備が必要ですので一か月、いや二か月いただければ……必ず私の無実を立証してお目にかけます」

「二か月でいいのか? では、今から二月後に審問会を開くとしよう。ヴァルモント公爵、そしてフォンティーヌ伯爵も。その日までに、必要なすべての資料と証拠を揃えてまいれ」

「ははっ」

「こちらでも調査を進めるとしよう。そして、ヴァルモント公爵よ。告発の重大性に鑑み……結論が出るまで、汝のすべての公務を停止する。よいな?」



 思いもかけない展開に、エリアナは不安に打ちのめされていた。

 謁見の間を出た後、アレクシスがそんなエリアナを抱きしめた。

「大丈夫だ。真実は必ず明らかになる」
「でも……お父様たちは、何を企んでいるの……」
「彼らは、追いつめられているのだろう。だから、最後の賭けに出た」

 アレクシスの目が、鋭く光った。

「エリアナの実の父親だから、今まで大目に見ていたが……フォンティーヌ伯爵とはいよいよ決着をつけなければならないようだな」
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