【R18】4番目の彼女

井笠令子

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1.パーティで再会

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 私はショッピングセンターで筆耕士ひっこうしをしている。招待状の宛名や贈り物にかけるのし紙などに筆で文字を書く仕事だ。
 だけど、最近はパソコンの書体を印刷して済ませるということも多くて、8~9割が事務の仕事でのこりの1割程度が筆耕である。
 そんな私が、珍しく出席することになったのは取引先であるダンススクールの創業5周年パーティ。このダンススクールは卒業時や実力検定の証書の名前書きを注文してくれるお得意様だ。
 ホテルで開催される為、久々にライトカーキのワンピースを着て7センチヒールを履いた。ボーイが配るシャンパンを受け取り、サイドに並ぶ色とりどりの料理やデザートを眺めると、非日常感にすっかり浮かれて、自分がまるでイイ女になった気さえする。

「それでは、代表よりご挨拶をさせていただきます」

 少し高い位置に結んだツーブロックのマンバンヘアにピンストライプのピンクブラウンのスーツ、外人モデルかと見紛うほどのイケメンが壇上に上がった。

 ──さすがダンススクールの代表、派手だわ。

「……でありまして、今後も子供たちの育成のため、様々な可能性を持ったイベントを開催していきたいと思っております」

 パチパチパチパチ。大きな拍手を浴びながら降壇した代表に、早速とばかりに女性が群がっていった。
 すごい。肉食女子すごい。やっぱりダンスをやっている女性が多いのか露出された足は引き締まってるし、お尻もキュッとあがってる。普段運動しない私とは大違いだ。カッコいいな。ちょっとワンピースを着てイケてるかもと勘違いしたさっきの私を殴りたい。
 おとなしく、さっきから気になっていたズッキーニのピンチョスを摘まもう。
 いくつかの料理を選んで、邪魔にならないよう空いているテーブルについたとたんに声を掛けられた。

「きぃちゃん。ひさしぶり!」

 きぃちゃんとは私の小・中学生時代のあだ名である。高橋希たかはし のぞみの漢字が希望の『き』だからである。ちなみに高校以降は『のん』と呼ばれている。
 声を掛けてきたのは、先程の派手代表さん。おぼろげながら記憶の中にあるくっきりとした眉と左目の下のほくろ。

「もしかして……徹志てつしくん?」

「そう!覚えててくれて嬉しい。せっかくだから話したいな。挨拶終わらせてくるから待っててくれる?」

「うん、わかった。あとでね」

 同じ小学校から同じ中学へと進学し、ごく普通のクラスメイトだった私たち。敵対していたわけでも特別仲が良かったわけでもない。だけど、再会というのはうれしいものだ。


「きぃちゃん、お待たせ。どっか場所移動して座って話そうよ」

 そう言われて、彼の行きつけだというバーに移動して二次会と相成った。
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