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第一章 【第一星巡り部隊】
第四節 ノヴァとエトワル
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ぶつかった肩をさすりながら、挨拶もそこそこに、俺の肩に腕をのせ体重をかけてくるのは故意なのか無意識なのか。重たくて歩きにくいったらありゃしない。肩にのせられた腕をほどきながら、歩みを再開する。
「単独依頼は終わったのか?レナト」
「ああ、ついさっきな。お前こそ何でここにいるんだ?いつもなら鍛錬してる時間だろ」
言いながら、ふとステラの言葉を思い出す。
“ノヴァとエトワルが待ちきれなくなって同時に迎えに行ってしまうワ”
…まさか本当に迎えに来たからここにいると?
呆れたように視線を向けるが、予想に反してノヴァの表情はひどく曖昧だ。何かを言いかけ、しかし唸りながら言葉をすぼめ、視線をさまよわせる。
一体なんだっていうんだ。
「……ーレナト。第六星巡り部隊のこと、知ってるか」
俺と空とを交互に見据え、意を決したように放たれた言葉になんて反応したらいいのだろうか。
「知ってる。つうか同じ星巡り部隊なんだから、知らないことのがありえねえだろ」
【転生管理者】である星巡り部隊は、全部で十三部隊。
一つの部隊に、纏が一人、導が二人、剣が二人、護が三人、調が三人の十一人編成となっている。一つ一つの役職にはきちんとした意味があるのだが、今は第六星巡り部隊の方だ。
確か、第六星巡り部隊はウンライが纏だった筈だが…。
「第六星巡りの纏ウンライ・シエル・レプリカントは何物かによって拉致、もしくは殺害された。その責を負った第六星巡り部隊は今、謹慎中だ。他部隊にも厳戒態勢がしかれてる」
表情に影を落としノヴァは小声でそう語る。
「は…?俺がいない一週間の間に、一体何があったんだ」
「さぁな。俺も聞いたんだが、いまいち分からん。詳しいことはステラかシュテルンに聞けよ」
「…そうか」
だからあの時ステラは“ノヴァとエトワル”の二人の名前を出したのか。っとやっと合点がいった。
部隊の制圧担当である剣。
ノヴァとエトワル。二人ならば、厳戒態勢中の今、単身で市街地へ向かって何物かに遭遇しても圧倒できる技量を持っている。
「急いで宿所に向かう。行くぞ、ノヴァ」
「了解」
星巡り部隊の証である、黒地に金色の刺繡が五つ施された羽織を翻し俺とノヴァは早足で星巡り統括宿所へと向かった。
◇◇◇
市街地を離れ、王族が住まわれる土地のさらに向こうに、星巡り統括宿所が存在している。
“星巡り統括宿所”はその名の通り、俺達星巡りの部隊が過ごす場所だ。
宿所と名がついているがその実、鍛錬所や演習場などが併設されており、立派な駐屯地ともいえた。全十三の星巡り部隊は、各々部隊別に割り振られた居住スペースが存在しておりその一室を借り受け、事務処理が行われる。
演練と名の付くものを行うこともあるが、数か月に渡る異世界遠征以外では基本的に皆自由に過ごしている。
「遅い!!」
第一星巡り部隊ー俺達に割り振られた一室の扉を開けた瞬間頭の中にまで響く怒声。軽く耳をふさぎながら目の前を見やれば、腕を組み俺をにらみつける獣人族の女性。
熊のような耳を持ち、がっしりとした体格と豊満な胸部のせいで隊服が窮屈そうに見える。
赤錆色の髪は短く切りそろえられ、吊り上がった眉は怒りの度合いを示しているようだ。金色の目は真っすぐと俺を貫き、一室に入らせぬかのように立ちふさがってくる。
ーエトワル・ディライト
ノヴァと並び、戦闘能力に特化した“剣”のメンバーの一人だ。
数いる獣人族の中でもひときわ珍しく、生まれた時より戦闘能力に恵まれた熊の獣人族であるエトワルは全部隊の中で唯一剣に任命されている女性だ。知識面は危ういが、戦術も何も関係ない単純な戦闘力で言えばエトワルを超えられるものはいないだろう。
「お前の気が短すぎるだけだろ。レナトに当たんなよ」
「なんだ、いたのか堅物男。お前に話しかけたわけじゃないから引っ込んでいてもらえるか」
バチリっと目が合った瞬間火花が散り、ノヴァは腰に手挟んだ双剣に触れ、エトワルは拳を握り戦闘態勢に入りかける。
人族でありながら部隊の剣に選ばれたノヴァは、戦闘力で言えばエトワルよりも遥かに下だ。しかし、堅実な鍛錬と奇抜な戦術が実を結び、広い場所での一対一ならば勝率は五分五分。
それによって負けず嫌いな二人は、出会うたびに火花を散らし場を荒らしまくるため早急に止めなければ一室が危うくなってしまう。
「悪かった、エトワル」
場の危機を回避するため、素直に謝った。
俺の一言にエトワルは大きく頷き、体を横に横にずらして一室の中に入れてもらう。
「ありがとな」
「…まだ言いたいことは山ほどあるが、それは後でも構わないだろう」
後ろについてきていたノヴァも中に入り、エトワルが入ったところで一室の扉が閉められる。
「単独依頼は終わったのか?レナト」
「ああ、ついさっきな。お前こそ何でここにいるんだ?いつもなら鍛錬してる時間だろ」
言いながら、ふとステラの言葉を思い出す。
“ノヴァとエトワルが待ちきれなくなって同時に迎えに行ってしまうワ”
…まさか本当に迎えに来たからここにいると?
呆れたように視線を向けるが、予想に反してノヴァの表情はひどく曖昧だ。何かを言いかけ、しかし唸りながら言葉をすぼめ、視線をさまよわせる。
一体なんだっていうんだ。
「……ーレナト。第六星巡り部隊のこと、知ってるか」
俺と空とを交互に見据え、意を決したように放たれた言葉になんて反応したらいいのだろうか。
「知ってる。つうか同じ星巡り部隊なんだから、知らないことのがありえねえだろ」
【転生管理者】である星巡り部隊は、全部で十三部隊。
一つの部隊に、纏が一人、導が二人、剣が二人、護が三人、調が三人の十一人編成となっている。一つ一つの役職にはきちんとした意味があるのだが、今は第六星巡り部隊の方だ。
確か、第六星巡り部隊はウンライが纏だった筈だが…。
「第六星巡りの纏ウンライ・シエル・レプリカントは何物かによって拉致、もしくは殺害された。その責を負った第六星巡り部隊は今、謹慎中だ。他部隊にも厳戒態勢がしかれてる」
表情に影を落としノヴァは小声でそう語る。
「は…?俺がいない一週間の間に、一体何があったんだ」
「さぁな。俺も聞いたんだが、いまいち分からん。詳しいことはステラかシュテルンに聞けよ」
「…そうか」
だからあの時ステラは“ノヴァとエトワル”の二人の名前を出したのか。っとやっと合点がいった。
部隊の制圧担当である剣。
ノヴァとエトワル。二人ならば、厳戒態勢中の今、単身で市街地へ向かって何物かに遭遇しても圧倒できる技量を持っている。
「急いで宿所に向かう。行くぞ、ノヴァ」
「了解」
星巡り部隊の証である、黒地に金色の刺繡が五つ施された羽織を翻し俺とノヴァは早足で星巡り統括宿所へと向かった。
◇◇◇
市街地を離れ、王族が住まわれる土地のさらに向こうに、星巡り統括宿所が存在している。
“星巡り統括宿所”はその名の通り、俺達星巡りの部隊が過ごす場所だ。
宿所と名がついているがその実、鍛錬所や演習場などが併設されており、立派な駐屯地ともいえた。全十三の星巡り部隊は、各々部隊別に割り振られた居住スペースが存在しておりその一室を借り受け、事務処理が行われる。
演練と名の付くものを行うこともあるが、数か月に渡る異世界遠征以外では基本的に皆自由に過ごしている。
「遅い!!」
第一星巡り部隊ー俺達に割り振られた一室の扉を開けた瞬間頭の中にまで響く怒声。軽く耳をふさぎながら目の前を見やれば、腕を組み俺をにらみつける獣人族の女性。
熊のような耳を持ち、がっしりとした体格と豊満な胸部のせいで隊服が窮屈そうに見える。
赤錆色の髪は短く切りそろえられ、吊り上がった眉は怒りの度合いを示しているようだ。金色の目は真っすぐと俺を貫き、一室に入らせぬかのように立ちふさがってくる。
ーエトワル・ディライト
ノヴァと並び、戦闘能力に特化した“剣”のメンバーの一人だ。
数いる獣人族の中でもひときわ珍しく、生まれた時より戦闘能力に恵まれた熊の獣人族であるエトワルは全部隊の中で唯一剣に任命されている女性だ。知識面は危ういが、戦術も何も関係ない単純な戦闘力で言えばエトワルを超えられるものはいないだろう。
「お前の気が短すぎるだけだろ。レナトに当たんなよ」
「なんだ、いたのか堅物男。お前に話しかけたわけじゃないから引っ込んでいてもらえるか」
バチリっと目が合った瞬間火花が散り、ノヴァは腰に手挟んだ双剣に触れ、エトワルは拳を握り戦闘態勢に入りかける。
人族でありながら部隊の剣に選ばれたノヴァは、戦闘力で言えばエトワルよりも遥かに下だ。しかし、堅実な鍛錬と奇抜な戦術が実を結び、広い場所での一対一ならば勝率は五分五分。
それによって負けず嫌いな二人は、出会うたびに火花を散らし場を荒らしまくるため早急に止めなければ一室が危うくなってしまう。
「悪かった、エトワル」
場の危機を回避するため、素直に謝った。
俺の一言にエトワルは大きく頷き、体を横に横にずらして一室の中に入れてもらう。
「ありがとな」
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