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Act.16 ムコになったオトコ
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――クロヴィスがルミエール王国で学歴になる勉強と呪文を教えてくれるって。
僕はユベール兄様みたいに頼れる男になりたいから、だから、待っていて。
僕もルーチェの婿にふさわしい男になって、ルーチェを迎えに来るって約束するよ。
だから、ルーチェもクラドールの試験に受かるって約束して?
それで……次に会ったときには、婿にしてね――
***
そんな約束をして、ジュストがルミエール王国へ帰ったのは5月。
春風が優しく吹く海でお別れした。
ジュストは最後にもう1度キスをしてくれて、印もつけてくれたけれど……
「もう、待ちくたびれちゃうよ……」
ルーチェは診療所の壁に新しく飾られた自分のクラドールサーティフィケートを見上げて呟いた。
季節は巡り、ジュストと出会った冬も少し過ぎて、また春風が吹き始めようという頃。
ルーチェはめでたく1月に国家試験に合格。魔法治療も猛特訓して、今までの成績不振が嘘のようにオールAで通った。元々得意だった筆記試験と薬の調合に至っては、その年の1番の成績で、家族は大喜び。
それも、ジュストとの約束のために努力したのだから……結局、最初から最後までジュストのおかげでクラドールになれたと言える。
診療所での勤務を始めたのはサーティフィケートの届いた2月。
とは言っても、ずっと研修で診察をしていたから仕事内容は慣れたもの。変わったことはブリジッタとグラートの監督がなくなったことくらいだ。
「はぁ……」
ルーチェがため息をついたとき、カタン、と階段から音がして思わず勢い良く振り返る。
「何だ、アリーチェか……」
「何だとは何よ!」
ジュストだと思った――なんて、そんなわけないのに。もう1度ため息をつくと、アリーチェは両手を挙げた。
「これがマリッジブルーってやつかしら?」
マリッジブルー? 一体何を言い出すのかと思えば……ルーチェはまだ結婚の予定はない。
いや……いつかジュストが帰ってきて、婿になるということは、結婚するということなのだけれど、いつになるかなんてわからない。
予定もないのにマリッジブルーに陥る女性などいるのだろうか。
「もう、違うわよ。それより暇なら片付けを手伝って」
「はいはい」
ルーチェは診察室を指差して、掃除用具入れの扉を開けた。アリーチェは元々そのつもりで降りてきたらしく、テキパキと手伝いを始めてくれた。
そのおかげで片付けは早く終わり、診療所の鍵を閉めてリビングへ上がる。
階段を上がりながら、リビングが何やらいつもより賑やかだとルーチェは首を傾げた。
「お母さん、ちょっとうるさ――」
目が点、というのはこういうことなのだ。
「ルーチェ! お疲れ様。ご飯できてるよ?」
「あら、ルーチェ。ほら、早く座って。久しぶりにジュストくんの料理が食べられるわよ」
ご機嫌なブリジッタがサラダを皿に取り分けて、グラートはワインをグラスに注ぐ。
アリーチェは足の動かないルーチェのところへ来て「早く」と、背中を押した。 促されるままに、ルーチェはジュストの隣の席に座る。
「ルーチェ、グラタンもあるよ。はい、あーん」
「あーん? って……なんでジュストがいるのよ!?」
危うく差し出されたグラタンを食べそうになって、ルーチェはガタッと立ち上がった。
帰ってくるなんて、今日だなんて、聞いていない!
「なんでって、ジュストはお姉ちゃんの旦那様でしょ?」
「そうよ。ジュストくんはもう今日からジュスト・バラルディよ!」
「届けも出してきたからな」
アリーチェ、ブリジッタ、グラートの3段攻撃。追い討ちにニッコリ笑ったジュスト。
「ええぇぇぇっ!?」
この日、ルーチェの叫び声を聞かなかったご近所さんはいないとか――
***
「どういうことか、ちゃんと説明して!」
夕食を終えたルーチェは部屋に戻ってジュストに詰め寄った。
「だって、ルーチェ、『いいよ』って言ったよ?」
何が問題なのかわからないとでも言わんばかりの表情で言われたら、何も言い返せない。
いや……確かにあの日、海で「次に会ったときは、婿にして」と言われて頷いた。「いいよ」とも言った気がする。
けれど!
「次に会ったときって、今でしょ! イ・マ! 会う前に婿になってどうするのよ!」
マリッジブルーに浸る間もなかった。いや、別に浸りたいわけではないのだけれど。
「……ダメなの?」
ルーチェが怒ると、ジュストはシュンとして琥珀色の瞳を揺らした。
ずるい。
「だ、ダメとか、そういうんじゃなくてっ」
「そう? 良かった」
一転、花が咲いたみたいに表情が明るくなったジュスト。開いた口が塞がらないとはこのことだ。
ルミエール王国の王子教育のカリキュラムは一体どうなっているのだ? 小悪魔プロデュースの間違いではないのか。
「あ、あのね、僕、隣のお家を買ったの。あそこのおばあさん、とってもいい人だった。もうすぐ息子のところに引っ越す予定だったからって予定を早めて譲ってくれた」
「はぁ!?」
診療所の隣には1人暮らしのおばあさんが住んでいた。急に引っ越すと言うから心配したのだが、息子夫婦のところへ行くと言っていたので安心した記憶がある。
その後すぐに古い家の改装が始まって……そういえばその改装が終わったのは昨日ではなかっただろうか。
テラスとそこへ繋がる部屋は大きく変えていたようだけれど、その他は補強や塗装の直しくらいに留めていた。
更にジュストの爆弾投下は続いていく。
「僕、あそこでカフェをやるの」
「はぁっ!?」
ルーチェの口がまた大きく開く。
テラスとガラス張りの部屋はそのためなのか……しかし、王子が、カフェ?
「ちょ、っと……待って。あの、国王がどうのっていう、エミリー女王のお話はどうなったの? それに、ジュストはどうやって籍を入れたの?」
そもそも、ジュストがルミエール王国へ戻ったのはエミリー女王の希望だった。 最終的にはジュストが勉強をするため、ということで同意して戻ったけれど……説得したということ?
しかも、死んだことになっていたジュストは、どうやってその名をルーチェの婿として登録したのだろうか。
「うーん? よくわからない」
「はぁ?」
さっきから同じ“HA”という音しか出てこない。
ルーチェだって意味がわからない。
「クロヴィスに聞いたら、『手段を選んではいけません。人脈は大事ですよ』って言われた。エミリー姉様はタコみたいに赤くなって怒ってたけど」
それを思い出したのか、ジュストはプッと噴き出した。
「それで、僕はもうジュスト・バラルディになっちゃったから、王子様には戻れないんだよ」
「ね?」と首を傾げてみせるジュスト。
やはりルミエール王国の王子教育は間違っている。
「クロヴィスはね、笑わないけど優しかったよ。母様のことも教えてくれたし、エミリー姉様が連れてくる女の人も追い払ってくれたし、すごいんだ」
しかし、1番間違っているのはクロヴィスというあの冷静過ぎる側近のようだ……
「ルーチェは僕が王子様じゃないと嫌だった?」
「そんなこと……ない、よ。ただ……驚いて。だって、ジュスト、何も言ってくれてないよ……」
尻すぼみにそう言って、恥ずかしくなって俯く。
ジュストが帰ってきて嬉しいし、事後報告だけど婿になってくれて……嫌なわけじゃない。
でも、ルーチェにだって憧れがあった。
恋人と楽しい時間を過ごして、プロポーズを受けて、結婚して――…
「ルーチェ、ごめんね」
ふわりと、ジュストの腕に抱き締められて、ルーチェは大きな背中に手を回した。
最後に会ったときよりも逞しくなった……
髪の毛は少し短く切ったらしいが、ときどき金色に見える色は変わらない。琥珀色の瞳も、ちょっぴり艶っぽさを増したけれど、ルーチェの知っているものだ。
「ルーチェのこと、僕のものにしたかったんだ」
甘く囁いてくれる声も、ルーチェを包む温もりも香りも、全部……
「僕、ルミエール王国の王子でも、ネコでもなくて、ルーチェの王子様になりたい。婿って、王子様にもなれるよね? ユベール兄様はサラ姉様の王子様だから……」
ルーチェの髪を指に絡め、ジュストは毛先に口付けた。
それから少し顔を上げて、唇を寄せる。
ルーチェは目を閉じてそれを受け止めた。
「ふふっ……ただいまのキスだ」
ルーチェの唇を親指でなぞって言うジュストはとても嬉しそうに笑い、ルーチェの左手を取って薬指に指輪を嵌めた。
ジュストとルーチェが出会った海のような青色の石がキラキラと光って見える。
「これね、アパタイトっていうんだって……ルーチェと会った海の色に似てるから選んだんだけど、絆を強くしてくれるんだってクロヴィスが教えてくれた」
ルーチェはジュストを見上げた。だが、視界がぼやけてジュストの顔が揺れて見える。
「泣くのは……嬉しいからだよね?」
「ん……」
頷いた拍子に零れ落ちた涙を、ジュストは唇で掬ってくれて。
「ルーチェ。僕を婿にして?」
「……バカジュスト」
「婿にして」なんてプロポーズ……聞いたことない。それに、もうジュストはルーチェの婿になっている。
「……でも、いいよ? 婿にしてあげる」
ルーチェはジュストの首に手を回してギュッと抱きついた。
「やっと、ルーチェが僕のこと抱っこした」
ジュストはクスクスと笑って、ルーチェの頭を撫でた。
「ルーチェ、大好き……」
「私も、ジュストのこと……好きだよ」
出会ったときはネコだったオトコは、ルーチェのムコになった。
海を泳いでいた金色のネコ――ルーチェの王子様。
*END*
僕はユベール兄様みたいに頼れる男になりたいから、だから、待っていて。
僕もルーチェの婿にふさわしい男になって、ルーチェを迎えに来るって約束するよ。
だから、ルーチェもクラドールの試験に受かるって約束して?
それで……次に会ったときには、婿にしてね――
***
そんな約束をして、ジュストがルミエール王国へ帰ったのは5月。
春風が優しく吹く海でお別れした。
ジュストは最後にもう1度キスをしてくれて、印もつけてくれたけれど……
「もう、待ちくたびれちゃうよ……」
ルーチェは診療所の壁に新しく飾られた自分のクラドールサーティフィケートを見上げて呟いた。
季節は巡り、ジュストと出会った冬も少し過ぎて、また春風が吹き始めようという頃。
ルーチェはめでたく1月に国家試験に合格。魔法治療も猛特訓して、今までの成績不振が嘘のようにオールAで通った。元々得意だった筆記試験と薬の調合に至っては、その年の1番の成績で、家族は大喜び。
それも、ジュストとの約束のために努力したのだから……結局、最初から最後までジュストのおかげでクラドールになれたと言える。
診療所での勤務を始めたのはサーティフィケートの届いた2月。
とは言っても、ずっと研修で診察をしていたから仕事内容は慣れたもの。変わったことはブリジッタとグラートの監督がなくなったことくらいだ。
「はぁ……」
ルーチェがため息をついたとき、カタン、と階段から音がして思わず勢い良く振り返る。
「何だ、アリーチェか……」
「何だとは何よ!」
ジュストだと思った――なんて、そんなわけないのに。もう1度ため息をつくと、アリーチェは両手を挙げた。
「これがマリッジブルーってやつかしら?」
マリッジブルー? 一体何を言い出すのかと思えば……ルーチェはまだ結婚の予定はない。
いや……いつかジュストが帰ってきて、婿になるということは、結婚するということなのだけれど、いつになるかなんてわからない。
予定もないのにマリッジブルーに陥る女性などいるのだろうか。
「もう、違うわよ。それより暇なら片付けを手伝って」
「はいはい」
ルーチェは診察室を指差して、掃除用具入れの扉を開けた。アリーチェは元々そのつもりで降りてきたらしく、テキパキと手伝いを始めてくれた。
そのおかげで片付けは早く終わり、診療所の鍵を閉めてリビングへ上がる。
階段を上がりながら、リビングが何やらいつもより賑やかだとルーチェは首を傾げた。
「お母さん、ちょっとうるさ――」
目が点、というのはこういうことなのだ。
「ルーチェ! お疲れ様。ご飯できてるよ?」
「あら、ルーチェ。ほら、早く座って。久しぶりにジュストくんの料理が食べられるわよ」
ご機嫌なブリジッタがサラダを皿に取り分けて、グラートはワインをグラスに注ぐ。
アリーチェは足の動かないルーチェのところへ来て「早く」と、背中を押した。 促されるままに、ルーチェはジュストの隣の席に座る。
「ルーチェ、グラタンもあるよ。はい、あーん」
「あーん? って……なんでジュストがいるのよ!?」
危うく差し出されたグラタンを食べそうになって、ルーチェはガタッと立ち上がった。
帰ってくるなんて、今日だなんて、聞いていない!
「なんでって、ジュストはお姉ちゃんの旦那様でしょ?」
「そうよ。ジュストくんはもう今日からジュスト・バラルディよ!」
「届けも出してきたからな」
アリーチェ、ブリジッタ、グラートの3段攻撃。追い討ちにニッコリ笑ったジュスト。
「ええぇぇぇっ!?」
この日、ルーチェの叫び声を聞かなかったご近所さんはいないとか――
***
「どういうことか、ちゃんと説明して!」
夕食を終えたルーチェは部屋に戻ってジュストに詰め寄った。
「だって、ルーチェ、『いいよ』って言ったよ?」
何が問題なのかわからないとでも言わんばかりの表情で言われたら、何も言い返せない。
いや……確かにあの日、海で「次に会ったときは、婿にして」と言われて頷いた。「いいよ」とも言った気がする。
けれど!
「次に会ったときって、今でしょ! イ・マ! 会う前に婿になってどうするのよ!」
マリッジブルーに浸る間もなかった。いや、別に浸りたいわけではないのだけれど。
「……ダメなの?」
ルーチェが怒ると、ジュストはシュンとして琥珀色の瞳を揺らした。
ずるい。
「だ、ダメとか、そういうんじゃなくてっ」
「そう? 良かった」
一転、花が咲いたみたいに表情が明るくなったジュスト。開いた口が塞がらないとはこのことだ。
ルミエール王国の王子教育のカリキュラムは一体どうなっているのだ? 小悪魔プロデュースの間違いではないのか。
「あ、あのね、僕、隣のお家を買ったの。あそこのおばあさん、とってもいい人だった。もうすぐ息子のところに引っ越す予定だったからって予定を早めて譲ってくれた」
「はぁ!?」
診療所の隣には1人暮らしのおばあさんが住んでいた。急に引っ越すと言うから心配したのだが、息子夫婦のところへ行くと言っていたので安心した記憶がある。
その後すぐに古い家の改装が始まって……そういえばその改装が終わったのは昨日ではなかっただろうか。
テラスとそこへ繋がる部屋は大きく変えていたようだけれど、その他は補強や塗装の直しくらいに留めていた。
更にジュストの爆弾投下は続いていく。
「僕、あそこでカフェをやるの」
「はぁっ!?」
ルーチェの口がまた大きく開く。
テラスとガラス張りの部屋はそのためなのか……しかし、王子が、カフェ?
「ちょ、っと……待って。あの、国王がどうのっていう、エミリー女王のお話はどうなったの? それに、ジュストはどうやって籍を入れたの?」
そもそも、ジュストがルミエール王国へ戻ったのはエミリー女王の希望だった。 最終的にはジュストが勉強をするため、ということで同意して戻ったけれど……説得したということ?
しかも、死んだことになっていたジュストは、どうやってその名をルーチェの婿として登録したのだろうか。
「うーん? よくわからない」
「はぁ?」
さっきから同じ“HA”という音しか出てこない。
ルーチェだって意味がわからない。
「クロヴィスに聞いたら、『手段を選んではいけません。人脈は大事ですよ』って言われた。エミリー姉様はタコみたいに赤くなって怒ってたけど」
それを思い出したのか、ジュストはプッと噴き出した。
「それで、僕はもうジュスト・バラルディになっちゃったから、王子様には戻れないんだよ」
「ね?」と首を傾げてみせるジュスト。
やはりルミエール王国の王子教育は間違っている。
「クロヴィスはね、笑わないけど優しかったよ。母様のことも教えてくれたし、エミリー姉様が連れてくる女の人も追い払ってくれたし、すごいんだ」
しかし、1番間違っているのはクロヴィスというあの冷静過ぎる側近のようだ……
「ルーチェは僕が王子様じゃないと嫌だった?」
「そんなこと……ない、よ。ただ……驚いて。だって、ジュスト、何も言ってくれてないよ……」
尻すぼみにそう言って、恥ずかしくなって俯く。
ジュストが帰ってきて嬉しいし、事後報告だけど婿になってくれて……嫌なわけじゃない。
でも、ルーチェにだって憧れがあった。
恋人と楽しい時間を過ごして、プロポーズを受けて、結婚して――…
「ルーチェ、ごめんね」
ふわりと、ジュストの腕に抱き締められて、ルーチェは大きな背中に手を回した。
最後に会ったときよりも逞しくなった……
髪の毛は少し短く切ったらしいが、ときどき金色に見える色は変わらない。琥珀色の瞳も、ちょっぴり艶っぽさを増したけれど、ルーチェの知っているものだ。
「ルーチェのこと、僕のものにしたかったんだ」
甘く囁いてくれる声も、ルーチェを包む温もりも香りも、全部……
「僕、ルミエール王国の王子でも、ネコでもなくて、ルーチェの王子様になりたい。婿って、王子様にもなれるよね? ユベール兄様はサラ姉様の王子様だから……」
ルーチェの髪を指に絡め、ジュストは毛先に口付けた。
それから少し顔を上げて、唇を寄せる。
ルーチェは目を閉じてそれを受け止めた。
「ふふっ……ただいまのキスだ」
ルーチェの唇を親指でなぞって言うジュストはとても嬉しそうに笑い、ルーチェの左手を取って薬指に指輪を嵌めた。
ジュストとルーチェが出会った海のような青色の石がキラキラと光って見える。
「これね、アパタイトっていうんだって……ルーチェと会った海の色に似てるから選んだんだけど、絆を強くしてくれるんだってクロヴィスが教えてくれた」
ルーチェはジュストを見上げた。だが、視界がぼやけてジュストの顔が揺れて見える。
「泣くのは……嬉しいからだよね?」
「ん……」
頷いた拍子に零れ落ちた涙を、ジュストは唇で掬ってくれて。
「ルーチェ。僕を婿にして?」
「……バカジュスト」
「婿にして」なんてプロポーズ……聞いたことない。それに、もうジュストはルーチェの婿になっている。
「……でも、いいよ? 婿にしてあげる」
ルーチェはジュストの首に手を回してギュッと抱きついた。
「やっと、ルーチェが僕のこと抱っこした」
ジュストはクスクスと笑って、ルーチェの頭を撫でた。
「ルーチェ、大好き……」
「私も、ジュストのこと……好きだよ」
出会ったときはネコだったオトコは、ルーチェのムコになった。
海を泳いでいた金色のネコ――ルーチェの王子様。
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