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第7章 オルランド討伐作戦
12 ブラダマンテ、マルセイユに帰還する
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野獣と見紛うばかりの裸体の大男が、森の中を彷徨っていた。
その男は、目につく木の実や穀物はなんでも食い、動く猪や兎を捕まえては生のまま引き裂いて口に入れ、森を根城にする盗賊の類と遭遇すれば千切っては投げ、千切っては投げる。
かの者こそ、その名も聞こえし最強勇者オルランド――の、成れの果てである。
しかし昨今はとんと、オルランドの前に人間が姿を現す事態は少なくなった。
実は彼の動向を、一定距離から観察している二人の騎士がいたのだ。
一人はまだ若く、質素な鎧兜を身に着けた純朴そうな青年、フロリマール。
もう一人は理知的な顔立ちをした中年の騎士で、黄金の柄に水晶の飾りをつけた優美な剣を携えている。彼の名はオリヴィエといった。
二人ともシャルルマーニュ十二勇士の一人に数えられる勇者であり、オルランドの親友でもある。
彼らはレーム大司教テュルパンの命により、暴走するオルランドの監視役に任じられていた。
そして彼らの下にもう一人、旅装姿でありながら見目麗しき貴婦人がやって来て言った。
「オリヴィエ様、フロリマール。もう安心でございます。
近くの農村の皆様には、オルランド襲来の警告をし、一時的に避難していただきました。
これでしばらくは人的被害は出ない事でしょう――」
「よくやった、ありがとう。愛しきフロルドリ」
貴婦人の名はフロルドリ。若きフロリマールの愛妻である。彼女は華奢な外見に似合わず、夫と共に、あるいは夫を探し求めて、長旅の経験が豊富であった。故にそんじょそこらの騎士よりも肝が据わっており、いざとなればフロリマールの為に身命を投げ打つ覚悟すらあった。
二人は互いの姿を認めると、安堵の表情を浮かべ抱き合った。
騎士であるフロリマールとオリヴィエがオルランドを監視しつつ、フロルドリが近辺調査をし、住人がいれば避難勧告を出す。この作戦は今のところ上手くいっている。
「――本当に、サラセン軍と合同でオルランド様を討たれるのですか?」
フロルドリは恐る恐る、オリヴィエに確認した。
フロリマール夫妻は元はムーア人(註:スペインのイスラム教徒)である。が、アストルフォに心酔してからはすっかりフランク王国側の人間として忠誠を捧げていた。
「我らが主、シャルル様がお決めになった事だ」とオリヴィエ。
「正気を失ったオルランドを、元に戻す方法は……ないのですか?」
フロリマールの悲痛な疑問に、オリヴィエも悲しげに首を振る。
フランク王国勢の大半は、アストルフォが失われたオルランドの思慮分別を携えている事実をまだ知らない。
故にオルランド討伐が決定された今、消極的な監視ぐらいしか打つ手がなかったのだ。
(いずれサラセン軍が本格的に動き出せば、我らも協力してオルランドを討たねばならぬのか……くそッ。
我らが親友を救うには、一体どうすれば――)
苦悩するのは、何もオリヴィエだけではない。
渋面を浮かべるフロリマール、フロルドリもまた同じ思いであろう。
ふとオリヴィエは、オルランドの動きに変化が起きた事に気づいた。
あてどなく森の中をうろついているだけだった彼は、段々と南の方角を向くようになり――その足取りも南に、引き寄せられるように移動している。
「……何だ? 急に進路が変わったぞ?」
「何故かは分からないが、フロルドリ。南の海岸線に住む集落を至急調べてくれ。新たな被害を防ぐためにも」
「……承知しました、我が夫フロリマール」
別れ際の夫とのキスを済ませると、フロルドリは可憐な唇を引き締め、南に馬を駆るのだった。
**********
一方、女騎士ブラダマンテは北イタリア・トリエステを発ち――天馬ペガサスに乗って、南フランスはマルセイユに帰還していた。
下田教授の情報通り、現在フランク・サラセン両軍とも休戦状態であり、狂ったオルランド討伐の為に動いている。長い事マルセイユの城を守備していた兄リッチャルデットも駆り出されているのか、不在であった。
「皆様のお話を聞く限り。未だアストルフォ様は、フランク陣営に帰還していないようですわね」
メリッサはもどかしそうに唇を噛んだ。
「ヒポグリフに乗っていた筈なのに、どこで何をやってるのかしら?」
ブラダマンテ――司藤アイも、大急ぎで戻ったのに待ち人が到着していない事に不満げだった。エチオピアで別れた二人の動向を探るべく、早速アイは下田教授に念話を送る。
ииииииииии
「下田教授、教えてちょうだい。黒崎とアストルフォは今、どこにいるの?
本にその辺の記述は載っていたりする?」
アイが呼びかけた後、しばらく経ってから――現実世界の下田三郎から返答があった。
『黒崎君はサラセン帝国側に戻れたようだ。だが、アストルフォ君はアルジェリアで迷子だな』
「ダメじゃないのそれェ!?」
『い、いや心配は要らん。現地で新たに仲間を加え、港町で騎士ピナベルの乗る船に合流したようだ。
じきに南フランスまで、地中海を渡って帰ってくるだろう。多分』
(ピナベル? あの人が何で、わざわざ船まで用意してアルジェリアの地に?
アストルフォが道に迷うのを知っていた? 偶然にしても出来過ぎよね……)
腑に落ちない点はあるが、文字通り渡りに船である。
「オルランドの心」はアストルフォが持っている。後はアストルフォがオルランドと遭遇できさえすれば――彼は正気を取り戻し、討伐などという悲劇から免れる筈なのだ。
ииииииииии
「じゃあメリッサ。オルランドを探しに行きましょう。
アストルフォが戻って来た時に、また迷子にならないようにこっちで案内しなくっちゃ」
「ええ、分かりましたわブラダマンテ。一緒に参りましょう――」
さすがにもう目立つ天馬は使えないので、マルセイユで新たに馬二頭を調達し――ブラダマンテとメリッサは出発した。
**********
そんな二人の姿を、物陰からこっそり伺う者たちがいた。
「……本当にマルセイユに戻って来ていたのか。マルフィサと共にいたフランクの女騎士は」
感嘆したように声を上げたのは、東洋風の騎馬武者。タタール王マンドリカルドである。
「グラダッソの言った通りになるとは。まさか――フランク陣営であるはずの貴様が、俺様に情報提供するとはな。
そんなにメリッサとかいう『裏切り者』が憎いのかね?
ええと確か……そなたの名はマラジジ殿、だったか?」
マンドリカルドに呼びかけられたもう一人は、フード姿の老人。
シャルルマーニュ十二勇士の一人にして、希代の魔法使いでもあるマラジジであった。
その男は、目につく木の実や穀物はなんでも食い、動く猪や兎を捕まえては生のまま引き裂いて口に入れ、森を根城にする盗賊の類と遭遇すれば千切っては投げ、千切っては投げる。
かの者こそ、その名も聞こえし最強勇者オルランド――の、成れの果てである。
しかし昨今はとんと、オルランドの前に人間が姿を現す事態は少なくなった。
実は彼の動向を、一定距離から観察している二人の騎士がいたのだ。
一人はまだ若く、質素な鎧兜を身に着けた純朴そうな青年、フロリマール。
もう一人は理知的な顔立ちをした中年の騎士で、黄金の柄に水晶の飾りをつけた優美な剣を携えている。彼の名はオリヴィエといった。
二人ともシャルルマーニュ十二勇士の一人に数えられる勇者であり、オルランドの親友でもある。
彼らはレーム大司教テュルパンの命により、暴走するオルランドの監視役に任じられていた。
そして彼らの下にもう一人、旅装姿でありながら見目麗しき貴婦人がやって来て言った。
「オリヴィエ様、フロリマール。もう安心でございます。
近くの農村の皆様には、オルランド襲来の警告をし、一時的に避難していただきました。
これでしばらくは人的被害は出ない事でしょう――」
「よくやった、ありがとう。愛しきフロルドリ」
貴婦人の名はフロルドリ。若きフロリマールの愛妻である。彼女は華奢な外見に似合わず、夫と共に、あるいは夫を探し求めて、長旅の経験が豊富であった。故にそんじょそこらの騎士よりも肝が据わっており、いざとなればフロリマールの為に身命を投げ打つ覚悟すらあった。
二人は互いの姿を認めると、安堵の表情を浮かべ抱き合った。
騎士であるフロリマールとオリヴィエがオルランドを監視しつつ、フロルドリが近辺調査をし、住人がいれば避難勧告を出す。この作戦は今のところ上手くいっている。
「――本当に、サラセン軍と合同でオルランド様を討たれるのですか?」
フロルドリは恐る恐る、オリヴィエに確認した。
フロリマール夫妻は元はムーア人(註:スペインのイスラム教徒)である。が、アストルフォに心酔してからはすっかりフランク王国側の人間として忠誠を捧げていた。
「我らが主、シャルル様がお決めになった事だ」とオリヴィエ。
「正気を失ったオルランドを、元に戻す方法は……ないのですか?」
フロリマールの悲痛な疑問に、オリヴィエも悲しげに首を振る。
フランク王国勢の大半は、アストルフォが失われたオルランドの思慮分別を携えている事実をまだ知らない。
故にオルランド討伐が決定された今、消極的な監視ぐらいしか打つ手がなかったのだ。
(いずれサラセン軍が本格的に動き出せば、我らも協力してオルランドを討たねばならぬのか……くそッ。
我らが親友を救うには、一体どうすれば――)
苦悩するのは、何もオリヴィエだけではない。
渋面を浮かべるフロリマール、フロルドリもまた同じ思いであろう。
ふとオリヴィエは、オルランドの動きに変化が起きた事に気づいた。
あてどなく森の中をうろついているだけだった彼は、段々と南の方角を向くようになり――その足取りも南に、引き寄せられるように移動している。
「……何だ? 急に進路が変わったぞ?」
「何故かは分からないが、フロルドリ。南の海岸線に住む集落を至急調べてくれ。新たな被害を防ぐためにも」
「……承知しました、我が夫フロリマール」
別れ際の夫とのキスを済ませると、フロルドリは可憐な唇を引き締め、南に馬を駆るのだった。
**********
一方、女騎士ブラダマンテは北イタリア・トリエステを発ち――天馬ペガサスに乗って、南フランスはマルセイユに帰還していた。
下田教授の情報通り、現在フランク・サラセン両軍とも休戦状態であり、狂ったオルランド討伐の為に動いている。長い事マルセイユの城を守備していた兄リッチャルデットも駆り出されているのか、不在であった。
「皆様のお話を聞く限り。未だアストルフォ様は、フランク陣営に帰還していないようですわね」
メリッサはもどかしそうに唇を噛んだ。
「ヒポグリフに乗っていた筈なのに、どこで何をやってるのかしら?」
ブラダマンテ――司藤アイも、大急ぎで戻ったのに待ち人が到着していない事に不満げだった。エチオピアで別れた二人の動向を探るべく、早速アイは下田教授に念話を送る。
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「下田教授、教えてちょうだい。黒崎とアストルフォは今、どこにいるの?
本にその辺の記述は載っていたりする?」
アイが呼びかけた後、しばらく経ってから――現実世界の下田三郎から返答があった。
『黒崎君はサラセン帝国側に戻れたようだ。だが、アストルフォ君はアルジェリアで迷子だな』
「ダメじゃないのそれェ!?」
『い、いや心配は要らん。現地で新たに仲間を加え、港町で騎士ピナベルの乗る船に合流したようだ。
じきに南フランスまで、地中海を渡って帰ってくるだろう。多分』
(ピナベル? あの人が何で、わざわざ船まで用意してアルジェリアの地に?
アストルフォが道に迷うのを知っていた? 偶然にしても出来過ぎよね……)
腑に落ちない点はあるが、文字通り渡りに船である。
「オルランドの心」はアストルフォが持っている。後はアストルフォがオルランドと遭遇できさえすれば――彼は正気を取り戻し、討伐などという悲劇から免れる筈なのだ。
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「じゃあメリッサ。オルランドを探しに行きましょう。
アストルフォが戻って来た時に、また迷子にならないようにこっちで案内しなくっちゃ」
「ええ、分かりましたわブラダマンテ。一緒に参りましょう――」
さすがにもう目立つ天馬は使えないので、マルセイユで新たに馬二頭を調達し――ブラダマンテとメリッサは出発した。
**********
そんな二人の姿を、物陰からこっそり伺う者たちがいた。
「……本当にマルセイユに戻って来ていたのか。マルフィサと共にいたフランクの女騎士は」
感嘆したように声を上げたのは、東洋風の騎馬武者。タタール王マンドリカルドである。
「グラダッソの言った通りになるとは。まさか――フランク陣営であるはずの貴様が、俺様に情報提供するとはな。
そんなにメリッサとかいう『裏切り者』が憎いのかね?
ええと確か……そなたの名はマラジジ殿、だったか?」
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