朝チュン転生 ~地味に異世界を楽しみたいのに女神サマが邪魔をします~

なる

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99話 出会いの旅路 23

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 さすがは勇者、ファンタジー世界にAIを持ち込むなんて、若者の自由な発想なのかな? それにしても…

「微精霊を部品に使うって、ちょっと残酷に聞こえるけど?」

「ははは、感覚としては好ましいが考えすぎじゃ。
 それは"土に含まれる小さな虫が可哀想だから歩けない"と言うようなものだ」


 微精霊と言うのは最下級の精霊で、精霊との親和性が高い人でも意識しなければ見えないほど非常に小さく、空気中に無限大に存在する。
 
 本能のような薄い意識があり、世界全体の魔力の流れを整える役目を持っている。


「そんなもんかぁ、でもどうやって作るのかさっぱり分かんないなぁ」

「それは創造錬金術師にしか分からんのだろうな。
 まぁ、色々研鑽するのを楽しむのもいいもんだ」

「それもそうだね」

(確かに長い人生だ、急いでなんでもかんでも出来るようにならなくてもいいさ)


 その後、ファル爺から魔道具の作り方を聞いたけど、"創造錬金術師"にはあまり必要ないようで、回路など考えなくても"どう作用するか"を考えれば回路が作れてしまう事が分かった。

(オレの練習の意味は…)



 他にも"創造錬金術師"である事は口外しない方がいいと言われた。

 話に出た勇者ユウタは、どこかの人間国の貴族子息だったらしいが、他国を侵略する為のゴーレム兵団を作れと言われて、家族や婚約者を捨てて失意の中出奔しゅっぽんしたらしい。

 人間の国々ではユウタの作った物は、本人が出奔する際に色々引き上げてしまったので、あまり広まっていない為アクセサリーぐらいではバレないが、エルフの"自然派"の国々ではそこそこ有名なので、「あり得ない加工=創造錬金」とバレるらしい。


(やっぱりそうなるんだなぁ。
 上手く隠れながら人の役に立つモノだけを広められるように考えないとな)



 創造錬金術師でも基礎知識は役に立つだろうと、魔道具作りの基礎を学ぶ本をもらったり、基本的な素材をくれると言うので原価で買ったりした。

 もう一度顔を見せて欲しいとの事なので、出発までには来ると約束して店を出た。



 店を出るとちょうど昼頃だったので、高級平民街のちょっとお高そうなレストランでランチをしながらこの後の事を考える。

 考えたところで正直王都に来ても、魔道具店に行きたいというぐらいしか目的も無かったので、後はルティスタの知り合いにお菓子などのおみやげを買ったり、食材や料理をストレージに補充したりするとやる事がなくなり、コソコソと姿を隠して宿に戻った。
 知らないヤツに宿までつけられても困るしな。
 
 まぁ、引きこもるのも悪くない、と午後はベッドの上でラテルとゴロゴロしながら魔道具の本を読んだり、ちょっと試作してみたり、うたた寝したりしてダラダラ過ごした。

「こういうのもいいよな?」
「キューン♪」

 ラテルはオレとゴロゴロしてるだけでも楽しいらしい。



 夕方頃にやっぱりマーカス商会から使いの人が来て、明日はエリザベットさんの実家"パリエルス商会"へ出向く事になった。
 エリザベットさんの父である商会長との面談だ。





(さて…なんの因果か3日連続で老人との出会いか。
 1人目は老害、2人目は尊敬出来る先達、3人目はどうなるか…)


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