朝チュン転生 ~地味に異世界を楽しみたいのに女神サマが邪魔をします~

なる

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101話 出会いの旅路 25

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 少し雑談などしているとドアがノックされ、革製の薄いアタッシュケースを積んだワゴンを引いて、先ほどの使用人が戻ってきた。

 使用人が退室するとナザリオさんはケースの一つをテーブルに置き、懐から出した鍵で解錠すると向きを変え、オレの前に差し出す。

「こちらが預かっている商品ですが?」


 オレは少し考え、契約もしてるしいいかな? とも思ったが無駄に驚かす必要もないか、と考え直してストレージ内で錬金盤を身体から出し、ストレージから取り出したように装ってテーブルの上に出した。


 素手で触らないと錬金術が上手く作用しないので、ケース内から一つの指輪をキズ付けないよう慎重に右手で取り、左手で錬金盤に触れ、イメージと共に魔力を指輪に流し込む。
 一瞬強く光った後、ゆっくりと光は消えていく。


 指輪をエリザベットさんに差し出す。
「ちょっと着けてみて下さい」

「? はい」

 エリザベットさんは不思議そうな顔をしながらも、荷物から薄手の手袋を取り出し右手に着けると、その中指に指輪を通した。


「着けましたけど…?」

(エリザベットさん指細いなぁ…)

「じゃあ今度は"親指"にはめて下さい」

「はあ!? 私 指は細いほうですけど、それはさすがに無理ですよ」

「まぁ、試しにやってみて下さい。
 取れなくなったらボクが弁償しますから」


 エリザベットさんは疑心暗鬼という顔でオレを見た後、ゆっくりと指輪を親指に通していく。


 すると指輪がうっすらと光り、太い第一関節を通り、第二関節の中程のいい具合の位置に収まると光が消える。


「はあ!?」
「なんと!?」


「成功しましたね、ちょっと着けたまま見せて下さい」


 エリザベットさんの手を取り指輪を確認する。
 模様などが少し伸びているが、元の状態を見ていても多少の違和感が分かるか分からないか程度だ。


「大丈夫そうですね、ナザリオさんが良ければ指輪と腕輪全てに付与しますけど、どうしますか?」


「……」
 ナザリオさんは固まっている。


 エリザベットさんは先に復活したようだ。
「これは…ダンジョンで希に見つかる物に付与されている"サイズ調節"の魔法ですか?」

「まぁ、似たようなものです」


 そう、この"サイズ調節"というのは通常の錬金術師には付与出来ない。


 昨日ファル爺に指摘され知った事だが、錬金術師が出来るのはあくまでも"人の手で出来る事"の延長線上の事に限られる。
 だから熱して柔らかくしたように金属の形を変える事は出来ても、宝石を引き伸ばす事は出来ない。


 熱に強い宝石を溶かすだけの熱量をイメージ出来れば、ひょっとしたら可能性はあるのかもしれないが難しいだろう。


 また付与についても、そもそも"サイズ調節"などというスキルは存在しないので、スキル付与でサイズ調節機能を付ける事も出来ない。


 要は現実を越えたイメージを付与出来る"創造錬金術師"にしか作れないシロモノだ。
 昨日宿に帰ってから色々試していたら出来てしまったので、どうせ通常の錬金術師では作れない物を世に出してしまうんだし、これも付けてしまえと思い立った訳だ。


 結局、少しして復活したナザリオさんから頼まれ、全ての腕輪と指輪に付与を施した。




 ナザリオさんはオレに渡そうとしていた追加金を引っ込めた。
 再度計算し、増額されるらしい。




 
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