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158話 ラスカリア 1
しおりを挟むダンジョン。
RPGゲームではお馴染みの、敵が出現する洞窟などの迷宮だが当然のようにこのファンタジーな世界にも存在している。
この世界のダンジョンには3つの種類が存在する。
1つ目が【フィールドダンジョン】
オレがこの世界に転生してすぐに入った"夜の森"、これがそうだ。
"魔力溜まり"の発生、"龍脈"の分断など原因は様々だが、一定の土地に膨大な魔力が留まり続ける事で発生しそこが異空間に変わる。
"夜の森"のように一見ダンジョンか分からない場所の方が珍しく、大体の場合入った途端に周りの自然と異なる気温、植物相、生態系に変わっている。
2つ目が【ダンジョン】
その名の通り洞窟、廃坑、遺跡等の内部がダンジョン化したもの。
これから行く"コボルドの古代地下街"もこれだ。
基本的には"フィールドダンジョン"と変わらないが大きな特徴としてダンジョンはほとんどの場合 階層形式で形成されていて、階層ごとに全くの別空間のように異なる気候や生態系を見せる場合がある。
この二つは区分けとして屋外のものを"フィールドダンジョン"、屋内のものを"ダンジョン"と言っているだけで基本的には同じものだ。
魔力の循環不全地域をセイルマリルが他の土地への影響を及ぼさせない為に作る隔離地域だ。
イレギュラーで発生した膨大な魔力は凝縮結晶化されることで"コアクリスタル"、"ダンジョンクリスタル"等と呼ばれるダンジョンの核に変わる。
この核は形成される段階で取り込まれた膨大な数の微精霊の力で一定水準の知力を持つ結晶生命体のようになっており、その防衛本能から隔離された空間内を守るように魔物の住みやすい空間を形成する。
罠や宝があるのも、セイルマリルの魔力循環から切り離され補充出来ない魔力を取り込む為にコアが考えた人間を誘引する策略だ。
ちなみによくある
"ダンジョンの最奥にコアが堂々と鎮座している"
ということはほぼ無く、防衛本能から地中深くに隠されており見つける事はほとんど出来ない。
希に発見され持ち帰られる事もあるが、その場合は当然ダンジョンは機能を停止して緩やかに通常の土地へ戻っていき、コアは魔道具の素材として破格で取引される。
なので、冒険者ギルドで"ダンジョンを攻略した"と認められるには、"攻略認定"という報酬金の出ない特殊な依頼を受けて最奥の敵を倒しギルドカードから撃破を確認し認定される、という流れになる。
攻略すると"討伐"、"探索"の評価ポイントが大きく貰えるのでランクアップの近道ではある、その分危険もあるが…
そして3つ目が【神の試練】。
ダンジョンから物資を集めたり修行して強くなる人々を見て神が作った"神造ダンジョン"。
他のダンジョンと決定的に違うのはここに出現する魔物は生物ではなく、神の力で作られた"偽物"というところ。
実体を持っているがその全てが魔力で形成されており、倒すと一定時間で魔力へと戻り霧散してしまう。
"ご褒美"として魔石や装備品等を残す事はあるが魔物素材は収集出来ない。
名前通り"試練"として作られているので、踏破した者には"神からの特別なご褒美"があるが、欲望を刺激し過ぎない為受け取った者には口外出来ないように【強制魔法】がかけられ何を受け取ったかは話す事が出来ない。
ちなみに"神からの特別なご褒美"には"二段階目"が存在するがまだ歴史上受け取った者はいない。
(あんな条件無理ゲーだろ…)
ーーーーーーーーーー
「リルト」
御者台の隣に座るポラリスが指差す先には王都の一回り小さいくらいの巨大な都市が。
王都から東へ4日、オレ達は目的のラスカー公爵領都【ラスカリア】へ辿り着いた。
「さて、初ダンジョンチャレンジだな」
「…頑張る」
ポラリスは拳を握っている。
「まずはキッチリ情報収集よ!」
「キュキュ!」
ラテルを抱いたレシアナさんが馬車内から突っ込みを入れる。
レシアナさんの"オレ専属"は継続中らしく、オレの移動に合わせてラスカリア勤務になる。
(なんでギルド本部はこんな事認めてるんだ?これも"神罰騒ぎ"の絡みなのか?)
「おー、久しぶりに来たな、相変わらず雑然とした街だのぅ」
「リルト様、ダンジョン攻略は慎重にですよ?」
…なんかジジイが二人しゃべっているが聞こえない。
ファル爺はこの前の王城での話から、オレがいつ自分のいない間に飛空艇を作り始めるか不安でしょうがないらしく付いてきてしまった。
店は隠居の道楽だからとあっさり閉め、ラスカリアでまた細々と開くと今は商品素材もろもろオレのストレージに入れてある。
大司教は仕事の都合で偶然ラスカリアに行く事になった…とか惚けた事を言っているが、そんな偶然あるか。
(やっぱり教会には懐かれちゃうよな…まぁしょうがない)
なんか変に大所帯だけど、まぁ気楽に行こう…行きたいなぁ。
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