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1章 憑依
1:始まり
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知らない天井だ、
それどころじゃない、
知らない体だ。
無能の俺が、不遇の「アノス」に憑依して。
すでに2日経っていた。
憑依した時は期待したものだ。
異世界にこれた、俺の時代だ!なんて。
そんなわけ無かったのにな。
アノスも俺も、家族からの扱いは似たようなものだった。
無能と不遇。
そう、不遇だ、そんな呼び方をされる理由はアノスのスキルにあった。
アノスのスキルそれは
「念力」
最初は期待されたのだ、神官の読みでは、触れずに物を動かせると。
しかし、羽ペンが限界だった。
その羽ペンも、ピクリと動いただけなのだ。
それだけでアノスは息も絶え絶え。
その上さらに問題になったのはアノスの魔法適正だ。
まさかのトリプリスト。
3属性持ちだったのだ
水、火、土
これは凄いことだった、3属性持ちと言えば、国家魔道士の資格を貰える上に、国から直接雇用したいという内容の手紙が来るそうだ。
しかし、水と火は下位魔法が限界
土は中位魔法が限界。その上コントロールがすこぶる悪く、水魔法を使った際、隣にいた母親にぶち当てたのだ。
その日、家に帰ってから母親に言われたのは。
「こんな子なら産まなければ良かった」
その2年後、弟のスキルと魔法適正が神官によって鑑定された。
スキル、魔力増強
魔法適正、火、光
光がAクラス適正
火がBクラス適正
申し分のない物だった。
誰もアノスを庇わない、当然だ。
不遇の子は伯爵家のお荷物だった。
「はぁ、、、」
アノスに同情はしない、なんせこれからコイツの人生を歩むのは俺なのだ。
試しに土魔法を使ってみる。
これは昨日からやっていた。
イメージだ、土の塊をイメージする。
それを極端に固める。
そうすれば石が出来る、が。
飛ばしたりはしない、アノスの魔法操作性は最悪だ、窓を割りかねない。
しかし
「あっ!まずい!」
ふと気をそらした時、繋がりが途絶えた石は。
部屋の床に向かって落ちて行こうとしていた。
その時、俺は必死にその石を取ろうと、止めようとした。
だからなのだろうか。
石が、空中で止まった。
それは一瞬の事だった、すぐさま石は物理法則に従い、真っ逆さま。
「まさか、、念力?」
アノスは念力の使い方を間違っていたのかも知れない。
自分ならこの力を使えると。
だが、その期待は打ち捨てられた。
部屋のもので動かせたのはホコリだけ。
ベットのシーツを揺らすくらいは出来た。
「はぁ」
深いため息をついて立ち上がる。
アノスの記憶によれば今日は学園。
いじめの現場へGOだ。
まあ、俺がその当人なんだけどね。
「おいアノス!このゴミ野郎!!」
「な、なんだよ」
「ムカつく、俺の魔法の練習手伝えや」
そう言って誰かも知らない恐らく同級生であろう男子は、アノスに向かって水の塊を飛ばしてきた。
そこまで早くはない、しかし、アノスの動体視力では絶対に避けられない。
だから手で顔を覆う。
必死に願う、
(当たるな!)
その時、アノスの耳元を何かが飛んでいった。
ヒュン
と、当たると痛そうな音をたてながら。
「は?俺の魔力操作が、え、嘘だろ、練習してなかったから、、畜生、クソアノス!後で覚えておけや!」
そんな声はアノスの耳には入ってこない。
その時、俺は、アノスは気づいた。
魔素には大した重さがない。
それは魔力という概念そのものだからだ。
つまり、魔素で構成された物質は、
『捉えようによっては』
重さがなくなる。
動かせる。
そう、念力で。
俺は自他共に認めるクズ、そんなクズに力を渡してはいけない、復讐なんてつまらん事はしない、そもそもアノスの記憶であって俺は奴らに大した憎しみも抱いてないし、妙な正義感で連中に誅を下すつもりもない。
だが、俺はクズ、正真正銘のクズ。
さて、楽しい異世界憑依の始まりだ。
と、意気込んだ矢先だった。
『フィレンツェ王国立学園』
その名前を目にした途端、思い出した。
アノスは脇役だ。
俺はこのゲームをプレイした事がある。
これはゲーム、フレトリアオンラインの世界。
アノスは主人公の強さに驚く脇役だった筈だ。
いいだろう、ここからこの物語は変わる。
主人公は。
俺だ
それどころじゃない、
知らない体だ。
無能の俺が、不遇の「アノス」に憑依して。
すでに2日経っていた。
憑依した時は期待したものだ。
異世界にこれた、俺の時代だ!なんて。
そんなわけ無かったのにな。
アノスも俺も、家族からの扱いは似たようなものだった。
無能と不遇。
そう、不遇だ、そんな呼び方をされる理由はアノスのスキルにあった。
アノスのスキルそれは
「念力」
最初は期待されたのだ、神官の読みでは、触れずに物を動かせると。
しかし、羽ペンが限界だった。
その羽ペンも、ピクリと動いただけなのだ。
それだけでアノスは息も絶え絶え。
その上さらに問題になったのはアノスの魔法適正だ。
まさかのトリプリスト。
3属性持ちだったのだ
水、火、土
これは凄いことだった、3属性持ちと言えば、国家魔道士の資格を貰える上に、国から直接雇用したいという内容の手紙が来るそうだ。
しかし、水と火は下位魔法が限界
土は中位魔法が限界。その上コントロールがすこぶる悪く、水魔法を使った際、隣にいた母親にぶち当てたのだ。
その日、家に帰ってから母親に言われたのは。
「こんな子なら産まなければ良かった」
その2年後、弟のスキルと魔法適正が神官によって鑑定された。
スキル、魔力増強
魔法適正、火、光
光がAクラス適正
火がBクラス適正
申し分のない物だった。
誰もアノスを庇わない、当然だ。
不遇の子は伯爵家のお荷物だった。
「はぁ、、、」
アノスに同情はしない、なんせこれからコイツの人生を歩むのは俺なのだ。
試しに土魔法を使ってみる。
これは昨日からやっていた。
イメージだ、土の塊をイメージする。
それを極端に固める。
そうすれば石が出来る、が。
飛ばしたりはしない、アノスの魔法操作性は最悪だ、窓を割りかねない。
しかし
「あっ!まずい!」
ふと気をそらした時、繋がりが途絶えた石は。
部屋の床に向かって落ちて行こうとしていた。
その時、俺は必死にその石を取ろうと、止めようとした。
だからなのだろうか。
石が、空中で止まった。
それは一瞬の事だった、すぐさま石は物理法則に従い、真っ逆さま。
「まさか、、念力?」
アノスは念力の使い方を間違っていたのかも知れない。
自分ならこの力を使えると。
だが、その期待は打ち捨てられた。
部屋のもので動かせたのはホコリだけ。
ベットのシーツを揺らすくらいは出来た。
「はぁ」
深いため息をついて立ち上がる。
アノスの記憶によれば今日は学園。
いじめの現場へGOだ。
まあ、俺がその当人なんだけどね。
「おいアノス!このゴミ野郎!!」
「な、なんだよ」
「ムカつく、俺の魔法の練習手伝えや」
そう言って誰かも知らない恐らく同級生であろう男子は、アノスに向かって水の塊を飛ばしてきた。
そこまで早くはない、しかし、アノスの動体視力では絶対に避けられない。
だから手で顔を覆う。
必死に願う、
(当たるな!)
その時、アノスの耳元を何かが飛んでいった。
ヒュン
と、当たると痛そうな音をたてながら。
「は?俺の魔力操作が、え、嘘だろ、練習してなかったから、、畜生、クソアノス!後で覚えておけや!」
そんな声はアノスの耳には入ってこない。
その時、俺は、アノスは気づいた。
魔素には大した重さがない。
それは魔力という概念そのものだからだ。
つまり、魔素で構成された物質は、
『捉えようによっては』
重さがなくなる。
動かせる。
そう、念力で。
俺は自他共に認めるクズ、そんなクズに力を渡してはいけない、復讐なんてつまらん事はしない、そもそもアノスの記憶であって俺は奴らに大した憎しみも抱いてないし、妙な正義感で連中に誅を下すつもりもない。
だが、俺はクズ、正真正銘のクズ。
さて、楽しい異世界憑依の始まりだ。
と、意気込んだ矢先だった。
『フィレンツェ王国立学園』
その名前を目にした途端、思い出した。
アノスは脇役だ。
俺はこのゲームをプレイした事がある。
これはゲーム、フレトリアオンラインの世界。
アノスは主人公の強さに驚く脇役だった筈だ。
いいだろう、ここからこの物語は変わる。
主人公は。
俺だ
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