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カラスの子は王子さま!?
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旅館にお泊りした次の日。荷物を旅館から宅配してもらうことにしたアヒル一行は、せっかくなので帝都を観光していくことにしました。帝都にはたくさんのお店が立ち並び、たくさんのアヒルたちで賑わっていました。その様子にカラスの子とひよこは目を輝かせましたが、人混みが嫌いなアヒルはちょっぴり辟易です。
「あれはなにかあ?」
「これはなにぴよ?」
なんにでも興味を示す2人のお世話をしていると、不意に後ろから声がかけられました。
「お、王子!? 王子ではありませぬか!?」
「?」
三人が振り返ると、そこにはおじいさんカラスがいました。
「おお、そのご尊顔! 間違いなく王子! よくぞご無事で!」
「かあ? かあはノワールかあ。おうじなんて名前じゃないかあ」
「なにをおっしゃいます。ほらこれをお持ちください」
おじいさんカラスは黒い宝石を取り出してカラスの子にもたせました。するとびっくり。宝石が光りだしました。
「それは王家の秘宝〝ヤタガラスの眼〟、王族がもったときだけ光輝くのです」
「……かあ? じゃあかあは王子なのかあ?」
「そうです。王子は誘拐されたショックで記憶が混乱しているのでしょう。ですがどうか国にお戻りを。そして王となって民を導いてください」
「王になるって、今の王様……19代目カラス王はどうしたのくわ?」
さすがにアヒルが話に割り込みます。
「それが……」
おじいさんカラスは声を潜め、アヒルにだけ聞こえるように答えました。
「実は王子が誘拐されるときに王様もお后様も……その……」
それでアヒルは察しました。カラスの子はほんとにひとりぼっちなのだなと。
「ともかく王子。急いでカラスの国に……」
「いやかあ! かあはアヒルさんたちと一緒にいるかあ!」
「王子……」
「いやかあ! いやかあ!」
「そう嫌がるなノワール。案外居心地いいかもしれんくわよ」
「でもいやかあ……」
「……仕方ないくわね。くわも一緒にいってやるくわ」
「かあ!? でもアヒルさんはほかの国が苦手なんじゃ……」
「くわ。でもおまえのためだからがんばるくわ」
「ならぴよもいくぴよー! 王宮にいけばごちそう出るよね!」
「もちろんです。王子の帰還を祝してパーティーを開きます」
「やたああぴよおお!」
こうして一行は、一路カラスの国へ向かうのでした。
「あれはなにかあ?」
「これはなにぴよ?」
なんにでも興味を示す2人のお世話をしていると、不意に後ろから声がかけられました。
「お、王子!? 王子ではありませぬか!?」
「?」
三人が振り返ると、そこにはおじいさんカラスがいました。
「おお、そのご尊顔! 間違いなく王子! よくぞご無事で!」
「かあ? かあはノワールかあ。おうじなんて名前じゃないかあ」
「なにをおっしゃいます。ほらこれをお持ちください」
おじいさんカラスは黒い宝石を取り出してカラスの子にもたせました。するとびっくり。宝石が光りだしました。
「それは王家の秘宝〝ヤタガラスの眼〟、王族がもったときだけ光輝くのです」
「……かあ? じゃあかあは王子なのかあ?」
「そうです。王子は誘拐されたショックで記憶が混乱しているのでしょう。ですがどうか国にお戻りを。そして王となって民を導いてください」
「王になるって、今の王様……19代目カラス王はどうしたのくわ?」
さすがにアヒルが話に割り込みます。
「それが……」
おじいさんカラスは声を潜め、アヒルにだけ聞こえるように答えました。
「実は王子が誘拐されるときに王様もお后様も……その……」
それでアヒルは察しました。カラスの子はほんとにひとりぼっちなのだなと。
「ともかく王子。急いでカラスの国に……」
「いやかあ! かあはアヒルさんたちと一緒にいるかあ!」
「王子……」
「いやかあ! いやかあ!」
「そう嫌がるなノワール。案外居心地いいかもしれんくわよ」
「でもいやかあ……」
「……仕方ないくわね。くわも一緒にいってやるくわ」
「かあ!? でもアヒルさんはほかの国が苦手なんじゃ……」
「くわ。でもおまえのためだからがんばるくわ」
「ならぴよもいくぴよー! 王宮にいけばごちそう出るよね!」
「もちろんです。王子の帰還を祝してパーティーを開きます」
「やたああぴよおお!」
こうして一行は、一路カラスの国へ向かうのでした。
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