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第7話 島のかなしみ
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4年後、無事看護師の資格を取得したひまわりは、都内の病院で働き始め、僕はというと医師免許取得に向けて絶賛大学生をやっていた。アルバイトはしていたものの、若干ひまわりのヒモになっている気分のする毎日だった。やがて僕が研修に入ると、先にひまわりは島に帰っていった。どうやら事前に開院の準備をしてくれるらしい。予定では祖父の家の敷地に新しく小さな診療所を建てるつもりだ。
そんな夏のある日。ひまわり島を津波が襲った。酷い台風の中、ひまわりは最後まで島民の避難活動に尽力し、今は行方不明だという。海が落ち着き次第、僕は船をチャーターして急いで島へ戻った。専門家の捜索も行われているそうだが、とにかく早く会いたかった。
船が島に着くと、僕はまず知り合いの島民を見つけてひまわりのことを尋ねた。しかし行方不明という情報以外得ることはできなかった。僕は宛もなく島を歩いた。美しかったひまわり畑は津波でしおれてしまい、台風で折れてしまったものもあった。古い家が多かったから多くの家は半壊、もしくは全壊しており、ひまわりの家も祖父の家も半壊状態だった。
ひまわりが避難船に乗り遅れたとしたら、島のどこか安全な場所に避難しているはずだ。だが見て回った限り、島に安全な場所があるようには思えなかった。そこでふと、寡黙な祖父が教えてくれたことを思い出す。
「……この家の地下には防空壕がある。頑丈なものだ。なにかあったらそこに逃げ込みなさい」
祖父はそう言っていたが、僕とひまわりはほとんど秘密基地気分で遊び場にしていた。しかし同時に僕は祖父の話をひまわりにも伝えていた。僕は急いで祖父の家の裏側に向かった。防空壕に入るための地下に続く鉄のドアは普段は隠されているが、今はむき出しになっていた。だから僕は一縷の望みをかけて防空壕の思いドアを開けた。しばらく使っていなかったため埃っぽい階段を一段飛ばしで降りる。スマホのライトで防空壕を照らすとそこには……。
――倒れているひまわりがいた。
そんな夏のある日。ひまわり島を津波が襲った。酷い台風の中、ひまわりは最後まで島民の避難活動に尽力し、今は行方不明だという。海が落ち着き次第、僕は船をチャーターして急いで島へ戻った。専門家の捜索も行われているそうだが、とにかく早く会いたかった。
船が島に着くと、僕はまず知り合いの島民を見つけてひまわりのことを尋ねた。しかし行方不明という情報以外得ることはできなかった。僕は宛もなく島を歩いた。美しかったひまわり畑は津波でしおれてしまい、台風で折れてしまったものもあった。古い家が多かったから多くの家は半壊、もしくは全壊しており、ひまわりの家も祖父の家も半壊状態だった。
ひまわりが避難船に乗り遅れたとしたら、島のどこか安全な場所に避難しているはずだ。だが見て回った限り、島に安全な場所があるようには思えなかった。そこでふと、寡黙な祖父が教えてくれたことを思い出す。
「……この家の地下には防空壕がある。頑丈なものだ。なにかあったらそこに逃げ込みなさい」
祖父はそう言っていたが、僕とひまわりはほとんど秘密基地気分で遊び場にしていた。しかし同時に僕は祖父の話をひまわりにも伝えていた。僕は急いで祖父の家の裏側に向かった。防空壕に入るための地下に続く鉄のドアは普段は隠されているが、今はむき出しになっていた。だから僕は一縷の望みをかけて防空壕の思いドアを開けた。しばらく使っていなかったため埃っぽい階段を一段飛ばしで降りる。スマホのライトで防空壕を照らすとそこには……。
――倒れているひまわりがいた。
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