46 / 204
第44話 森の先で起きた魔女誘拐事件
しおりを挟む「はあ、何て早い獣だ。あれ、獣の代わりに可愛い女の子がいるな」
「伯爵っ、いきなりスピード出しすぎよ。あとあまり色目使わない」
伯爵はハーネイトの無事な姿を見ながら魔女の方を食い入るように見ていた。そしてそれに気づいたリリーに彼は頬をつねられた。
「つつ、わかったよ。フッ、無事のようだな」
「伯爵、リリー!ああ、どうにかな」
彼はやれやれだといった感じで伯爵に無事であることを証明した。
「相棒らしくねえな。普通ならあの程度避けられるだろ?」
「術者が直接目の前で詠唱していれば余裕だったが、そうじゃないケースだと防ぎづらい。遠隔型の詠唱術は聞いたことも見たこともなかった。……誰だって調子の悪いときはある」
「それもそうだな、まあそういうことにしとくさ。しかし、おいおい。何女の子泣かせてるんだ?ハーネイト」
伯爵が少々意地悪なことを言いハーネイトは軽くからかう。それに対して彼はそうじゃないと慌てて反論する。
「ち、ちがうって。話してたらいきなり泣き出してさ。俺が泣かせるわけないだろ?泣かされる側、だし基本」
「そうね、泣かされるなら前にあったわね。本当にあなたの女運のなさは」
「それは言わないでよリリー。何でもこの女の人、妹と母親を何者かに誘拐されたみたいなんだ」
彼は伯爵とリリーにも事件の概要を説明する。
「本当に?それは、ひどいことをするものね。場所は分かっているのね?」
「そうだな。それとすまないがお嬢さん、名前と職業は?」
「ひぐっ、私は、ドロシー・ステア・ミカエル。ミカエルと呼んで。魔法使いよ。魔女の街ルーフェに住んでるの」
改めて名前と職業を3人は確認し、ルーフェという言葉を聞いた伯爵はそれに関してあることを思い出した。
それは今から約1月前、伯爵の腹心であり連絡係のリステリア広報官からとある報告が挙がっていたことである。内容は魔法使い、しかも治癒魔法の使い手が多い魔女を中心に謎の失踪事件が起きていることであり、その裏に、DGとは違う組織が暗躍してる可能性があるというものであった。
またその組織がルーフェの近くの町にある可能性を、部下からの報告書は示唆していたのを伝える。
「ルーフェ、もしかすると。教団の仕業かもしれないな。確かそのあたりに本部があったはずだ」
「ハルクス龍教団のことか。あの龍ばかり信仰している集団だ。しかしどういうことだ?」
ハーネイトも風の噂で聞き、独自に調査を進めていたため伯爵の言葉をすぐに理解する。約4年前にできたとされる信仰集団「ハルクス龍教団」は、すべての生きとし生けるあらゆる種類のドラゴンをひたすら崇め、なおかつ他の神々の存在も否定をしない多神・ドラゴン教の集団である。
「部下からの報告で気になったことがあってな。最近魔法使いが行方不明になる案件があったという。そしてその地域がルーフェ及びその付近の街だとよ」
伯爵の部下であるリステリアたちからの報告と地理的な状況を合わせて分析し、伯爵が早速一つの答えを出す。しかし接点についてまだ考えがまとまっていなかったハーネイトは伯爵の言葉に驚く。
何よりもハルクス龍教団は非好戦的であり、慈善事業はすれどおとなしい集団であったため、周囲の国家や街も特段注意を払ってはいなかったのである。
「唐突だな。しかし報告が来ているのなら事実なのだろう。藍之進が話した霧の龍の存在と教団の関係と行方不明になる魔法使いたち、何か繋がりがあるかもしれない。それに、私の中に宿っている力の秘密も分かれば……」
「ああ。霧の龍はここ最近具合が悪いみたいだと、あのおっさんから話を聞いた。ハーネイトも聞いたはずだろ?」
藍之進から以前聞いた会話の内容の中には、迷霧の森が周辺に住み着いた霧の龍の仕業によるもので、霧の濃度から何らかの異変が龍に起きているのではないかと考えており、余裕があれば確認してほしいと言われていたのだ。
「確かに聞いた。霧の龍の産み出す霧の濃度が上がって、人体に有害な状態まで上がっている。その龍に異変が起きていることは……そして」
「龍の異変は、奴らにとっては一大事だ。神様が病気になったものみたいだからな」
龍教団の崇めるシンボルが病気になれば、そこに属しているものならば誰もがその存在を治そうとするだろう、そう伯爵は指摘した。
「そこで、龍の異変を治せそうな魔法使いとかを見つけては、さらって脅迫でもして治してもらおうと考えてると?治癒魔法使いって、そもそもお前以外にどんな病も治せる奴いねえだろ」
「そもそも私とハーネイトに頼めば91番で治してあげるのに。しかしそう考えると、捕まった魔法使いたちも普通に元気にしてそうね。傷つけるとか殺す目的ではなさそう」
伯爵とリリーの推測を聞き、ミカエルも冷静さを取り戻し、話をする。ただでさえ魔法使いは少ない存在なのに、ましてや治療に特化した人材など数えるほどしかいない。それにしてもやり方が強引だとハーネイトは思い、どうするか考えていた。
「どこでその情報を手に入れたかはともかく、そういう状態なのよ。ルーフェの南西方向にさらに街があるんだけど、そこにハルクス教団の建物があるの。私は薬草の採集をして町の外にいた際に、友達から妹と母が何故かその街にいると聞いて向かったのよ。少し前から3人行方不明にはなっていたからもしかしてとは思っていたわ。一体奴ら何を考えているのでしょうね。素直に頼めばいいじゃない」
「それもそうだ。こうなると大体証拠は出揃ったかな。もう伯爵一人でいいんじゃないのかこれ」
彼は改めて、伯爵の情報網の広さと能力に驚愕する。ハーネイトがやや不本意ながらも危険な存在である伯爵をそばに置いているか。それは伯爵の手綱を握っておきたいのに加え、全世界を網羅するほどの情報の広さを持つからである。そのため今回起きている事件も伯爵自身はよくわかっており、その気になれば伯爵だけでも問題解決できる範疇であった。
しかし彼の性格がそうさせず、今の状況を楽しんでいる節があるためハーネイトも心のどこかでやきもきしていた。しかし実際のところは彼のこの能力、幾つか制約があり、多用はできないし、何よりもあまり目立つと伯爵本人が怪しまれて動きづらくなるというものがあった。
「へっ、こちらも伊達にハーネイトのやってきたこと見ている訳じゃねえよ。情報収集ならば、俺の方が上だからな。部下に街の様子は見張らせている」
「伯爵の力については否定はできないな。その街までいって、ミカエルの妹と母親を助け出さないとな」
「しかし、相手は並みの魔法使いなら捕らえる術がありそうな相手みたい。大丈夫なの?」
「確かにな、先程のだとハーネイトが捕まりそうだわな。確かあの教団連中も魔法を使えるって聞いてたがよ」
先ほどのミスについて2人はハーネイトにそう言う。それに対し彼はこういい、作戦があると説明する。
「言ってくれるね、こうなったら外側からあれ使って結界吹き飛ばす。それならリスクも低いからな」
「あれって?」
「それは、結界吹き飛ばすときに見せる。とりあえず、夜之一領主に報告しないとな」
ハーネイトが肩の力を抜き、城の方をみる。すると城の方から八紋堀や南雲たちがやって来た。
「ハーネイトさんは無事だな」
「伯爵さんもいる。いないと思ったらそこにいたなんて」
リシェルはハーネイトが無事であることを確認し、風魔が姿を見せていなかった伯爵の姿を捉える。
「それと、青い服を着た女性もいますね」
「用心せよ。あやつ只ものではない」
エレクトリールはミカエルを確認し、八紋堀は警戒せよと全員に伝える。一応魔法が使える彼は、青衣の女から溢れる魔力に警戒していた。そして全員がようやくハーネイトたちのもとにたどり着いた。
「はあ、はあ、ハーネイト殿、ご無事ですか?」
「はい。それと街の被害もないですよ。しかしびっくりですよね」
彼は八紋堀に被害の状況を説明する。道路に獣の足跡はあど、すぐに整備できる。建物などへの被害を出さないように気を付けていた彼は辺りを見回してホッとする。
「もしかしてハーネイトさんが食べられちゃうのではないかと心配でした」
「はは、それは大丈夫だって。それよりも仕事の依頼が入った。この人を連れて、城に戻りたい」
「ハーネイト殿、まさかとは言いたいがそやつ、手紙を送った魔女か?」
その言葉に八紋堀の表情が厳しいものになる。それを見てハーネイトが彼女が置かれている状況を説明する。
「確かにそうですが、八紋堀さん、少し落ち着いて。このミカエルさんは、私に誘拐された家族を助けてほしいとここまで来たのです。粗っぽいし雑な手口ですが」
「申し訳、ありませんでした。ご迷惑をお掛けしてしまって」
ミカエルはその場で深く反省の礼をして、自身が昔から変わっていないなと自覚しつつうなだれていた。
「一度報告するため、城に戻りたいが、ミカエル、城で暴れるとかしないでね?さっきの話から奴らが犯人としても殺すために誘拐したとは思えないし、まだ猶予はある」
「はい。ルシエルとビルダーお母様は無事なのは分かっています」
「やれやれ、今回はハーネイトに免じてやるか。しかし、妙な真似をするなよ?彼の信用に傷をつけることはするな」
「はい、わかりました」
その後、ハーネイトたちはミカエルを連れて城の中に入った。そうするといつもの大広間の部屋で夜之一がじっと座ったまま待っていたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れ果てた俺がたどり着いたのは、圧倒的な自由度を誇るVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は、幼い頃から密かに憧れていた“料理人”。しかし戦闘とは無縁のその職業は、目立つこともなく、ゲーム内でも完全に負け組。素材を集めては料理を作るだけの、地味で退屈な日々が続いていた。
だが、ある日突然――運命は動き出す。
フレンドに誘われて参加したレベル上げの最中、突如として現れたネームドモンスター「猛き猪」。本来なら三パーティ十八人で挑むべき強敵に対し、俺たちはたった六人。しかも、頼みの綱であるアタッカーたちはログアウトし、残されたのは熊型獣人のタンク・クマサン、ヒーラーのミコトさん、そして非戦闘職の俺だけ。
「逃げろ」と言われても、仲間を見捨てるわけにはいかない。
死を覚悟し、包丁を構えたその瞬間――料理スキルがまさかの効果を発揮し、常識外のダメージがモンスターに突き刺さる。
この予想外の一撃が、俺の運命を一変させた。
孤独だった俺がギルドを立ち上げ、仲間と出会い、ひょんなことからクマサンの意外すぎる正体を知り、ついにはVチューバーとしての活動まで始めることに。
リアルでは無職、ゲームでは負け組職業。
そんな俺が、仲間と共にゲームと現実の垣根を越えて奇跡を起こしていく物語が、いま始まる。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる