9 / 14
3:第一王子の発情期(4)※
力で敵わないとわかっていても、負け惜しみのように減らず口が止まらない。
「……後で、絶対、ぶっ飛ばす」
「わぁ熱烈…いいよそれで。それじゃ今は遠慮なく」
今までのは序の口とでも言うかのように、さらに濃いフェロモンの波がぶわっと押し寄せ、次第にハッハッと息が上がる。
とうとう自力で立つことができなくなり、皮肉にもニックスに体を預けるしかない。
こんな、いつ人が来てもおかしくない廊下で、ラルド以外とこんなシチュエーション…全然よろしくない…!よろしくないのに───!!
「っ、」
「うんうん、ツラいねどうされたい?」
「うぅぅぅ…絶交ぅぅ…」
「それは却下、俺は兄さん無しでは生きられないもん。よいしょっ、と」
脇の下に手を差し込まれ軽々と持ち上げられると、張り出た廊下の窓枠部分に座らされる。股の間にニックスの体が入り込み、さらには逃げられないよう僕の両サイドを包囲する形で窓枠に手をつき囚われる。
高い場所に座らされた僕がニックスを見下ろす構図。本気で、ヤバい。
超特急で進んでいく展開に焦りながらも、とにかくいまはここから逃げ出さなければ、と役に立たない体で必死にもがいていると、暴れる片足までも掴まれてしまった。
それはそのまま持ち上がり、ニックスの肩にかけられる。
「なっ、こんな格好」
「いい眺め」
股を開くような格好をニックスに晒している。大きな衝撃と羞恥にパニック寸前の僕に容赦のない次の手が繰り出された。
「っひゃ!?」
「ふふ、見て兄さん。染みてる…」
誰にも触れられたことのない、無防備な場所をニックスの指がすぅーっとなぞる。
すると、みるみるうちにズボンの上からでもじわぁと広がっていくのがわかり、顔が一気に紅潮する。
普通の男は決して濡れることのないそこはオメガならではの機能。生殖器を受け入れやすくするための本能。
にやっと笑ったニックスの手は止まらなかった。
「え、ぇ、ダメ、待っ、───んぅぅっ」
目線は僕の様子をじっと観察しながら、けれど指先は、執拗にそこを愛撫する。
下から上、上から下、上下の動きだけかと思えば不意に留まったそこで円を描くようにくるくるくるくる……じれったい動きでゆっくり、ゆっくりと快楽を引っ張り出される。
「……は、ぁ、んぅ」
次第に僅かながら、くちゅくちゅと恥ずかしい音まで聞こえだし、ニックスの指の動きはさらに遠慮のないものになっていく。
腹の底から何かが迫り来る。
そんな、強い感覚にとうとう我慢ならずニックスの肩にすがりつき、自分のものとは思えない漏れ出る声が抑えられない。
「ぁ、あっ、あぅ…んぅぅ」
「は、兄さん、兄さん…」
「あっ!?ダメ、ダメッ、なんか、なんか変っなんかきちゃうなに、なにっ」
「いいよ、イッて、兄さん」
「あっ、ぁっ、───っ!!」
「やば…持ってかれそう」
制御不能の小刻みな痙攣を繰り返したかと思えば、打ち上げられた魚のようにビクビクと大きく跳ね、ニックスに強く抱き込まれる。
触れている場所全てからありえないほどの快感を感じ取っていた。
あなたにおすすめの小説
巣作りΩと優しいα
伊達きよ
BL
αとΩの結婚が国によって推奨されている時代。Ωの進は自分の夢を叶えるために、流行りの「愛なしお見合い結婚」をする事にした。相手は、穏やかで優しい杵崎というαの男。好きになるつもりなんてなかったのに、気が付けば杵崎に惹かれていた進。しかし「愛なし結婚」ゆえにその気持ちを伝えられない。
そんなある日、Ωの本能行為である「巣作り」を杵崎に見られてしまい……
腐男子ってこと旦那にバレないために頑張ります
ゆげゆげ
BL
おっす、俺は一条優希。
苗字かっこいいだって?これは旦那の苗字だ。
両親からの強制お見合いで結婚することとなった優希。
優希には旦那に隠していることがあって…?
美形×平凡です。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。
世界一大好きな番との幸せな日常(と思っているのは)
かんだ
BL
現代物、オメガバース。とある理由から専業主夫だったΩだけど、いつまでも番のαに頼り切りはダメだと働くことを決めたが……。
ド腹黒い攻めαと何も知らず幸せな檻の中にいるΩの話。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
平凡αは一途なΩに愛される
マイユニ
BL
子供の頃一度だけ会った男の子の事が忘れられず、その子に似た雰囲気の子と付き合っては別れるを繰り返してきた響介。
ある日全国にホテルを展開している会社の御曹司とお見合いをすることに。
どことなく初恋の人に面影が似ていて気になったが、相手は終始俯いていて乗り気に見えない。これは無理だなと思っていたのに何故か縁談はまとまり、結婚することに。
甘い結婚生活を期待していた響介に待っていたのは、甘いとは程遠い日常。相手の男は自室に引き籠もったまま出てこない。家事は完璧だが彼が行っているのか、人を雇っているのか定かではない。
この結婚生活に意味があるのか分からなくなり、離婚届を用意するまでに。
そんな時長年付き合ってきた人と結婚した大学時代からの友人の幸せそうな姿を目の当たりにする。彼と話をしようと決意して、帰宅すると彼は発情を起こしていた。
オメガバース設定です。
薬の開発が進んでいて発情を抑制できている世界です。
*マークは背後注意シーンがあります。
後半はずっといちゃついております。*マークずっとついています。
『初めてを君と』に出てきた理仁の友人で、二人も出てきます。
前作を読んでなくても大丈夫ですが、合わせて読んで頂けると嬉しいです。
召喚された聖女の俺は生真面目な護衛騎士に愛されたい
緑虫
BL
バイト帰りにコンビニを出た瞬間、西洋風な服装のおじさんたちに囲まれた片桐隼人(かたぎり はやと)。
「聖女様が御姿を現されたぞ!」
「え、あ、あの」
だが、隼人を聖女と呼ぶ赤毛の王子は隼人が男と知ると態度を豹変。金髪碧眼の美貌の騎士レオが「――ここにもうひとりおります!」と言ったことで、聖女召喚に巻き込まれただけの一般人としてレオと共に城を追い出されてしまう。
てっきりこれはドッキリの類だと思い込む隼人は、「早く家に帰ってインスタント焼きそば(辛子マヨネーズ味)を食べたい!」と願うが、事はそううまくは運ばない。
「我レオ・フェネオン、騎士の名誉に誓い、真の聖女様に揺るぎなき忠誠を捧げる」
あまつさえ、レオにそんなことを言われてしまう。
レオに連れられて異世界を移動するうちに、魔物に襲われてしまう二人。
光り輝く剣で敵を倒すレオは格好いいけど、隼人は最早リバース寸前だった。
――ここまできたら、いい加減認めざるを得ない。俺がいる場所が施設の中とかプロジェクションマッピングとかじゃなくて、本物の異世界だってことを!
だが、元の世界に帰る為には、別の召喚陣がある場所まで行かなければならない。そんな訳でレオと二人、隣国に向けて逃亡を始めた。
レオ以外に頼る相手のいない隼人は、ひとりになった瞬間恐怖に襲われる。
するとレオが「では、私の祖国に到着し王家に保護されるまでの間、私とハヤトは結婚を間近に控えた恋人同士の設定でいきましょう」と何故か言い出し――?
オメガバースは独自設定です。ご了承下さい。
秘密多き生真面目イケメン騎士攻めx明るい勤労大学生受け
ハピエン、完結保証。ムーンライトノベルズにも掲載中。
聖女(男)・騎士・追放・後宮・溺愛・執着・王子・異世界・召喚・敵国・偽装・オメガバース(α、Ω)