52 / 69
2【子育て日記】
2-23 社交界の花(4)
しおりを挟む「お待たせつかさくん……ってあれ、どうしたの」
「ままおかおがまっかっか~」
「りんごしゃ~~ん」
スーツに身を包み遅れてリビングに現れた普段より更にダンディな雰囲気の楓珠さんは、子供たちを抱き込み蹲る僕を見つけると不思議そうに問いかけてくるが、子供たちの答えにならない答えにこてんと傾けた楓珠さんの頭の頭上には無数のハテナが飛んでいた。
「よくわからないけど仲良しでいいね」と笑いながら手を伸ばしてくれる楓珠さんに甘え手を取り立ち上がると、僕の格好をまじまじと眺めた楓珠さんに「スーツ、よく似合ってる。綺麗だよつかさくん」とサラッと言われ、引きかけていた顔の赤みが再び戻ってくるのを感じていた。
「ちょっと父さん!つかささんを口説くの禁止!」
「口説くも何も、綺麗な子に綺麗だねって言ってるだけだけど?ねぇつかさくん。そろそろ出発する準備は完璧かな?」
「僕は準備万端です」
すかさず楓珠さんへ牽制する楓真くんだが、軽くいなされた上に、引き続き僕の視線が自分に向かない事にしょぼんとする姿はまるで耳もしっぽも垂れた大型犬みたいだ。
そんな姿に自然とため息をもらしていた。
「はぁ……楓真くん」
「!」
「おいで、行くよ」
「!!はいっ」
暗にエスコートを、と呼びかければすぐに復活し駆けつける優秀な番兼旦那様。にこにこ嬉しそうに微笑みながら僕の腰を抱く楓真くんをそっと見上げ、ついさっきまでのしょんぼり顔は何処へやらと苦笑する僕は結局、楓真くんに甘い。
「それじゃあママたち行ってくるね。トヨさんの言うことをよく聞いていい子に過ごしててね、夜は早く寝るんだよ」
「あーい」
「ぱぱ、まままもるおうじさまみたいね」
「カッコイイ?」
「「かっくいーーー!!」」
玄関まで見送りに来た双子は繋いだトヨさんの手をブンブン振り回す勢いできゃっきゃとはしゃぎ、その様子は寂しさからのぐずつきを欠片も見せない。そんなとてもいい子達に我が子ながら感動しそれぞれの頭を撫でると、途端天使の笑顔が返ってくる。
「はぁ~、楓真くんうちの子達本当に天使だね…」
「こんな天使を二人もこの世に産み落としたつかささんは大天使様ですね」
「はいはい親バカお二人さん行くよ~」
既に玄関の扉を開けて待つ楓珠さんに呼ばれ、慌てて行ってきますと手を振ると楓真くんにエスコートされながら楓珠さんの後を追う。
トヨさんとその両脇に立ち手を振るふぅくんつぅくん、その三人に見守られながら御門邸の前にとまる迎えのリムジンに乗り込むのだった。
22
あなたにおすすめの小説
サクラメント300
朝顔
BL
アルファの佐倉は、過去に恋人を傷つけたことで、贖罪のための人生を送ってきた。
ある日不運な偶然が重なって、勤務先のビルのエレベーターに閉じ込められてしまった。
そこで一緒に閉じ込められたアルファの男と仲良くなる。
お互い複雑なバース性であったため、事故のように体を重ねてしまう。
ただの偶然の出会いのように見えたが、それぞれが赦しを求めて生きてきた。
贖罪の人生を選んだ佐倉が、その先に見つける幸せとは……
春らしく桜が思い浮かぶようなお話を目指して、赦しをテーマに書いてみました。
全28話 完結済み
⭐︎規格外フェロモンα×元攻めα
⭐︎主人公受けですが、攻め視点もあり。
※オメガバースの設定をお借りして、オリジナル要素を入れています。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
【完結】エデンの住処
社菘
BL
親の再婚で義兄弟になった弟と、ある日二人で過ちを犯した。
それ以来逃げるように実家を出た椿由利は実家や弟との接触を避けて8年が経ち、モデルとして自立した道を進んでいた。
ある雑誌の専属モデルに抜擢された由利は今をときめく若手の売れっ子カメラマン・YURIと出会い、最悪な過去が蘇る。
『彼』と出会ったことで由利の楽園は脅かされ、地獄へと変わると思ったのだが……。
「兄さん、僕のオメガになって」
由利とYURI、義兄と義弟。
重すぎる義弟の愛に振り回される由利の運命の行く末は――
執着系義弟α×不憫系義兄α
義弟の愛は、楽園にも似た俺の住処になるのだろうか?
◎表紙は装丁cafe様より︎︎𓂃⟡.·
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。
黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
勘違いへたれアルファと一途つよかわオメガ──ずっと好きだったのは、自分だけだと思ってた
星群ネオン
BL
幼い頃に結婚の約束をした──成長とともにだんだん疎遠になったアルファとオメガのお話。
美しい池のほとりで出会ったアルファとオメガはその後…。
強くてへたれなアルファと、可愛くて一途なオメガ。
ありがちなオメガバース設定です。Rシーンはありません。
実のところ勘違いなのは二人共とも言えます。
α視点を2話、Ω視点を2話の後、その後を2話の全6話完結。
勘違いへたれアルファ 新井裕吾(あらい・ゆうご) 23歳
一途つよかわオメガ 御門翠(みがと・すい) 23歳
アルファポリス初投稿です。
※本作は作者の別作品「きらきらオメガは子種が欲しい!~」や「一生分の恋のあと~」と同じ世界、共通の人物が登場します。
それぞれ独立した作品なので、他の作品を未読でも問題なくお読みいただけます。
有能課長のあり得ない秘密
みなみ ゆうき
BL
地方の支社から本社の有能課長のプロジェクトチームに配属された男は、ある日ミーティングルームで課長のとんでもない姿を目撃してしまう。
しかもそれを見てしまったことが課長にバレて、何故か男のほうが弱味を握られたかのようにいいなりになるはめに……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる