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魔法少女
チャッピー
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時間は少し遡り、咲が繁華街でセクハラ男に銃を向けている頃。
1階の両親が眠っている事を確認して、瀬戸舞花は2階の自室に戻った。
「お父さんもお母さんも眠ってたよ、チャッピー」
灯りを消した部屋で、彼女が話し掛けたチャッピーがカーテンの裏から出て来た。
チャッピーが来る時は、敵の反応があった時。今も教えに来てくれていた。
そのチャッピーは栄養が足りていない様で、アバラ骨の浮き出た不健康そうなウサギだ。
「ごはん、いる?」
お腹が空いているのではないかと思い、そう聞いてみたが、
「いや、栄養は足りている」
そっけなく返された。ウサギとは思えないほどのバリトーンボイスで。
チャッピーと舞花の出会いは半年と少し前。飼育係だった舞花が掃除のためにウサギ小屋に入ると、1匹のウサギが仲間外れの様になっていた。6匹いるうちの5匹が一か所に固まり、1匹だけがそれを眺めていた。
いじめられているのだろうか。そう考えた舞花は仲間外れのウサギ、チャッピーに話し掛けた。
「昨日まで仲良かったのに、なんでケンカしちゃったの?」
ウサギの喧嘩の仲裁などやったことは無いので、無意味だろうと知りつつも話し掛けてみる。
「喧嘩では無く怯えだ。動物の勘だろう。私を異質と見抜いたのだ」
小学生と言えど、ウサギが喋らないことぐらい理解できる年齢には達している。自分の常識から外れたウサギを前に、彼女は悲鳴を上げる余裕も無く尻餅をついた。
「な、何でウサギが喋るの?」
喋るウサギに対し、ときめきよりも恐怖が来た。ウサギに似つかわしくない男性の低音の声に依ることも大きいのだろう。
「私はウサギでは無い。そして、ある使命を帯びているのだ」
そして、チャッピーは話し始めた。
自分はチャッピーでは無く、エキックというパンドラを通って来た、地球とは全く別の生態系の生物だという事。
エキックは、寄生という形で宿主に力を分け与えられる。それ故に、地球に現れた脅威は、人を襲うだけでは無くエキック達も襲い、更なる力を欲した。
「なので、私と共にアイツらを倒してくれる人間を探していたんだが、どうだろう。私と共に戦ってくれないか?」
そう持ちかけられた彼女は考え決意した。今まで怯える事しかできなかった自分。抵抗する力も無く、目をつけられれば簡単に死んでしまう弱い自分。それを打ち払えるだけの力で悪者を倒せる自分。
考えるだけで嬉しくなった。
最初は1人だったが、同じクラスの泉未菜・神崎美琴・小林亜紀を仲間に向かえ、次々と敵を倒した。危険もあったが、仲間と力を合わせれば倒せない敵などいなかった。
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そのチャッピーは栄養が足りていない様で、アバラ骨の浮き出た不健康そうなウサギだ。
「ごはん、いる?」
お腹が空いているのではないかと思い、そう聞いてみたが、
「いや、栄養は足りている」
そっけなく返された。ウサギとは思えないほどのバリトーンボイスで。
チャッピーと舞花の出会いは半年と少し前。飼育係だった舞花が掃除のためにウサギ小屋に入ると、1匹のウサギが仲間外れの様になっていた。6匹いるうちの5匹が一か所に固まり、1匹だけがそれを眺めていた。
いじめられているのだろうか。そう考えた舞花は仲間外れのウサギ、チャッピーに話し掛けた。
「昨日まで仲良かったのに、なんでケンカしちゃったの?」
ウサギの喧嘩の仲裁などやったことは無いので、無意味だろうと知りつつも話し掛けてみる。
「喧嘩では無く怯えだ。動物の勘だろう。私を異質と見抜いたのだ」
小学生と言えど、ウサギが喋らないことぐらい理解できる年齢には達している。自分の常識から外れたウサギを前に、彼女は悲鳴を上げる余裕も無く尻餅をついた。
「な、何でウサギが喋るの?」
喋るウサギに対し、ときめきよりも恐怖が来た。ウサギに似つかわしくない男性の低音の声に依ることも大きいのだろう。
「私はウサギでは無い。そして、ある使命を帯びているのだ」
そして、チャッピーは話し始めた。
自分はチャッピーでは無く、エキックというパンドラを通って来た、地球とは全く別の生態系の生物だという事。
エキックは、寄生という形で宿主に力を分け与えられる。それ故に、地球に現れた脅威は、人を襲うだけでは無くエキック達も襲い、更なる力を欲した。
「なので、私と共にアイツらを倒してくれる人間を探していたんだが、どうだろう。私と共に戦ってくれないか?」
そう持ちかけられた彼女は考え決意した。今まで怯える事しかできなかった自分。抵抗する力も無く、目をつけられれば簡単に死んでしまう弱い自分。それを打ち払えるだけの力で悪者を倒せる自分。
考えるだけで嬉しくなった。
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