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脱出
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時は平成ーーーー人々は平和に過ごしていると思われた。
しかし、地獄界で現世と死後の狭間にある結界が外れ、鬼達が人間界へ出ていってしまった。
だが5人の戦士達の力により、多くの鬼達が地獄界へ再び封印された。
彼らもまた鬼達によって命を落とした犠牲者だが、
命を落とした際、人とはかけ離れた力と属性を持ち、鬼達と対抗する事が出来た。
ある日鬼退治の最中、彼らが住む亡きヶ原(修羅と現世の間の世界)が何者かに襲撃されて5人の戦士達は撤退し、バラバラになってしまった。
そんな中、唯一妖力を持つ1人の青年が仲間を探しに森をさ迷っていた。
「はぁ…道に迷ってしまった。」
大きな薙刀を携え、白い僧侶袴を身にまとって不安そうにため息を付いているこの男、梢魁(しょうかい)こそがこの物語の主人公である。
「皆どこに行ったんだ?家もないし、このままじゃホームレスになるじゃん...」
ブツブツ独り言を言う梢魁。
頼りないが、鬼の手を出す妖力を持つ強者である。
「せめて楓さんだけでも出てきてくれないかな…」
「何1人でブツブツ言ってんだ?梢魁。」
「えっ?」
梢魁のいる背後の木の上を見ると黒い忍装束には不釣り合いな赤髪の女が梢魁を見下ろしていた。
やがてその女は自分の存在に気づいた事を合図に闇のオーラを纏って梢魁の前に降り立った。
「楓さぁぁぁぁん!!!生きてたんですね!!!」
「当たり前だ。腑抜け面した奴より先には逝かない。そして寄るな。」
「相変わらず冷たい…楓さんらしいです…」
「それより梢魁の方もまだ他の奴らは見つかって無いようだな。」
「はい...楓さん何か手がかりはありますか?」
「私も皆を探してはいるが、有力な情報がない。ただ....」
普段から冷静沈着な楓だが、珍しく言葉濁していた。
楓は続けた。
「私達の家を襲撃した奴らは鬼では無いことは確認できた。」
「えっ…?」
「撤退した時に僅かだが人の気配がした。忍かもしれない。」
「そんな...」
2人の間に沈黙が続いた。そしてーーー
「行くぞ、梢魁。」
楓が切り出した。
「ここでグズグズしてても仕方ない。一刻も早く他の奴らを見つけて黒幕を突き止めるしかない。」
「分かりました...行きましょう。」
2人は森を出るために歩き始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1時間後ーーーー
「かえ...でさん....ちょっと休憩しませんか?疲れました....」
森を出て集落の手前で梢魁が切り出した。
「...情けない奴だな…私は集落を調べてくる。そこで待ってろ。」
楓は梢魁にそう言い残し、黒い煙に包まれて消えていった。
「相変わらず元気ですね......」
梢魁は近くにあった石に腰掛けて空を見上げた。
死後の世界ーーーーー
皆絶望で憔悴しきっていたが、
それぞれの能力を活かして皆で力を合わせて過ごしてきた。
なのにまた壊されようとしている。
さっき楓さんは忍びがいたと言っていた。
この世界で忍びは楓さんのみだと思っていたが
他にもいるのだろうか?
楓さんは普段は冷たいけど
1番支えてくれている。
何より俺の元バイトの先輩で真面目で優しい人だ。
そんな人が裏切るはずがない。
「あーもう分からない!」
「梢魁、また独り言か?」
「!!!!!......楓さん...気配消して近づかないでください。心臓に悪いです」
「魂だけの存在が何言ってんだ?見つけたから連れてきたぞ。」
「...............あっ。」
ーーーーーーーーーーーーー続く
しかし、地獄界で現世と死後の狭間にある結界が外れ、鬼達が人間界へ出ていってしまった。
だが5人の戦士達の力により、多くの鬼達が地獄界へ再び封印された。
彼らもまた鬼達によって命を落とした犠牲者だが、
命を落とした際、人とはかけ離れた力と属性を持ち、鬼達と対抗する事が出来た。
ある日鬼退治の最中、彼らが住む亡きヶ原(修羅と現世の間の世界)が何者かに襲撃されて5人の戦士達は撤退し、バラバラになってしまった。
そんな中、唯一妖力を持つ1人の青年が仲間を探しに森をさ迷っていた。
「はぁ…道に迷ってしまった。」
大きな薙刀を携え、白い僧侶袴を身にまとって不安そうにため息を付いているこの男、梢魁(しょうかい)こそがこの物語の主人公である。
「皆どこに行ったんだ?家もないし、このままじゃホームレスになるじゃん...」
ブツブツ独り言を言う梢魁。
頼りないが、鬼の手を出す妖力を持つ強者である。
「せめて楓さんだけでも出てきてくれないかな…」
「何1人でブツブツ言ってんだ?梢魁。」
「えっ?」
梢魁のいる背後の木の上を見ると黒い忍装束には不釣り合いな赤髪の女が梢魁を見下ろしていた。
やがてその女は自分の存在に気づいた事を合図に闇のオーラを纏って梢魁の前に降り立った。
「楓さぁぁぁぁん!!!生きてたんですね!!!」
「当たり前だ。腑抜け面した奴より先には逝かない。そして寄るな。」
「相変わらず冷たい…楓さんらしいです…」
「それより梢魁の方もまだ他の奴らは見つかって無いようだな。」
「はい...楓さん何か手がかりはありますか?」
「私も皆を探してはいるが、有力な情報がない。ただ....」
普段から冷静沈着な楓だが、珍しく言葉濁していた。
楓は続けた。
「私達の家を襲撃した奴らは鬼では無いことは確認できた。」
「えっ…?」
「撤退した時に僅かだが人の気配がした。忍かもしれない。」
「そんな...」
2人の間に沈黙が続いた。そしてーーー
「行くぞ、梢魁。」
楓が切り出した。
「ここでグズグズしてても仕方ない。一刻も早く他の奴らを見つけて黒幕を突き止めるしかない。」
「分かりました...行きましょう。」
2人は森を出るために歩き始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1時間後ーーーー
「かえ...でさん....ちょっと休憩しませんか?疲れました....」
森を出て集落の手前で梢魁が切り出した。
「...情けない奴だな…私は集落を調べてくる。そこで待ってろ。」
楓は梢魁にそう言い残し、黒い煙に包まれて消えていった。
「相変わらず元気ですね......」
梢魁は近くにあった石に腰掛けて空を見上げた。
死後の世界ーーーーー
皆絶望で憔悴しきっていたが、
それぞれの能力を活かして皆で力を合わせて過ごしてきた。
なのにまた壊されようとしている。
さっき楓さんは忍びがいたと言っていた。
この世界で忍びは楓さんのみだと思っていたが
他にもいるのだろうか?
楓さんは普段は冷たいけど
1番支えてくれている。
何より俺の元バイトの先輩で真面目で優しい人だ。
そんな人が裏切るはずがない。
「あーもう分からない!」
「梢魁、また独り言か?」
「!!!!!......楓さん...気配消して近づかないでください。心臓に悪いです」
「魂だけの存在が何言ってんだ?見つけたから連れてきたぞ。」
「...............あっ。」
ーーーーーーーーーーーーー続く
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