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翻弄
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「続けろよ」
「……っ、ぁ、…」
…長い足を組み、一人用ソファーに深く腰を掛け、頬杖をついた野良に見下ろされている。
地毛の薄茶色がかったサラサラな髪。
整った顔に氷の冷気を感じさせるほどの冷めた表情を浮かべ、”それ”に視線を落とす。
床にへたりこむようにして座っている俺の手にあるのは、野良のTシャツだ。
加えて、…昔…”中学生の時に野良につけられた首輪”をつけ、自慰行為をしていたことまでばれてしまった。
家のカギを締め忘れていたせいで、最悪のタイミングで見られた。
「見ててあげるから、やっていいよ」
「…っ、ぁ゛、の、俺、っ」
「言う通りにしないなら、今の姿を撮って外にばらまいてやろうか?」
「っ゛、」
冗談ではないことは、すぐにわかった。
従わない俺に対し、スマホを片手に持つ。
躊躇なく、その指が動くのが見えた。
選択肢なんて、なかった。
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