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第七話『魂の叫び! シャウトラバー誕生!』
その1 抑え切れない恋心
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第七話『魂の叫び! シャウトラバー誕生!』
その1 抑え切れない恋心
teller:小枝 拓海
「拓海くんっ!」
いつもの秘密基地の扉を開けると、弾んだ声がオレにぶつけられた。
少し面食らっていると、ソファに座ってにこにこと喜びを隠しきれない表情を浮かべている千雪と目が合った。
なんだか今日の千雪は、いつも以上に機嫌が良い。
千雪は小首を傾げながら、どこか得意気に笑う。
「ねえねえ、今日は私、拓海くんが起こしてくれなくても起きれたんだよ。凄くない? 偉くない?」
その姿は、さながら褒められるのを待っている飼い犬のようで。
なんか、千雪にケモノの耳と尻尾が生えているような錯覚さえした。
起きれた、っつーか、そもそもここで寝んなよ。
そう思いはしたけれど、こんな千雪を前に小言を言う気にもなれなくて。
「あー、はいはい。凄い凄い」
適当な調子でそう述べて、千雪に近付き頭をわしゃわしゃとやや乱暴に撫で回してやる。
すると千雪は『えへへ』なんて言いながら嬉しそうに表情を綻ばせた。
心臓が、ぎゅうっと締め付けられて息が詰まりそうになる。
何でこんなに可愛いんだよ、お前。
こういう風にオレに甘えてくる千雪を見ると、ほんとにオレより四つも年上なのかと疑いたくなる。
だけど、オレたちの間に確かにある年の差という壁は事実で。
どれだけ頑張って背伸びしても、四年の差は埋められない。
それが無性に悔しかったけど、千雪はきっとそんなの気にしてない。
オレのこと、対等な友達だと思ってくれてると思う。
友達止まりなのはそれはそれで悔しいけれど、理由はどうあれ千雪の近くにいられることは、それ以上に嬉しかった。
◆
「たっくん、最近楽しそうだね」
居間のソファで寝転んで携帯を弄っていたら、風呂から上がったパジャマ姿のねーちゃんがほわっとした笑顔のままオレに声をかけてきた。
ねーちゃんの言葉に顔を上げ、身体を起こす。
そう言うねーちゃんだって、何でか大分楽しそうにオレを見てるけど。
オレが何の話だ、と首を傾げていると、付け足すようにねーちゃんが言った。
「携帯見てる時とか、凄くにこにこしてるから」
携帯。
そこで、うっかりねーちゃんの前で千雪とのメッセージのやり取りをしてしまっていたことをようやく思い出す。
オレのバカ、何で油断してんだ。
部屋に籠ってればいいのに、何でわざわざねーちゃんに隙なんて見せてんだ。
いくらねーちゃんが鈍いからって、こんなの恥ずかしいにも程がある。
オレ、一体ねーちゃんの前でどんな顔しちまってたんだろう。
そう考えると、自分の顔がじわじわと赤くなるのがわかった。
「べ、別に、あんなやつと色々話せるから舞い上がってるわけじゃねーからな!」
「……ふえ?」
衝動的に、中途半端に起こしていた身体を完全に起こし立ち上がる。
きょとんとしているねーちゃんを見下ろし、勢いに任せて怒鳴る。
「あ、あんな女、別にどうとも思ってねーし! す、すすす好きとか……そんなんじゃねーし!」
そこまで捲し立てて、ねーちゃんが呆然としていることに気付きはっと我に返る。
オレの馬鹿野郎。
自分から墓穴掘ってどうすんだよ。
ここに鈴原サンやクソコウモリがいたら絶対すっげー弄られてたな。
ねーちゃんと二人きりの時で良かった。
多分まだ痛恨のミスには至っていない。
けど、恥ずかしいもんは恥ずかしい。
「も、もう寝る! おやすみ!」
叫ぶように言って、ぽかんと立ち尽くすねーちゃんを置いてどたどたと階段を駆け上り、自分の部屋に引きこもる。
やがてドアを背に、オレはずるずるとその場に崩れ落ちた。
心臓が、どくんどくんと高鳴っている。
どうとも思ってないなんて、嘘だ。
めちゃくちゃ大事に思ってるし、めちゃくちゃ意識してるし、っていうか好きだし。
はあ、と溜息が零れる。
何でオレ、まだガキなんだろう。
あとどれだけ大人になれば、オレは千雪に好きだって言えるんだろう。
千雪を守ってやれるんだろう。
……どうすればオレは、千雪とずっと一緒にいられるんだろう。
第七話『魂の叫び! シャウトラバー誕生!』
その1 抑え切れない恋心
teller:小枝 拓海
「拓海くんっ!」
いつもの秘密基地の扉を開けると、弾んだ声がオレにぶつけられた。
少し面食らっていると、ソファに座ってにこにこと喜びを隠しきれない表情を浮かべている千雪と目が合った。
なんだか今日の千雪は、いつも以上に機嫌が良い。
千雪は小首を傾げながら、どこか得意気に笑う。
「ねえねえ、今日は私、拓海くんが起こしてくれなくても起きれたんだよ。凄くない? 偉くない?」
その姿は、さながら褒められるのを待っている飼い犬のようで。
なんか、千雪にケモノの耳と尻尾が生えているような錯覚さえした。
起きれた、っつーか、そもそもここで寝んなよ。
そう思いはしたけれど、こんな千雪を前に小言を言う気にもなれなくて。
「あー、はいはい。凄い凄い」
適当な調子でそう述べて、千雪に近付き頭をわしゃわしゃとやや乱暴に撫で回してやる。
すると千雪は『えへへ』なんて言いながら嬉しそうに表情を綻ばせた。
心臓が、ぎゅうっと締め付けられて息が詰まりそうになる。
何でこんなに可愛いんだよ、お前。
こういう風にオレに甘えてくる千雪を見ると、ほんとにオレより四つも年上なのかと疑いたくなる。
だけど、オレたちの間に確かにある年の差という壁は事実で。
どれだけ頑張って背伸びしても、四年の差は埋められない。
それが無性に悔しかったけど、千雪はきっとそんなの気にしてない。
オレのこと、対等な友達だと思ってくれてると思う。
友達止まりなのはそれはそれで悔しいけれど、理由はどうあれ千雪の近くにいられることは、それ以上に嬉しかった。
◆
「たっくん、最近楽しそうだね」
居間のソファで寝転んで携帯を弄っていたら、風呂から上がったパジャマ姿のねーちゃんがほわっとした笑顔のままオレに声をかけてきた。
ねーちゃんの言葉に顔を上げ、身体を起こす。
そう言うねーちゃんだって、何でか大分楽しそうにオレを見てるけど。
オレが何の話だ、と首を傾げていると、付け足すようにねーちゃんが言った。
「携帯見てる時とか、凄くにこにこしてるから」
携帯。
そこで、うっかりねーちゃんの前で千雪とのメッセージのやり取りをしてしまっていたことをようやく思い出す。
オレのバカ、何で油断してんだ。
部屋に籠ってればいいのに、何でわざわざねーちゃんに隙なんて見せてんだ。
いくらねーちゃんが鈍いからって、こんなの恥ずかしいにも程がある。
オレ、一体ねーちゃんの前でどんな顔しちまってたんだろう。
そう考えると、自分の顔がじわじわと赤くなるのがわかった。
「べ、別に、あんなやつと色々話せるから舞い上がってるわけじゃねーからな!」
「……ふえ?」
衝動的に、中途半端に起こしていた身体を完全に起こし立ち上がる。
きょとんとしているねーちゃんを見下ろし、勢いに任せて怒鳴る。
「あ、あんな女、別にどうとも思ってねーし! す、すすす好きとか……そんなんじゃねーし!」
そこまで捲し立てて、ねーちゃんが呆然としていることに気付きはっと我に返る。
オレの馬鹿野郎。
自分から墓穴掘ってどうすんだよ。
ここに鈴原サンやクソコウモリがいたら絶対すっげー弄られてたな。
ねーちゃんと二人きりの時で良かった。
多分まだ痛恨のミスには至っていない。
けど、恥ずかしいもんは恥ずかしい。
「も、もう寝る! おやすみ!」
叫ぶように言って、ぽかんと立ち尽くすねーちゃんを置いてどたどたと階段を駆け上り、自分の部屋に引きこもる。
やがてドアを背に、オレはずるずるとその場に崩れ落ちた。
心臓が、どくんどくんと高鳴っている。
どうとも思ってないなんて、嘘だ。
めちゃくちゃ大事に思ってるし、めちゃくちゃ意識してるし、っていうか好きだし。
はあ、と溜息が零れる。
何でオレ、まだガキなんだろう。
あとどれだけ大人になれば、オレは千雪に好きだって言えるんだろう。
千雪を守ってやれるんだろう。
……どうすればオレは、千雪とずっと一緒にいられるんだろう。
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