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第七話『魂の叫び! シャウトラバー誕生!』
その3 目撃
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第七話『魂の叫び! シャウトラバー誕生!』
その3 目撃
teller:小枝 こずえ
今日の晩ご飯の買い物を終えて、スーパーの袋を提げてまだ明るい空の下を歩く。
鈴原くんは今日は部活があると言ってたから、沢山食べるのかもしれない。
一方でたっくんは部活は休みだけど、今日は何を作ろうかな。
ゼロットさんは、何を食卓に出せば喜んでくれるかな。
たっくん、鈴原くん、ゼロットさんと囲む賑やかな食卓。
お父さんとお母さんが相変わらず帰って来ないのは寂しかったけれど、これはこれでかけがえのない時間になっていた。
胸がぽかぽか、あったかくなる。
鈴原くん、愛歌ちゃん、詩織ちゃんと友達になれて、芹沢さんも協力すると言ってくれて。
気がつけば、私は沢山の優しい人に囲まれている。
なんて、幸せなんだろう。
そう、一人なのにふと笑いそうになったところで。
思わず足を止めてしまった。
というか、固まってしまった。
視界に、見慣れた人影と見慣れない人影が映ったからだ。
一人は、たっくん。
部活が休みだから、今日はクラスの友達と遊んでいるのかな、と思っていた。
だけど、彼の隣に居たのは艶やかな黒くて長い髪をハーフアップに纏めた、セーラー服を着ていて、たっくんと同じくらいの背丈の凄く綺麗な女の人。
二人は楽しそうに、朗らかに笑い合って並んで歩いている。
え、うそ。
脳の処理が追い付かない。
今、私の目の前で何が起きてるんだろう。
だってたっくんは凄く恥ずかしがり屋さんで、女の子が昔から苦手で、あんな風に女の人と楽しそうに話しているたっくんを見るのは生まれて初めてで。
確かにたっくんならすぐに彼女さんができそうだよなあとはぼんやり思っていたけど、まさか、こんなに早く。
気付けば私は、携帯電話を手にしていた。
完全に混乱していた。
誰かにこの気持ちを聞いてほしかった。
そうすることで落ち着きたいだけだった。
かけた先は、愛歌ちゃんの番号。
数コール鳴ってから、愛歌ちゃんの可愛らしい声が電話口から聞こえて来た。
『もしもーし! こずこず、どうしたのー?』
「ま……愛歌ちゃん……」
たっくんと彼女さんに気付かれないよう二人の後を追いながら、私は震えた声を上げる。
まるで尾行しているみたいで、罪悪感はかなり沸いた、けれど。
「た……たっくんが……綺麗な女の人と、デートしてる……」
すう、はあ、と数回深呼吸をしてから私は私が目にしている真実を愛歌ちゃんに告げる。
しばらく、静寂が私と愛歌ちゃんの間を支配した。
うう、どうしよう。
いきなり、こんなこと言われても愛歌ちゃん、困っちゃうよね……。
『う、えええええええええええ!?』
電話の向こうから、物凄く大きな声が聞こえ、びくっと肩が跳ねる。
たっくん達に聞こえていないか、と不安に思ったけれど、どうやらそんな心配は杞憂に終わったようで、二人は和気藹々と話しながらゲームセンターに入って行った。
その様子を窺いながら耳を澄ますと、愛歌ちゃんが何やら興奮気味に捲し立ててくるのが聞こえる。
『え、え!? たっくんに彼女さん!? しかも美人さん!? 何それ何それ!? 初耳だよ!? こずこず、今どこにいるの!?』
「え? え、えっと……『シュライ』っていうゲームセンターの前……」
『あ、そこ知ってる! オッケー! こずこずはそのまま尾行続けて! あたしもしぃちゃんに連絡して合流する!』
「え? 尾行? あの、愛歌ちゃ――」
『じゃ、こずこずー! また後でねー!』
私が何かを言う隙もなく、愛歌ちゃんは電話をぷつりと切ってしまった。
どうしよう、もしかして、本格的に尾行する話になっちゃった?
……た、たっくん、ごめんなさい。
私の混乱のせいで、たっくんを物凄く困らせてしまうかもしれません……。
第七話『魂の叫び! シャウトラバー誕生!』
その3 目撃
teller:小枝 こずえ
今日の晩ご飯の買い物を終えて、スーパーの袋を提げてまだ明るい空の下を歩く。
鈴原くんは今日は部活があると言ってたから、沢山食べるのかもしれない。
一方でたっくんは部活は休みだけど、今日は何を作ろうかな。
ゼロットさんは、何を食卓に出せば喜んでくれるかな。
たっくん、鈴原くん、ゼロットさんと囲む賑やかな食卓。
お父さんとお母さんが相変わらず帰って来ないのは寂しかったけれど、これはこれでかけがえのない時間になっていた。
胸がぽかぽか、あったかくなる。
鈴原くん、愛歌ちゃん、詩織ちゃんと友達になれて、芹沢さんも協力すると言ってくれて。
気がつけば、私は沢山の優しい人に囲まれている。
なんて、幸せなんだろう。
そう、一人なのにふと笑いそうになったところで。
思わず足を止めてしまった。
というか、固まってしまった。
視界に、見慣れた人影と見慣れない人影が映ったからだ。
一人は、たっくん。
部活が休みだから、今日はクラスの友達と遊んでいるのかな、と思っていた。
だけど、彼の隣に居たのは艶やかな黒くて長い髪をハーフアップに纏めた、セーラー服を着ていて、たっくんと同じくらいの背丈の凄く綺麗な女の人。
二人は楽しそうに、朗らかに笑い合って並んで歩いている。
え、うそ。
脳の処理が追い付かない。
今、私の目の前で何が起きてるんだろう。
だってたっくんは凄く恥ずかしがり屋さんで、女の子が昔から苦手で、あんな風に女の人と楽しそうに話しているたっくんを見るのは生まれて初めてで。
確かにたっくんならすぐに彼女さんができそうだよなあとはぼんやり思っていたけど、まさか、こんなに早く。
気付けば私は、携帯電話を手にしていた。
完全に混乱していた。
誰かにこの気持ちを聞いてほしかった。
そうすることで落ち着きたいだけだった。
かけた先は、愛歌ちゃんの番号。
数コール鳴ってから、愛歌ちゃんの可愛らしい声が電話口から聞こえて来た。
『もしもーし! こずこず、どうしたのー?』
「ま……愛歌ちゃん……」
たっくんと彼女さんに気付かれないよう二人の後を追いながら、私は震えた声を上げる。
まるで尾行しているみたいで、罪悪感はかなり沸いた、けれど。
「た……たっくんが……綺麗な女の人と、デートしてる……」
すう、はあ、と数回深呼吸をしてから私は私が目にしている真実を愛歌ちゃんに告げる。
しばらく、静寂が私と愛歌ちゃんの間を支配した。
うう、どうしよう。
いきなり、こんなこと言われても愛歌ちゃん、困っちゃうよね……。
『う、えええええええええええ!?』
電話の向こうから、物凄く大きな声が聞こえ、びくっと肩が跳ねる。
たっくん達に聞こえていないか、と不安に思ったけれど、どうやらそんな心配は杞憂に終わったようで、二人は和気藹々と話しながらゲームセンターに入って行った。
その様子を窺いながら耳を澄ますと、愛歌ちゃんが何やら興奮気味に捲し立ててくるのが聞こえる。
『え、え!? たっくんに彼女さん!? しかも美人さん!? 何それ何それ!? 初耳だよ!? こずこず、今どこにいるの!?』
「え? え、えっと……『シュライ』っていうゲームセンターの前……」
『あ、そこ知ってる! オッケー! こずこずはそのまま尾行続けて! あたしもしぃちゃんに連絡して合流する!』
「え? 尾行? あの、愛歌ちゃ――」
『じゃ、こずこずー! また後でねー!』
私が何かを言う隙もなく、愛歌ちゃんは電話をぷつりと切ってしまった。
どうしよう、もしかして、本格的に尾行する話になっちゃった?
……た、たっくん、ごめんなさい。
私の混乱のせいで、たっくんを物凄く困らせてしまうかもしれません……。
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