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第九話『愛歌トキメキ! 千雪にアコガレ熱視線!』
その3 憧れと罪悪感
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第九話『愛歌トキメキ! 千雪にアコガレ熱視線!』
その3 憧れと罪悪感
teller:秋風 千雪
何だろう。
物凄く、ものすごーく視線を感じる。
今日は、サポート役三人組が全員部活に励んでいる。
詩織ちゃんも美術部の活動があるそうで、こずえちゃんも晩ご飯の買い出しでここにはいない。
だから、秘密基地で一人、少年漫画雑誌でも読んで過ごそうかと思ったのに。
突然、カーニバルラバー、星野愛歌ちゃんが遊びに来た。
今、いつもの応接室には、私と愛歌ちゃんの二人きり。
だから、視線の主は必然的に愛歌ちゃんってことになるんだけれども。
漫画から目を離してちら、と愛歌ちゃんを見やると、愛歌ちゃんはやたらきらきらした瞳でこちらを見ていた。
なんか、視線が眩しい。
「ねえねえ、千雪さん!」
とうとう、声をかけられた。
随分と声が弾んでいる。
この子は一体、何がそんなに楽しいのだろう。
「……何?」
「千雪さんって、普段はどんな服着てるのー?」
「……一番楽なのはTシャツと短パン」
「へー、スポーティ系だね! 素敵!」
そう言って、愛歌ちゃんはどこからか取り出したメモ帳にシャーペンを走らせる。
……いや、そこは『小学生男子か』って突っ込んでもいいから。
感心しないでいいから。
私が何とも言えずにいると、愛歌ちゃんは身を乗り出して私に顔を近付けて、さらにぐいぐい来る。
「じゃあ、こだわりのファッションとか、ファッションのポイントとかコツとかある!?」
「……ないよ。っていうかわかんないよ。そういうの、興味ないし」
「じゃあじゃあ、モデルの仕事のやりがいって――」
「――だから、ないってば!!」
つい、大声を上げてしまった。
突っぱねるように、突き放すように。
言ってから、はっとする。
何で勝手にイライラしてるんだろう、私。
確かにモデルのことについて触れられるのは地雷だったけど、嫌だったけど、こんな年下の女の子に向かって、みっともない。
年下とは言っても、愛歌ちゃんの方がずっと背は高いけど。
背が高くてスタイル抜群で愛嬌もある愛歌ちゃんの方が、私なんかよりずっとモデルに相応しいんじゃないかと一瞬思った。
「……ごめん、大声出して」
「ううん! ぜーんぜん!」
謝っても、愛歌ちゃんは全く気にせずにこにこしてる。
どうも、この子は苦手だ。
調子が狂うっていうか、どう接すればいいのか良くわからない。
こっちのペースが、搔き乱される。
「……モデル、気になるの?」
ぽつり、と訊ねてみる。
愛歌ちゃんはやっぱり曇りのない笑顔で言った。
「うん! だってあたし、千雪さんのことがもっと知りたいもん! 千雪さん美人だし、モデルっていうちゃんとしたお仕事してるし、あたしの憧れなんだ!」
憧れ。
その台詞を聞いた瞬間、胸が確かにずきりと痛んだ。
これは、罪悪感だ。
私はそんな憧れられていいような存在じゃない。
やりたくもないモデル、どういうわけか不本意ながら集めてしまう注目。
私は、こんな風に、愛歌ちゃんみたいな純粋な女の子をこれまでずっと騙してきたんだろうか。
そう考えると、胸が痛くて痛くて、少し気を抜けば泣きそうで。
私は漫画雑誌を放って、ソファの上で膝を抱えて顔を膝の間に埋めた。
愛歌ちゃんの、純真無垢な眼差しから逃げるように。
こんなことしたって、何も変わらないことくらいわかっていたけれど。
第九話『愛歌トキメキ! 千雪にアコガレ熱視線!』
その3 憧れと罪悪感
teller:秋風 千雪
何だろう。
物凄く、ものすごーく視線を感じる。
今日は、サポート役三人組が全員部活に励んでいる。
詩織ちゃんも美術部の活動があるそうで、こずえちゃんも晩ご飯の買い出しでここにはいない。
だから、秘密基地で一人、少年漫画雑誌でも読んで過ごそうかと思ったのに。
突然、カーニバルラバー、星野愛歌ちゃんが遊びに来た。
今、いつもの応接室には、私と愛歌ちゃんの二人きり。
だから、視線の主は必然的に愛歌ちゃんってことになるんだけれども。
漫画から目を離してちら、と愛歌ちゃんを見やると、愛歌ちゃんはやたらきらきらした瞳でこちらを見ていた。
なんか、視線が眩しい。
「ねえねえ、千雪さん!」
とうとう、声をかけられた。
随分と声が弾んでいる。
この子は一体、何がそんなに楽しいのだろう。
「……何?」
「千雪さんって、普段はどんな服着てるのー?」
「……一番楽なのはTシャツと短パン」
「へー、スポーティ系だね! 素敵!」
そう言って、愛歌ちゃんはどこからか取り出したメモ帳にシャーペンを走らせる。
……いや、そこは『小学生男子か』って突っ込んでもいいから。
感心しないでいいから。
私が何とも言えずにいると、愛歌ちゃんは身を乗り出して私に顔を近付けて、さらにぐいぐい来る。
「じゃあ、こだわりのファッションとか、ファッションのポイントとかコツとかある!?」
「……ないよ。っていうかわかんないよ。そういうの、興味ないし」
「じゃあじゃあ、モデルの仕事のやりがいって――」
「――だから、ないってば!!」
つい、大声を上げてしまった。
突っぱねるように、突き放すように。
言ってから、はっとする。
何で勝手にイライラしてるんだろう、私。
確かにモデルのことについて触れられるのは地雷だったけど、嫌だったけど、こんな年下の女の子に向かって、みっともない。
年下とは言っても、愛歌ちゃんの方がずっと背は高いけど。
背が高くてスタイル抜群で愛嬌もある愛歌ちゃんの方が、私なんかよりずっとモデルに相応しいんじゃないかと一瞬思った。
「……ごめん、大声出して」
「ううん! ぜーんぜん!」
謝っても、愛歌ちゃんは全く気にせずにこにこしてる。
どうも、この子は苦手だ。
調子が狂うっていうか、どう接すればいいのか良くわからない。
こっちのペースが、搔き乱される。
「……モデル、気になるの?」
ぽつり、と訊ねてみる。
愛歌ちゃんはやっぱり曇りのない笑顔で言った。
「うん! だってあたし、千雪さんのことがもっと知りたいもん! 千雪さん美人だし、モデルっていうちゃんとしたお仕事してるし、あたしの憧れなんだ!」
憧れ。
その台詞を聞いた瞬間、胸が確かにずきりと痛んだ。
これは、罪悪感だ。
私はそんな憧れられていいような存在じゃない。
やりたくもないモデル、どういうわけか不本意ながら集めてしまう注目。
私は、こんな風に、愛歌ちゃんみたいな純粋な女の子をこれまでずっと騙してきたんだろうか。
そう考えると、胸が痛くて痛くて、少し気を抜けば泣きそうで。
私は漫画雑誌を放って、ソファの上で膝を抱えて顔を膝の間に埋めた。
愛歌ちゃんの、純真無垢な眼差しから逃げるように。
こんなことしたって、何も変わらないことくらいわかっていたけれど。
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