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第二話『私、ハーツ・ラバーになりたい!』
その8 ヒーロー、ヒロイン
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★魔闘少女ハーツ・ラバーズ!
第二話『私、ハーツ・ラバーになりたい!』
その8 ヒーロー、ヒロイン
teller:小枝拓海
ねーちゃんが、変なカッコになった。
あれが、ハーツ・ラバー?
マジで、ねーちゃん、あれで戦うのかよ、変な怪物と。
ねーちゃんの背中をぼうっと見つめて、立ち尽くす。
かけっこ遅くて、いっつもビリで、途中で転んで膝すりむいて泣いてばっかだったねーちゃんが、あんなにまっすぐに走ってる。
ほんとにねーちゃんかって思うくらい、すげー速くて。
びっくりして、頭が追い付かなくて。
――何、ぼけっとしてんだよ、オレ!
はっとして、慌ててねーちゃんを追いかける。
何で黙って行かせてんだ。
あれだけねーちゃんに怪我してほしくねえって思ってたのに。
何かっこつけてんだよ、ねーちゃんのくせに。
あんな風に笑ってんじゃねえよ。
怖いんじゃねえのかよ、途中で泣いてへこたれるんじゃねえのかよ。
ねーちゃんが戦うなんて、オレは想像すらできねえんだよ。
走って走って、さすがのオレも少し息切れしちまう。
体力には自信あんだけどな。
っつーか、ねーちゃんはあんだけ走って辛くねえのかよ。
ねーちゃん、あんなに走れねえはずだろ。
何で途中で足止めねえんだよ、何で息整えねえんだよ、何で転ばねえんだよ。
いっつも俯いてびくびくしてばっかだったくせに、何でひたすら前だけ見て走ってんだよ。
ねーちゃんの姿が、曲がり角の向こうへと消える。
それを追いかけてオレも走ったまま急カーブして。
そこで、目を見開いて息を呑んだ。
公園らしき広場の真ん中に、やたらデカい影がある。
何だ、あれ?
噴水?
にしては大きすぎる。
噴水のようなシルエットは、水をどばどば垂れ流しながらねーちゃんの前に立ち塞がっていて。
中心部には、顔のような物が浮かび上がっている。
あの怪物。
あれが、アニマっていうやつなのか?
「来やがったか、ブレイブラバー」
知らない男の声がして、視線を送る。
筋骨隆々のこれまたデカい男が、アニマの横に立っていた。
なんだ、あいつ。
変なカッコ。
男はねーちゃんの姿を見て鼻で笑う。
……なんかむかつく。
「昨日の戦いを見る限り、てめえの力は『炎』らしいからな。今日はこれで封じさせてもらうぜ」
「……でも、私、負けません。負けるわけには、いかないんです」
ねーちゃんが、呟く。
その声は、僅かに震えていた。
何だよ、やっぱ怖いんじゃねーのかよ。
無理してんじゃねーよ、ばか。
「そうかよ。だったら精々あがけや。おら、行け! アニマ!」
アニマが咆哮を上げる。
オレでも怯みそうなくらい、不快な轟音だった。
でも、ねーちゃんは。
ねーちゃんは、一瞬泣きそうな顔をしたけど、それでも一度目を閉じて、目を開けたら、何か覚悟を決めた顔で。
それから、アニマに向かって駆け出した。
嘘だろ。
ねーちゃんだぞ?
お化け屋敷とかホラー映画程度でもわんわん泣き出すねーちゃんが、あんな怪物相手に、何で立ち向かっていけんだよ。
オレが呆然としている間に、もっと衝撃的なことが起きた。
ねーちゃんが、アニマに殴り掛かった。
拳をグーに握り締めて、思いっ切り、アニマの顔の部分にパンチを叩きこんで。
アニマが吹っ飛び、宙に浮き、地面に勢い良くぶつかる。
ねーちゃんは、拳とアニマを交互に見つめ、息を切らせていた。
ねーちゃんが、殴った。
人にも、物にだって当たることのないねーちゃんが。
争いごとが嫌いで、傷つきたくないから、傷つけたくないから自分の気持ちも全部押し殺すねーちゃんが、殴った。
信じられなかった。
これも、全部守る為だっていうのかよ。
ねーちゃんの横顔を見つめて。
ああ、そうか。
わかってしまった。
今も押し殺しているんだ。
気持ちというか、恐怖心、みたいなもんを。
守る為に、オレ達の為に、ただそれだけの為に。
何で。
ぐ、と下唇を噛む。
何で、ねーちゃんなんだよ。
何でねーちゃんじゃなきゃいけねえんだよ。
別にねーちゃんじゃなくても良かっただろ、この役目。
ねーちゃんが何したって言うんだよ、何でねーちゃんが辛い思いしなくちゃなんねえんだよ。
ただただひたすらに悔しくて、むかついた。
オレが何にむかついてんのかはわかんない。
らしくもなく強がって頑張ってるねーちゃんに、かもしれねえし、ねーちゃんをそうさせてる運命に、かもしれねえ。
そうこうしている内に、ねーちゃんは、倒れてるアニマを一心不乱に殴ったり蹴ったりして、攻撃を叩きこんでいた。
早く終わってほしい、ねーちゃんの顔が、そう語っている。
戦いなんて、ねーちゃんは慣れてねえんだ。
どうすればパンチが効くか、キックはどうすればいいのかとか、全然わかってねえんだよ。
オレも、この戦いが早く終わってほしいと願ってしまう。
もう、辛い顔するねーちゃんは見たくない。
でも、そんなオレとねーちゃんの想いを踏みにじるように、アニマは起き上がって。
白い腕、のようなものを振り回してねーちゃんの胴体にぶち当てた。
「……っ、ねーちゃん!」
ねーちゃんの小さい体が勢い良く吹っ飛ぶ。
近くの幹にねーちゃんが叩きつけられて、そのまま地面に落っこちて、ねーちゃんが、げほ、げほ、と咳き込む。
もしかしたら泣いていたのかもしれねえ。
それでも、ねーちゃんは。
もう一度立ち上がって、アニマに向かって行った。
オレの知ってる、弱虫のねーちゃんじゃない。
アニマを殴って、殴って、逆に殴られて、地面にぶっ飛ばされて、怪我して。
なのに、また立ち上がって、戦って。
泣きそうな顔してるくせに、その目に宿る意志、みたいなのは強くて。
何で。
何で、何度も立ち上がるんだ。
何で、オレ、そんなねーちゃんを遠巻きに見てることしかできねえんだ。
何で、オレの体、動かねえんだ。
まるで、金縛りに遭ったみてえに。
怖い?
ねーちゃんは、もっとずっとオレより怖い思いしてんのに?
ふと、気づく。
アニマから、黒い霧のような物が漏れ出してることに。
ねーちゃんの表情に、一瞬安堵のような色が浮かぶ。
でもその直後、躊躇うような顔に変わった。
それを待っていた、とばかりに今まで静観していた男が笑い声を上げた。
「どうしたよ、出せばいいじゃねえか。てめえの『必殺技』。いいタイミングなんだろ?」
必殺技?
何のことだ。
ねーちゃんが、困ったように俯く。
「ははっ、わかってんよ! 出したくても出せねえんだろ!? てめえの必殺技は『炎』なんだ! てめえの力、この水で無効化してやんよ!」
ふらふらしているアニマに視線を向ける。
水が、顔の上の中心部、みたいな所から溢れ出てる。
あれがあるから、あれに消されるから、ねーちゃんは攻撃できねえのか?
あんなに、ねーちゃん頑張ったのに?
ここまで弱らせたのに?
倒れても倒れても、戦い続けたのに?
あの、ねーちゃんがだぞ?
ねーちゃんの方に視線を向ける。
躊躇ったせいか、困ったせいか、それまで必死に保っていた強い気持ちが緩んだらしい。
今にも、泣きそうな顔してる。
……ばかじゃねーの、ほんと。
気づいたら、オレは駆け出していた。
アニマの方へ、一直線に。
さっき公園に向かってた時のねーちゃんにだって負けない。
ただひたすら、まっすぐに。
「え……たっくん!?」
ねーちゃんの驚いた声が聴こえる。
んだよ、今更気づいたのかよ。
さっきもオレ、ねーちゃんのこと呼んだだろ。
でもそんなねーちゃんに振り返ってる余裕なんてない。
アニマの腕を掴んで、そのまま必死によじ登る。
振り落とされそうになるけど、知らねえよんなもん。
ねーちゃんがこんなに頑張ってんだよ。
ずっと一緒だったからわかんだよ。
ねーちゃんがめちゃくちゃ無理してるってことくらい。
……なのに、オレが何もしねえって、そんなのありえねーだろうが。
「くっそ! 止まれ、止まれ! 水、出んな!」
何とかアニマの上部へと辿り着き、水の出てる部分を踏みつけ、しゃがみ込み、必死でそこを殴る。
何度も何度も殴りつける。
水の勢いは強い。
殴ってるうちに少しだけ拳の皮が剥けて、傷に水がめちゃくちゃ染みる。
けど、それがなんだって言うんだ。
ぐりぐりと、足で押さえる、抑える。
殴る、殴る、殴る、殴る。
だんだん水の勢いが弱まってくるのがわかって、少しだけ息をついた頃。
「何ぼーっとしてんだ馬鹿!」
オレは、ねーちゃんに向かって怒鳴った。
視界の端で、ねーちゃんの肩がびくっと跳ねるのがわかった。
「ここまで来てビビってんじゃねえ! 泣いてんじゃねえ! 貫くって決めたなら貫けよ! やるって決めたんだろ、最後まで責任持てよ! そうじゃなきゃ最初からやるんじゃねえ!」
「たっくん……」
よし、水の勢いが、ちょろちょろしてきた。
オレなんかの力でも、水くらいならここまで止められることができるんだな。
「た、たっくん……その、水の勢いは……」
「ああ、大丈夫だ! もう止まった!」
「……っ、ありがとう! たっくん、危ないから退いて!」
ねーちゃんに言われるがまま、オレはアニマの上部から飛び降りる。
考えナシに飛び降りたから、背中を地面にしたたかに打ち付けたけど、別にもうどうだって良かった。
オレが避けると同時に、ねーちゃんがアニマに駆け寄って、両手をかざして。
「還って、エモーション! ハーツ・ラバー! バーニング・フォレスト!」
そうねーちゃんが叫ぶと、ねーちゃんの両手から真っ赤な炎が広がり、柱のようにアニマを包み込んで。
そのままアニマを焼き尽くし、アニマは黒い霧へと姿を変え、空気に溶けるように消えていった。
ねーちゃんが、力が抜けたようにへたりこむ。
……やったんだな、ねーちゃん。
上体を起こして、少しだけ、笑っちまった。
その時、オレはきっと油断してた。
大きな影が近寄っていることに。
「てめ、邪魔してんじゃねえよ!」
頬に衝撃が走る。
何かに、殴られたらしい。
起こしたはずの上体が、また地面に沈む。
見上げれば、そこにはアニマの傍にいた大男。
……やべえ、まだこいつが残ってたんだ。
「あんだよ、てめえは! 弱っちい一般人のくせに、いきなりしゃしゃり出てきて! ヒーロー気取ったつもりか!? ああ!?」
「……んなもん目指してねえよ。オレは、ねーちゃんを、弟として助けたかっただけだ」
「……はっ、弟ねえ。だったらハーツ・ラバー様のその大事なもんを、今オレがこの場で潰してやんよ!」
男が、足を振り上げる。
やっべ、んな太い足で蹴られたり踏まれたりしたら、オレどうなんだ。
ごめん、ねーちゃん。
オレ――。
「たっくんッ!!」
悲痛な叫びが聴こえたかと思えば、男の体が突然横に吹っ飛んだ。
いつの間にか、オレの前にいるのは、男じゃなくて、息を切らしたねーちゃん。
……ねーちゃんが、あのでかい男、殴ったのか?
体を宙には浮かせたものの、何とか倒れずに踏みとどまったらしい男が、ねーちゃんを睨みつける。
「……おい、ブレイブラバー。オレとは戦えないんじゃなかったのか?」
ねーちゃんが、呼吸を乱す。
その大きな瞳には、うっすら涙が滲んでいる。
それを拭って、ねーちゃんはきっ、と男を睨みつけた。
「私は……ちゃんと意思を持って行動している人を、ネスさんを攻撃することが、ネスさんと戦うことが、今も怖いです。いやです。でも、たっくんは人を傷つけるのが嫌いなのに、私を守る為にいつも拳を振るってくれた……!」
こんな時まで、オレのこと考えてんじゃねえよ、ばか。
「貴方がたっくんを……私の大切な弟を傷つけるなら! 私は貴方と、戦います!」
息を呑んだ。
こんなねーちゃん、初めて見る。
ネス、と呼ばれた男が大きく舌打ちをした。
「……だから、早い内に心を折っときゃ良かったんだ。アガペも、ナハトさんも、なんっもわかってねえ……!」
そう苛立たしげに呟くと、ネスがオレ達に背を向けて、そのまましゅっと姿を消した。
終わった、のか。
今度こそ。
「たっくん!」
ねーちゃんが座り込み、慌ててオレを抱き起こす。
その拍子に、ねーちゃんの変身も解けたようだった。
「た、たっくん……怪我……! ど、どうしよう、ゼロットさん、ゼロットさんを……ごめんね、たっくん、ごめんなさい、守るって決めたのに、言ったのに、私、私……!」
あーあ、ボロボロに泣いちまって。
なさけねーの。
台無しじゃねーか。
なんか、呆れ通り越して笑えてくるわ。
ゆっくりと起き上がり、服に着いた砂ぼこりを払う。
えぐえぐ泣いてるねーちゃんの頭に、くしゃっと手を置いた。
「オムライス」
「……ふえ?」
「今晩、オムライス作ってくれよ。ふわふわのやつ。それで全部、許してやる」
「え……そんな……そんなことで……」
「……昔も言っただろ。オレ、ねーちゃんの作るオムライスが、一番好きなんだ」
座り込んだまんまのねーちゃんに、手を差し伸べる。
ねーちゃんは、泣きながら、ぎこちなくその手をとって。
オレはその小さい手を、ぎゅっと握って。
なんか、昔に戻った気持ちになった。
◆
「……たっくん」
「ん?」
泣き止んで、少し落ち着いたねーちゃんと歩く帰り道。
オレの怪我はアニマ絡みだから、ゼロットとかいうあの黒いコウモリの力で治るらしい。
別に、わざわざ治さなくってもこんな怪我大したことねーけど。
「あの、ね。今日から、鈴原くんも、晩ごはん……呼んでも、いい、かなあ?」
「……は?」
鈴原って、あの赤い頭の、ちっさいやつか。
ねーちゃんの友達とかいって、実はねーちゃんを好きなやつ。
自分の表情が、険しくなるのがわかる。
「……何で」
「あ、あの……鈴原くん、ほんとに、私の初めてできた友達で……大切で……凄く、良くしてもらってね……鈴原くんのおうち、しばらく親御さんいなくって……それで、一緒にいたいなって……友達、家に呼んで一緒にごはんとか、夢、だったし……」
「友達って……ねーちゃん、気づいてねーの」
ねーちゃんが、首を傾げる。
あ、だめだ。
これ、ぜんっぜん気づいてねえ。
今まで色恋沙汰とは無縁だったもんな。
男なんてちょっかいかけてくる乱暴なやつらばっかだったもんな。
そんなねーちゃんがいきなり男と友達になるなんて、オレ、びっくりしたんだぜ。
「あいつ……じゃなくて、あの人、ねーちゃんのこと……」
オレ、確かに昨日聞いたぞ。
鈴原サン、ねーちゃんと付き合いたいって。
しかも、結婚したいって言って……。
オレは何かを言いかけて――やめた。
言わないでおこ。
ねーちゃん絶対そういうの鈍いし、あの人はこれからどんどん苦しめばいいんだ。
「あのさ、ねーちゃん」
「……なに?」
「晩飯、鈴原サンも呼んでいいよ」
「ほんとっ!? ありがとう、たっくん!」
ったく、嬉しそうな顔すんなよ。
単純なねーちゃんだな。
「その代わり、だ」
「な、なに?」
「鈴原サン、ハーツ・ラバーのこと知ってんだろ。なんかサポート的なことしてんだろ」
「う、うん……凄く、心強いよ……」
「……オレにも、サポート、させろよ」
ねーちゃんが、目をまんまるにする。
「……んだよ、鈴原サンは頼もしくて、オレじゃ頼りねえってか」
「ち、違うよ!? ただ、あの……申し訳なくて……」
「何で赤の他人を頼って、家族を頼んねえんだよ。ばっかじゃねえの」
はあ、と息を吐き出す。
普通こういうの、最初に家族を頼れよな。
「……どーせ、オレにできることそれしかねーんだろ。ねーちゃんがハーツ・ラバー頑張るって決めたんなら、しょうがねーから弟として見守ってやるっつってんだよ」
「たっくん……」
「……あ、そーだ。ずっと言い忘れてたけど」
ねーちゃんの頭に、ハテナマークが浮かぶ。
その後ろには、赤いリボン。
オレの髪と同じ色の長い髪が、ポニーテールに結われて揺れている。
「ポニーテール、似合ってるよ」
そう言うと、ねーちゃんはぱちぱちと目を瞬かせて。
「……えへへっ、ありがとう……!」
やっと、心から安心したように笑いやがった。
第二話『私、ハーツ・ラバーになりたい!』
その8 ヒーロー、ヒロイン
teller:小枝拓海
ねーちゃんが、変なカッコになった。
あれが、ハーツ・ラバー?
マジで、ねーちゃん、あれで戦うのかよ、変な怪物と。
ねーちゃんの背中をぼうっと見つめて、立ち尽くす。
かけっこ遅くて、いっつもビリで、途中で転んで膝すりむいて泣いてばっかだったねーちゃんが、あんなにまっすぐに走ってる。
ほんとにねーちゃんかって思うくらい、すげー速くて。
びっくりして、頭が追い付かなくて。
――何、ぼけっとしてんだよ、オレ!
はっとして、慌ててねーちゃんを追いかける。
何で黙って行かせてんだ。
あれだけねーちゃんに怪我してほしくねえって思ってたのに。
何かっこつけてんだよ、ねーちゃんのくせに。
あんな風に笑ってんじゃねえよ。
怖いんじゃねえのかよ、途中で泣いてへこたれるんじゃねえのかよ。
ねーちゃんが戦うなんて、オレは想像すらできねえんだよ。
走って走って、さすがのオレも少し息切れしちまう。
体力には自信あんだけどな。
っつーか、ねーちゃんはあんだけ走って辛くねえのかよ。
ねーちゃん、あんなに走れねえはずだろ。
何で途中で足止めねえんだよ、何で息整えねえんだよ、何で転ばねえんだよ。
いっつも俯いてびくびくしてばっかだったくせに、何でひたすら前だけ見て走ってんだよ。
ねーちゃんの姿が、曲がり角の向こうへと消える。
それを追いかけてオレも走ったまま急カーブして。
そこで、目を見開いて息を呑んだ。
公園らしき広場の真ん中に、やたらデカい影がある。
何だ、あれ?
噴水?
にしては大きすぎる。
噴水のようなシルエットは、水をどばどば垂れ流しながらねーちゃんの前に立ち塞がっていて。
中心部には、顔のような物が浮かび上がっている。
あの怪物。
あれが、アニマっていうやつなのか?
「来やがったか、ブレイブラバー」
知らない男の声がして、視線を送る。
筋骨隆々のこれまたデカい男が、アニマの横に立っていた。
なんだ、あいつ。
変なカッコ。
男はねーちゃんの姿を見て鼻で笑う。
……なんかむかつく。
「昨日の戦いを見る限り、てめえの力は『炎』らしいからな。今日はこれで封じさせてもらうぜ」
「……でも、私、負けません。負けるわけには、いかないんです」
ねーちゃんが、呟く。
その声は、僅かに震えていた。
何だよ、やっぱ怖いんじゃねーのかよ。
無理してんじゃねーよ、ばか。
「そうかよ。だったら精々あがけや。おら、行け! アニマ!」
アニマが咆哮を上げる。
オレでも怯みそうなくらい、不快な轟音だった。
でも、ねーちゃんは。
ねーちゃんは、一瞬泣きそうな顔をしたけど、それでも一度目を閉じて、目を開けたら、何か覚悟を決めた顔で。
それから、アニマに向かって駆け出した。
嘘だろ。
ねーちゃんだぞ?
お化け屋敷とかホラー映画程度でもわんわん泣き出すねーちゃんが、あんな怪物相手に、何で立ち向かっていけんだよ。
オレが呆然としている間に、もっと衝撃的なことが起きた。
ねーちゃんが、アニマに殴り掛かった。
拳をグーに握り締めて、思いっ切り、アニマの顔の部分にパンチを叩きこんで。
アニマが吹っ飛び、宙に浮き、地面に勢い良くぶつかる。
ねーちゃんは、拳とアニマを交互に見つめ、息を切らせていた。
ねーちゃんが、殴った。
人にも、物にだって当たることのないねーちゃんが。
争いごとが嫌いで、傷つきたくないから、傷つけたくないから自分の気持ちも全部押し殺すねーちゃんが、殴った。
信じられなかった。
これも、全部守る為だっていうのかよ。
ねーちゃんの横顔を見つめて。
ああ、そうか。
わかってしまった。
今も押し殺しているんだ。
気持ちというか、恐怖心、みたいなもんを。
守る為に、オレ達の為に、ただそれだけの為に。
何で。
ぐ、と下唇を噛む。
何で、ねーちゃんなんだよ。
何でねーちゃんじゃなきゃいけねえんだよ。
別にねーちゃんじゃなくても良かっただろ、この役目。
ねーちゃんが何したって言うんだよ、何でねーちゃんが辛い思いしなくちゃなんねえんだよ。
ただただひたすらに悔しくて、むかついた。
オレが何にむかついてんのかはわかんない。
らしくもなく強がって頑張ってるねーちゃんに、かもしれねえし、ねーちゃんをそうさせてる運命に、かもしれねえ。
そうこうしている内に、ねーちゃんは、倒れてるアニマを一心不乱に殴ったり蹴ったりして、攻撃を叩きこんでいた。
早く終わってほしい、ねーちゃんの顔が、そう語っている。
戦いなんて、ねーちゃんは慣れてねえんだ。
どうすればパンチが効くか、キックはどうすればいいのかとか、全然わかってねえんだよ。
オレも、この戦いが早く終わってほしいと願ってしまう。
もう、辛い顔するねーちゃんは見たくない。
でも、そんなオレとねーちゃんの想いを踏みにじるように、アニマは起き上がって。
白い腕、のようなものを振り回してねーちゃんの胴体にぶち当てた。
「……っ、ねーちゃん!」
ねーちゃんの小さい体が勢い良く吹っ飛ぶ。
近くの幹にねーちゃんが叩きつけられて、そのまま地面に落っこちて、ねーちゃんが、げほ、げほ、と咳き込む。
もしかしたら泣いていたのかもしれねえ。
それでも、ねーちゃんは。
もう一度立ち上がって、アニマに向かって行った。
オレの知ってる、弱虫のねーちゃんじゃない。
アニマを殴って、殴って、逆に殴られて、地面にぶっ飛ばされて、怪我して。
なのに、また立ち上がって、戦って。
泣きそうな顔してるくせに、その目に宿る意志、みたいなのは強くて。
何で。
何で、何度も立ち上がるんだ。
何で、オレ、そんなねーちゃんを遠巻きに見てることしかできねえんだ。
何で、オレの体、動かねえんだ。
まるで、金縛りに遭ったみてえに。
怖い?
ねーちゃんは、もっとずっとオレより怖い思いしてんのに?
ふと、気づく。
アニマから、黒い霧のような物が漏れ出してることに。
ねーちゃんの表情に、一瞬安堵のような色が浮かぶ。
でもその直後、躊躇うような顔に変わった。
それを待っていた、とばかりに今まで静観していた男が笑い声を上げた。
「どうしたよ、出せばいいじゃねえか。てめえの『必殺技』。いいタイミングなんだろ?」
必殺技?
何のことだ。
ねーちゃんが、困ったように俯く。
「ははっ、わかってんよ! 出したくても出せねえんだろ!? てめえの必殺技は『炎』なんだ! てめえの力、この水で無効化してやんよ!」
ふらふらしているアニマに視線を向ける。
水が、顔の上の中心部、みたいな所から溢れ出てる。
あれがあるから、あれに消されるから、ねーちゃんは攻撃できねえのか?
あんなに、ねーちゃん頑張ったのに?
ここまで弱らせたのに?
倒れても倒れても、戦い続けたのに?
あの、ねーちゃんがだぞ?
ねーちゃんの方に視線を向ける。
躊躇ったせいか、困ったせいか、それまで必死に保っていた強い気持ちが緩んだらしい。
今にも、泣きそうな顔してる。
……ばかじゃねーの、ほんと。
気づいたら、オレは駆け出していた。
アニマの方へ、一直線に。
さっき公園に向かってた時のねーちゃんにだって負けない。
ただひたすら、まっすぐに。
「え……たっくん!?」
ねーちゃんの驚いた声が聴こえる。
んだよ、今更気づいたのかよ。
さっきもオレ、ねーちゃんのこと呼んだだろ。
でもそんなねーちゃんに振り返ってる余裕なんてない。
アニマの腕を掴んで、そのまま必死によじ登る。
振り落とされそうになるけど、知らねえよんなもん。
ねーちゃんがこんなに頑張ってんだよ。
ずっと一緒だったからわかんだよ。
ねーちゃんがめちゃくちゃ無理してるってことくらい。
……なのに、オレが何もしねえって、そんなのありえねーだろうが。
「くっそ! 止まれ、止まれ! 水、出んな!」
何とかアニマの上部へと辿り着き、水の出てる部分を踏みつけ、しゃがみ込み、必死でそこを殴る。
何度も何度も殴りつける。
水の勢いは強い。
殴ってるうちに少しだけ拳の皮が剥けて、傷に水がめちゃくちゃ染みる。
けど、それがなんだって言うんだ。
ぐりぐりと、足で押さえる、抑える。
殴る、殴る、殴る、殴る。
だんだん水の勢いが弱まってくるのがわかって、少しだけ息をついた頃。
「何ぼーっとしてんだ馬鹿!」
オレは、ねーちゃんに向かって怒鳴った。
視界の端で、ねーちゃんの肩がびくっと跳ねるのがわかった。
「ここまで来てビビってんじゃねえ! 泣いてんじゃねえ! 貫くって決めたなら貫けよ! やるって決めたんだろ、最後まで責任持てよ! そうじゃなきゃ最初からやるんじゃねえ!」
「たっくん……」
よし、水の勢いが、ちょろちょろしてきた。
オレなんかの力でも、水くらいならここまで止められることができるんだな。
「た、たっくん……その、水の勢いは……」
「ああ、大丈夫だ! もう止まった!」
「……っ、ありがとう! たっくん、危ないから退いて!」
ねーちゃんに言われるがまま、オレはアニマの上部から飛び降りる。
考えナシに飛び降りたから、背中を地面にしたたかに打ち付けたけど、別にもうどうだって良かった。
オレが避けると同時に、ねーちゃんがアニマに駆け寄って、両手をかざして。
「還って、エモーション! ハーツ・ラバー! バーニング・フォレスト!」
そうねーちゃんが叫ぶと、ねーちゃんの両手から真っ赤な炎が広がり、柱のようにアニマを包み込んで。
そのままアニマを焼き尽くし、アニマは黒い霧へと姿を変え、空気に溶けるように消えていった。
ねーちゃんが、力が抜けたようにへたりこむ。
……やったんだな、ねーちゃん。
上体を起こして、少しだけ、笑っちまった。
その時、オレはきっと油断してた。
大きな影が近寄っていることに。
「てめ、邪魔してんじゃねえよ!」
頬に衝撃が走る。
何かに、殴られたらしい。
起こしたはずの上体が、また地面に沈む。
見上げれば、そこにはアニマの傍にいた大男。
……やべえ、まだこいつが残ってたんだ。
「あんだよ、てめえは! 弱っちい一般人のくせに、いきなりしゃしゃり出てきて! ヒーロー気取ったつもりか!? ああ!?」
「……んなもん目指してねえよ。オレは、ねーちゃんを、弟として助けたかっただけだ」
「……はっ、弟ねえ。だったらハーツ・ラバー様のその大事なもんを、今オレがこの場で潰してやんよ!」
男が、足を振り上げる。
やっべ、んな太い足で蹴られたり踏まれたりしたら、オレどうなんだ。
ごめん、ねーちゃん。
オレ――。
「たっくんッ!!」
悲痛な叫びが聴こえたかと思えば、男の体が突然横に吹っ飛んだ。
いつの間にか、オレの前にいるのは、男じゃなくて、息を切らしたねーちゃん。
……ねーちゃんが、あのでかい男、殴ったのか?
体を宙には浮かせたものの、何とか倒れずに踏みとどまったらしい男が、ねーちゃんを睨みつける。
「……おい、ブレイブラバー。オレとは戦えないんじゃなかったのか?」
ねーちゃんが、呼吸を乱す。
その大きな瞳には、うっすら涙が滲んでいる。
それを拭って、ねーちゃんはきっ、と男を睨みつけた。
「私は……ちゃんと意思を持って行動している人を、ネスさんを攻撃することが、ネスさんと戦うことが、今も怖いです。いやです。でも、たっくんは人を傷つけるのが嫌いなのに、私を守る為にいつも拳を振るってくれた……!」
こんな時まで、オレのこと考えてんじゃねえよ、ばか。
「貴方がたっくんを……私の大切な弟を傷つけるなら! 私は貴方と、戦います!」
息を呑んだ。
こんなねーちゃん、初めて見る。
ネス、と呼ばれた男が大きく舌打ちをした。
「……だから、早い内に心を折っときゃ良かったんだ。アガペも、ナハトさんも、なんっもわかってねえ……!」
そう苛立たしげに呟くと、ネスがオレ達に背を向けて、そのまましゅっと姿を消した。
終わった、のか。
今度こそ。
「たっくん!」
ねーちゃんが座り込み、慌ててオレを抱き起こす。
その拍子に、ねーちゃんの変身も解けたようだった。
「た、たっくん……怪我……! ど、どうしよう、ゼロットさん、ゼロットさんを……ごめんね、たっくん、ごめんなさい、守るって決めたのに、言ったのに、私、私……!」
あーあ、ボロボロに泣いちまって。
なさけねーの。
台無しじゃねーか。
なんか、呆れ通り越して笑えてくるわ。
ゆっくりと起き上がり、服に着いた砂ぼこりを払う。
えぐえぐ泣いてるねーちゃんの頭に、くしゃっと手を置いた。
「オムライス」
「……ふえ?」
「今晩、オムライス作ってくれよ。ふわふわのやつ。それで全部、許してやる」
「え……そんな……そんなことで……」
「……昔も言っただろ。オレ、ねーちゃんの作るオムライスが、一番好きなんだ」
座り込んだまんまのねーちゃんに、手を差し伸べる。
ねーちゃんは、泣きながら、ぎこちなくその手をとって。
オレはその小さい手を、ぎゅっと握って。
なんか、昔に戻った気持ちになった。
◆
「……たっくん」
「ん?」
泣き止んで、少し落ち着いたねーちゃんと歩く帰り道。
オレの怪我はアニマ絡みだから、ゼロットとかいうあの黒いコウモリの力で治るらしい。
別に、わざわざ治さなくってもこんな怪我大したことねーけど。
「あの、ね。今日から、鈴原くんも、晩ごはん……呼んでも、いい、かなあ?」
「……は?」
鈴原って、あの赤い頭の、ちっさいやつか。
ねーちゃんの友達とかいって、実はねーちゃんを好きなやつ。
自分の表情が、険しくなるのがわかる。
「……何で」
「あ、あの……鈴原くん、ほんとに、私の初めてできた友達で……大切で……凄く、良くしてもらってね……鈴原くんのおうち、しばらく親御さんいなくって……それで、一緒にいたいなって……友達、家に呼んで一緒にごはんとか、夢、だったし……」
「友達って……ねーちゃん、気づいてねーの」
ねーちゃんが、首を傾げる。
あ、だめだ。
これ、ぜんっぜん気づいてねえ。
今まで色恋沙汰とは無縁だったもんな。
男なんてちょっかいかけてくる乱暴なやつらばっかだったもんな。
そんなねーちゃんがいきなり男と友達になるなんて、オレ、びっくりしたんだぜ。
「あいつ……じゃなくて、あの人、ねーちゃんのこと……」
オレ、確かに昨日聞いたぞ。
鈴原サン、ねーちゃんと付き合いたいって。
しかも、結婚したいって言って……。
オレは何かを言いかけて――やめた。
言わないでおこ。
ねーちゃん絶対そういうの鈍いし、あの人はこれからどんどん苦しめばいいんだ。
「あのさ、ねーちゃん」
「……なに?」
「晩飯、鈴原サンも呼んでいいよ」
「ほんとっ!? ありがとう、たっくん!」
ったく、嬉しそうな顔すんなよ。
単純なねーちゃんだな。
「その代わり、だ」
「な、なに?」
「鈴原サン、ハーツ・ラバーのこと知ってんだろ。なんかサポート的なことしてんだろ」
「う、うん……凄く、心強いよ……」
「……オレにも、サポート、させろよ」
ねーちゃんが、目をまんまるにする。
「……んだよ、鈴原サンは頼もしくて、オレじゃ頼りねえってか」
「ち、違うよ!? ただ、あの……申し訳なくて……」
「何で赤の他人を頼って、家族を頼んねえんだよ。ばっかじゃねえの」
はあ、と息を吐き出す。
普通こういうの、最初に家族を頼れよな。
「……どーせ、オレにできることそれしかねーんだろ。ねーちゃんがハーツ・ラバー頑張るって決めたんなら、しょうがねーから弟として見守ってやるっつってんだよ」
「たっくん……」
「……あ、そーだ。ずっと言い忘れてたけど」
ねーちゃんの頭に、ハテナマークが浮かぶ。
その後ろには、赤いリボン。
オレの髪と同じ色の長い髪が、ポニーテールに結われて揺れている。
「ポニーテール、似合ってるよ」
そう言うと、ねーちゃんはぱちぱちと目を瞬かせて。
「……えへへっ、ありがとう……!」
やっと、心から安心したように笑いやがった。
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