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第一話『お友達から始めましょう』
その7 新キャラが不穏な件について
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★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第一話『お友達から始めましょう』その7 新キャラが不穏な件について
俺が初めて南雲椋を『椋』と下の名前で呼んでから、また翌日の出来事。
どこか浮ついたふわふわした気持ちで登校し、教室に入ってきた俺を見て、やっぱり読書中だった椋はふわり、と可愛らしく微笑んだ。
心臓が、自然とどきりと跳ねる。
慌てて俯いたけど、多分耳まで赤くなっているのは隠せていない。
本当に、友達になってから気付いたことだが椋はひどく綺麗に笑うやつだと思う。
見惚れてしまいそうになるくらい、ドキドキしすぎて思考回路がまっさらになりそうなくらい。
つまり、それだけ俺が椋を意識している証拠でもあるわけだが――今は、今だけは、この芽生えつつある淡い想いから目を逸らしたいと思う。
今はただ、椋と友達でありたい。
ようやく出会えたたった一人の友達として、椋と沢山の温かい時間をこれから作っていければ、俺はもう充分に幸せだ。
それ以上を望むなんて、欲張りにも、高望みにも程があるだろう。
「おはようございます、鶫くん」
笑顔だけじゃなくて、椋は声も綺麗だ。
声から確実に癒しオーラが出ている。
椋の声をずっと聴いていられれば、俺はそれはもう安眠できると思う。
……今、相当気持ち悪いこと考えたな、俺。
「くっ、ははははは! 今日もまた良き朝だな椋! 闇の胎動を感じるぜ……!」
一瞬浮かんだ煩悩を誤魔化すように俺は左手を顔にかざし、いつもの高笑いを始める。
……どうも、俺が椋の前で本当の、素の自分を曝け出せるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。
「おーっす! つぐむくー! 元気かねー!?」
もはや聞き慣れ始めつつあるアルトが聞こえたかと思うと、何者かに背中を力いっぱい叩かれた。
ひ弱な俺は、びっくりして思わずげほげほと咳き込む。
そんな背中を心配そうに志久が擦ってくれる。
志久がいる、となれば、俺の背中を叩いた犯人は限られてくる。
牟田だ。
牟田しかいない。
案の定、見れば牟田が椋に抱きついていた。
……くそう、羨ましい。
いや、羨ましいって何だ。
しかし『つぐむく』とはどうやら俺と椋のコンビ名を指すものらしいが、牟田はこれからも俺にまでこんなに馴れ馴れしく接してくるのだろうか。
正直牟田のような破天荒なタイプは苦手なんだが……まあ、友達……のような存在がまた増えるのは有難い、のか?
とりあえず咳を何とかしたくて、水飲み場で水でも飲もうと決意する。
ずっと背中を擦ってくれていた志久に一言ぎこちなく礼を言うと、俺はふらふらと教室を後にしようとした。
その時。
ふらり。
隣に影が差した。
何だ、と目線を横にやると、そこには少し長めの髪を一つに括った、女性的な顔立ちの線の細い小柄な男子生徒。
確か、クラスメイトの牟田美冬だ。
牟田の、牟田美夏の双子の弟。
双子が同じクラスって、そう言えば珍しいよな。
俺の中の牟田弟の印象は、気弱でおどおどとしている印象だったのだが。
今俺の隣に立っている牟田弟は、本来ならばくりくりとした瞳を鋭くさせて俺を射抜くように横目で睨んでいる。
牟田弟の全身から迸る強烈な敵意に、俺がびくりと戦慄していると。
「……死ねばいいのに」
ぽつり。
それだけ低い声で呟いて、牟田弟は俺の横を通り過ぎて行った。
それからは俺に目もくれない。
……え?
今の台詞、俺に言った?
何で?
…………俺、なんかやっちゃいました……?
俺が初めて南雲椋を『椋』と下の名前で呼んでから、また翌日の出来事。
どこか浮ついたふわふわした気持ちで登校し、教室に入ってきた俺を見て、やっぱり読書中だった椋はふわり、と可愛らしく微笑んだ。
心臓が、自然とどきりと跳ねる。
慌てて俯いたけど、多分耳まで赤くなっているのは隠せていない。
本当に、友達になってから気付いたことだが椋はひどく綺麗に笑うやつだと思う。
見惚れてしまいそうになるくらい、ドキドキしすぎて思考回路がまっさらになりそうなくらい。
つまり、それだけ俺が椋を意識している証拠でもあるわけだが――今は、今だけは、この芽生えつつある淡い想いから目を逸らしたいと思う。
今はただ、椋と友達でありたい。
ようやく出会えたたった一人の友達として、椋と沢山の温かい時間をこれから作っていければ、俺はもう充分に幸せだ。
それ以上を望むなんて、欲張りにも、高望みにも程があるだろう。
「おはようございます、鶫くん」
笑顔だけじゃなくて、椋は声も綺麗だ。
声から確実に癒しオーラが出ている。
椋の声をずっと聴いていられれば、俺はそれはもう安眠できると思う。
……今、相当気持ち悪いこと考えたな、俺。
「くっ、ははははは! 今日もまた良き朝だな椋! 闇の胎動を感じるぜ……!」
一瞬浮かんだ煩悩を誤魔化すように俺は左手を顔にかざし、いつもの高笑いを始める。
……どうも、俺が椋の前で本当の、素の自分を曝け出せるまでには、まだまだ時間がかかりそうだ。
「おーっす! つぐむくー! 元気かねー!?」
もはや聞き慣れ始めつつあるアルトが聞こえたかと思うと、何者かに背中を力いっぱい叩かれた。
ひ弱な俺は、びっくりして思わずげほげほと咳き込む。
そんな背中を心配そうに志久が擦ってくれる。
志久がいる、となれば、俺の背中を叩いた犯人は限られてくる。
牟田だ。
牟田しかいない。
案の定、見れば牟田が椋に抱きついていた。
……くそう、羨ましい。
いや、羨ましいって何だ。
しかし『つぐむく』とはどうやら俺と椋のコンビ名を指すものらしいが、牟田はこれからも俺にまでこんなに馴れ馴れしく接してくるのだろうか。
正直牟田のような破天荒なタイプは苦手なんだが……まあ、友達……のような存在がまた増えるのは有難い、のか?
とりあえず咳を何とかしたくて、水飲み場で水でも飲もうと決意する。
ずっと背中を擦ってくれていた志久に一言ぎこちなく礼を言うと、俺はふらふらと教室を後にしようとした。
その時。
ふらり。
隣に影が差した。
何だ、と目線を横にやると、そこには少し長めの髪を一つに括った、女性的な顔立ちの線の細い小柄な男子生徒。
確か、クラスメイトの牟田美冬だ。
牟田の、牟田美夏の双子の弟。
双子が同じクラスって、そう言えば珍しいよな。
俺の中の牟田弟の印象は、気弱でおどおどとしている印象だったのだが。
今俺の隣に立っている牟田弟は、本来ならばくりくりとした瞳を鋭くさせて俺を射抜くように横目で睨んでいる。
牟田弟の全身から迸る強烈な敵意に、俺がびくりと戦慄していると。
「……死ねばいいのに」
ぽつり。
それだけ低い声で呟いて、牟田弟は俺の横を通り過ぎて行った。
それからは俺に目もくれない。
……え?
今の台詞、俺に言った?
何で?
…………俺、なんかやっちゃいました……?
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