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第二話『最愛の人よ』
その3 やきもち、なのです
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★つぐむく。~中二病と不思議ちゃん~ 第二話『最愛のひとよ』その3 やきもち、なのです
神戸の恋路に協力する、と勢いで言ってしまった俺は、本当に愚かだと思う。
恋のこの字も知らない俺が、他人の色恋をどうこうできる筈もないのに。
花が咲いたように笑ってくれた神戸の笑顔を見ると、罪悪感がぐさぐさと刺激された。
神戸と話した直後にチャイムが鳴って、俺と神戸は授業を受けるべく教室に戻った、のだが。
俺は今後の自分の身の振り方を必死で考えていたせいで、授業が全く頭に入って来なかった。
多分、俺の次回の小テストの成績は散々だろう。
でも、これは完全に俺の自業自得だ。
自棄になって要らんトラブルに関わった俺が完全に、悪い。
「鶫くん」
休み時間、自分の席で頭を抱えて溜息を吐いていた俺に、隣の席からふわふわした声がかけられた。
椋のものだった。
俺がちら、と視線だけ椋にやると、椋はきょとんと無邪気な表情で首を傾げていた。
俺に視線をしっかりと合わせ、椋は俺に問いかけてくる。
「愛理ちゃんと、さっき、何をお話していたのですか?」
愛理。
神戸のことか。
俺はどう話すべきか一瞬悩んだが、どうしてもこの悩みを、苦労を誰かと分かち合いたい気持ちもあったので、椋に愚痴るのも悪かったが、ぽつぽつと口を開いた。
今回ばかりは、中二病キャラも出て来ない。
「……ちょっと、神戸が恋の悩みを抱えてるらしく、色々あって何でか俺がその恋路の手伝いを、することになった……」
本当に何でなんだろう、どうしてなんだろう。
中二病モードを発動させた、今朝の俺に全力で問い詰めたい。
何なら殴り飛ばしたい。
またも長い長い溜息を吐き出す俺を見て、椋はくすっと優しく微笑みかけてきた。
その柔らかな、穏やかな笑顔に、俺の心臓はどきりと跳ね上がる。
椋はどこまでも優しげに、まるで慈しむように俺を見ていた。
「鶫くんは、優しいのです」
「……優しい? 俺が?」
「はい、とっても。椋とも友達になってくれました」
……いや、優しいは、ないだろ。
俺はただ、状況に流されやすいだけだ。
椋と友達になれたのだって、椋の方からアプローチしてくれたからだし。
結局の所、俺は受け身で生きている情けない人間なのだ。
それなのに、何が救世主だよ。
馬鹿馬鹿しい。
自己嫌悪の波に囚われそうになった時、椋がまるで俺を救うかのように告げた。
「椋は、鶫くんのそういう所、とても好きなのです」
「…………へ?」
好き。
その言葉に、全身の温度がじわじわと上昇していくのがわかった。
椋の言葉に、深い意味がないのはわかっている。
椋は、俺をただの友達としてしか思ってないのだから。
それでも。
それでも、そんなことを言われたら――年頃の男子的には、どきどきしちまうだろ。
俺が狼狽していると、椋は少し影のある表情を浮かべた。
椋にはあんまりしてほしくない表情。
何だ、と俺が思っていると、椋がぽつりと呟く。
「……でも、あんまり、愛理ちゃんにばかり構っちゃ、やなのです」
そう言う椋の表情は、少し拗ねた、寂しそうなものだった。
その表情の理由がわからず、俺はぽかんとすることしかできない。
「……何で?」
やっとの思いで訊ねると、椋はじと、と俺を見て、こう言った。
「やきもち、なのです」
……え?
思わず、俺はフリーズした。
フリーズしていると言うのに、俺の全身は着々とオーバーヒートを迎えている。
だって、そんなの。
そんなの。
――何だそれ、可愛いが過ぎるだろ。
俺は椋の言葉に上手く応えられず、勢い良く机に突っ伏した。
額をごつんと机にぶつけてかなり痛かったが、気にしてはいられなかった。
椋の言葉に深い意味はない、それはわかっている。
それでも免疫がない俺は、こうしてドギマギしてしまうのだ。
流石に殺されたいとは思わないけど、俺が椋に抱く感情はまだ恋ってわけじゃないんだろうけど。
神戸が牟田弟に向ける重い想いが、少しだけわかってしまったような気がして、ぐるぐると変な気持ちになった。
神戸の恋路に協力する、と勢いで言ってしまった俺は、本当に愚かだと思う。
恋のこの字も知らない俺が、他人の色恋をどうこうできる筈もないのに。
花が咲いたように笑ってくれた神戸の笑顔を見ると、罪悪感がぐさぐさと刺激された。
神戸と話した直後にチャイムが鳴って、俺と神戸は授業を受けるべく教室に戻った、のだが。
俺は今後の自分の身の振り方を必死で考えていたせいで、授業が全く頭に入って来なかった。
多分、俺の次回の小テストの成績は散々だろう。
でも、これは完全に俺の自業自得だ。
自棄になって要らんトラブルに関わった俺が完全に、悪い。
「鶫くん」
休み時間、自分の席で頭を抱えて溜息を吐いていた俺に、隣の席からふわふわした声がかけられた。
椋のものだった。
俺がちら、と視線だけ椋にやると、椋はきょとんと無邪気な表情で首を傾げていた。
俺に視線をしっかりと合わせ、椋は俺に問いかけてくる。
「愛理ちゃんと、さっき、何をお話していたのですか?」
愛理。
神戸のことか。
俺はどう話すべきか一瞬悩んだが、どうしてもこの悩みを、苦労を誰かと分かち合いたい気持ちもあったので、椋に愚痴るのも悪かったが、ぽつぽつと口を開いた。
今回ばかりは、中二病キャラも出て来ない。
「……ちょっと、神戸が恋の悩みを抱えてるらしく、色々あって何でか俺がその恋路の手伝いを、することになった……」
本当に何でなんだろう、どうしてなんだろう。
中二病モードを発動させた、今朝の俺に全力で問い詰めたい。
何なら殴り飛ばしたい。
またも長い長い溜息を吐き出す俺を見て、椋はくすっと優しく微笑みかけてきた。
その柔らかな、穏やかな笑顔に、俺の心臓はどきりと跳ね上がる。
椋はどこまでも優しげに、まるで慈しむように俺を見ていた。
「鶫くんは、優しいのです」
「……優しい? 俺が?」
「はい、とっても。椋とも友達になってくれました」
……いや、優しいは、ないだろ。
俺はただ、状況に流されやすいだけだ。
椋と友達になれたのだって、椋の方からアプローチしてくれたからだし。
結局の所、俺は受け身で生きている情けない人間なのだ。
それなのに、何が救世主だよ。
馬鹿馬鹿しい。
自己嫌悪の波に囚われそうになった時、椋がまるで俺を救うかのように告げた。
「椋は、鶫くんのそういう所、とても好きなのです」
「…………へ?」
好き。
その言葉に、全身の温度がじわじわと上昇していくのがわかった。
椋の言葉に、深い意味がないのはわかっている。
椋は、俺をただの友達としてしか思ってないのだから。
それでも。
それでも、そんなことを言われたら――年頃の男子的には、どきどきしちまうだろ。
俺が狼狽していると、椋は少し影のある表情を浮かべた。
椋にはあんまりしてほしくない表情。
何だ、と俺が思っていると、椋がぽつりと呟く。
「……でも、あんまり、愛理ちゃんにばかり構っちゃ、やなのです」
そう言う椋の表情は、少し拗ねた、寂しそうなものだった。
その表情の理由がわからず、俺はぽかんとすることしかできない。
「……何で?」
やっとの思いで訊ねると、椋はじと、と俺を見て、こう言った。
「やきもち、なのです」
……え?
思わず、俺はフリーズした。
フリーズしていると言うのに、俺の全身は着々とオーバーヒートを迎えている。
だって、そんなの。
そんなの。
――何だそれ、可愛いが過ぎるだろ。
俺は椋の言葉に上手く応えられず、勢い良く机に突っ伏した。
額をごつんと机にぶつけてかなり痛かったが、気にしてはいられなかった。
椋の言葉に深い意味はない、それはわかっている。
それでも免疫がない俺は、こうしてドギマギしてしまうのだ。
流石に殺されたいとは思わないけど、俺が椋に抱く感情はまだ恋ってわけじゃないんだろうけど。
神戸が牟田弟に向ける重い想いが、少しだけわかってしまったような気がして、ぐるぐると変な気持ちになった。
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