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純製の攻防
黄昏の国家30
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ワット数も大きいが、何よりも安定感と一台購入する分を入れても、ほぼ無限造に電気を使用することが可能となる。
これを電力会社に卸し販売するという事と、交換修繕費用の取り分を賄う事で話は決着がついた。
また、放射線を使用する施設では、いつ放射能漏れがあるかも知れぬ為、オーイックスの化学研究機関では、アトムゼロという全ての放射線を消し去る技術の開発に眼前まで完成つつあった。
しかしそれは建前で、中国やロシアなど、核保有国の核ミサイルを無力化する手段として開発を続けている。
これは、日本政府には伏せて置き、いざの際に日本政府への貸しとして大幅に特別予算を計上させ、軍備増強の大義名分として申告する腹であった。
高沢はオーイックスの運用に、角安を顧問としての体を持っていたが、例の事件で疎遠になったことが痛手ではあったが更なる準政府組織としての運用に、口を挟まれる事が無くなったのも事実。
只、日本政府自体の干渉が無くなる訳ではない。
ビッグ・フロートの全てが完成するには、性急に見積もってもあと十五年以上は掛かる。
その時、高沢がリーダーであることは難しいだろう。
自分が用無しの存在になる前に、設計運用は最低限熟していたい。
時としてそんな事案を考えていた処に、情報監視部の幹部、韮崎から連絡が入る。
一見の事件から少し経ったことでも、解決へと向かった筈。韮崎から情報案件として通知が来るのは余り好ましい事ではなかった。
其れは人として、時に当たる時がある。
「リュクスタ、直ぐに伝えたいことがあり専用回線ににてご連絡させて頂きました」
高沢は、また身の固まるような不遜な気配を受けながら、鼻の奥がツンとする感覚に陥ったが。「どうした?事案が発生したのか?」
韮崎は少し躊躇したが伝えない訳にはいかない。「実は先程、日本政府国防省での一件が入りました。それによるとFー7に開発に我々を外すと…」
角安の一言が入ったなと、直感した。
「判った。その件については私が直接、国防省に連絡しよう」
「いいのですか?あからさまに角安氏の行動が手に取って判りますが…」
それは百も承知だった。
「構わないよ、私が直接対応する」
若干躊躇したが、韮崎は一言返事でリュクスタに託した。
国防省の専用回線を使い連絡を行う。
パイプとしては荒木以外に居ない。角安がどのように手配をしたのかが焦点である。
先に出た連絡時間から三十分以上待たされたが、高沢は耐えた。
漸く荒木が回線に出たが、いきなりのダメ押しを食らった。
「高沢君、困るよ。既に状況は判っている筈だが…」
政治家の手配は良く判っている。「申し訳御座いません。当方と致しましては日本政府の悲願であった純国産戦闘機のお手伝いをさせて頂けるのが、光栄と考えておりました。しかしながら…」
荒木は少し時間を置き、そして、「市井の流れを受けてくれたまえ」
高沢は一呼吸して例のオーイックス所属のジェット戦闘機の案を提示した。
何としてでも、Fー7の製造に食い込み、オーイックスの技術の成果を出さなければいけない。
IFHがエンジンの開発工程に再度乗り出したのか?そんな疑惑が見えた。
「荒木勝盛外務大臣、”IFH”と再度組み直されましたか?」
荒木は静かに息を吹いた。「それはないよ、高沢君」
では、角安が入れ知恵をしたのは何だというのか。仮に荒木が嘘を付く、そんな子供騙しのような事を云うとも思えなかったが…。
「本当の事を云おう。角安君が提示したのは英国のエンジン搭載しうる話だよ」
それが事実なら、オーイックスは多大なる泥を顔に塗られたことになる。
荒木の話には裏がある、そう読んだが実際どうなのか。
「では、あくまでも英国と共同開発する事を念頭に、純国産化をまた止める訳ですね」
少しの沈黙が続く。「高沢君。純国産化がどうだどいうのかね?実際、国防をして以て対処出来れば其れで良いのではないのかね?」
この男は国防省の本当の大臣なのか?そんな虚無感を受ける内容だった。
荒木はフンと勝ち誇ったような鼻で笑い「私も忙しい身でね、これで失礼するよ」
そう言って回線は切れた。
角安が本当にそういったのか、しかし角安との回線は不通のままだ。
直ぐに尾本に連絡入れた。機密隊を使って情報収集に当たってもらう。
尾本がその事実を聞き、不審に思った。「リュクスタ、荒木外務相はブラフを突き付けたのではないでしょうか?」
これには若干その思いもあったが、今一つピントが合わない。
「これは私の判断ですが、国防省の内部で亀裂があるのではないでしょうか」
つまり、荒木は単独で、或いは少数派で事を薦めているという事か。
これを電力会社に卸し販売するという事と、交換修繕費用の取り分を賄う事で話は決着がついた。
また、放射線を使用する施設では、いつ放射能漏れがあるかも知れぬ為、オーイックスの化学研究機関では、アトムゼロという全ての放射線を消し去る技術の開発に眼前まで完成つつあった。
しかしそれは建前で、中国やロシアなど、核保有国の核ミサイルを無力化する手段として開発を続けている。
これは、日本政府には伏せて置き、いざの際に日本政府への貸しとして大幅に特別予算を計上させ、軍備増強の大義名分として申告する腹であった。
高沢はオーイックスの運用に、角安を顧問としての体を持っていたが、例の事件で疎遠になったことが痛手ではあったが更なる準政府組織としての運用に、口を挟まれる事が無くなったのも事実。
只、日本政府自体の干渉が無くなる訳ではない。
ビッグ・フロートの全てが完成するには、性急に見積もってもあと十五年以上は掛かる。
その時、高沢がリーダーであることは難しいだろう。
自分が用無しの存在になる前に、設計運用は最低限熟していたい。
時としてそんな事案を考えていた処に、情報監視部の幹部、韮崎から連絡が入る。
一見の事件から少し経ったことでも、解決へと向かった筈。韮崎から情報案件として通知が来るのは余り好ましい事ではなかった。
其れは人として、時に当たる時がある。
「リュクスタ、直ぐに伝えたいことがあり専用回線ににてご連絡させて頂きました」
高沢は、また身の固まるような不遜な気配を受けながら、鼻の奥がツンとする感覚に陥ったが。「どうした?事案が発生したのか?」
韮崎は少し躊躇したが伝えない訳にはいかない。「実は先程、日本政府国防省での一件が入りました。それによるとFー7に開発に我々を外すと…」
角安の一言が入ったなと、直感した。
「判った。その件については私が直接、国防省に連絡しよう」
「いいのですか?あからさまに角安氏の行動が手に取って判りますが…」
それは百も承知だった。
「構わないよ、私が直接対応する」
若干躊躇したが、韮崎は一言返事でリュクスタに託した。
国防省の専用回線を使い連絡を行う。
パイプとしては荒木以外に居ない。角安がどのように手配をしたのかが焦点である。
先に出た連絡時間から三十分以上待たされたが、高沢は耐えた。
漸く荒木が回線に出たが、いきなりのダメ押しを食らった。
「高沢君、困るよ。既に状況は判っている筈だが…」
政治家の手配は良く判っている。「申し訳御座いません。当方と致しましては日本政府の悲願であった純国産戦闘機のお手伝いをさせて頂けるのが、光栄と考えておりました。しかしながら…」
荒木は少し時間を置き、そして、「市井の流れを受けてくれたまえ」
高沢は一呼吸して例のオーイックス所属のジェット戦闘機の案を提示した。
何としてでも、Fー7の製造に食い込み、オーイックスの技術の成果を出さなければいけない。
IFHがエンジンの開発工程に再度乗り出したのか?そんな疑惑が見えた。
「荒木勝盛外務大臣、”IFH”と再度組み直されましたか?」
荒木は静かに息を吹いた。「それはないよ、高沢君」
では、角安が入れ知恵をしたのは何だというのか。仮に荒木が嘘を付く、そんな子供騙しのような事を云うとも思えなかったが…。
「本当の事を云おう。角安君が提示したのは英国のエンジン搭載しうる話だよ」
それが事実なら、オーイックスは多大なる泥を顔に塗られたことになる。
荒木の話には裏がある、そう読んだが実際どうなのか。
「では、あくまでも英国と共同開発する事を念頭に、純国産化をまた止める訳ですね」
少しの沈黙が続く。「高沢君。純国産化がどうだどいうのかね?実際、国防をして以て対処出来れば其れで良いのではないのかね?」
この男は国防省の本当の大臣なのか?そんな虚無感を受ける内容だった。
荒木はフンと勝ち誇ったような鼻で笑い「私も忙しい身でね、これで失礼するよ」
そう言って回線は切れた。
角安が本当にそういったのか、しかし角安との回線は不通のままだ。
直ぐに尾本に連絡入れた。機密隊を使って情報収集に当たってもらう。
尾本がその事実を聞き、不審に思った。「リュクスタ、荒木外務相はブラフを突き付けたのではないでしょうか?」
これには若干その思いもあったが、今一つピントが合わない。
「これは私の判断ですが、国防省の内部で亀裂があるのではないでしょうか」
つまり、荒木は単独で、或いは少数派で事を薦めているという事か。
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