黄昏の国家

旅里 茂

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中国共産党の終末

黄昏の国家47

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この事が気になっている。
実際、国際的に報道されたのは気象観測衛星だと告げていた。
しかし、ロシアは既に5つの気象観測衛星を打ち上げている。
衛星の観測データで、原子力を使っているとの情報は既に上がっている。
中国の原子力衛星の真似事かと邪推したが、何度も同盟国同士が同様の攻撃を仕掛けるとは思えない。
只、気になっている点と言えば、EMP、つまり電磁パルス攻撃の件だ。
嘗てアメリカが実験で高層大気において核爆発をさせたが、大規模な影響は出なかった。
実際考えられるように、それ程の影響は出ないと判断されている。
ではなにか。
一つだけ気になるのは太陽フレアが、近日に大掛かりなものが発生するという事の情報だ。
だが衛星と関連は今の処考えられない。
サキナが受けた芯は、何の情報だろうか。本人も困惑している。
その時、吉江から連絡が入ったとの情報が、脳内デジタルに上がった。
「どうした?吉江、こんな時間に」
「リュクスタ、サキナの連絡事項が有ります。これを見て下さい」
それは初めに気に掛けた太陽フレアの映像だった。
過去にもこれで衛星やGPSの障害があったのは、記憶に新しい。しかし、今回のフレアは今までにない規模と言われている。
NASAが警告を出している事で、オーイックス内でも慎重に事に当たるよう、命令が発せられている。
そんな状況の中、吉江からの連絡は何かが符合する物なのか。
緊急通信が入った。事の成り行きは大概緊急であるからそれ程驚く事も無いが、サキナが目覚め、ある事を口にした。
中国共産党主席、抗提起こうていきが、日本の首都である東京を攻撃するとの事だ。核でもなければ気化爆弾でもない。
そう、それが今回起こる、太陽フレアの伊重攻撃だと言う。
そんな事が可能なのか。熱量を特殊な器に入れ、焼き払おうというものらしい。
果たしてそんな夢見心地な攻撃が可能なのか。
しかしサキナは可能と言う。自信には溢れてないが困惑の中で迷いながらも通達はした。
もし、起きるとしたならば、AIサーボの連絡とサキナたちの知識欲の方面から来月頭にそれが来るらしい。
嘗て旧ソ連が開発し、衝撃波が地球を三周回ったとされる核、「ツアリlボンバ」と同等の破壊力を持つと言われている。
其れ一発で東京はおろか、関東が絶滅してしまう。
サキナを始め、他のギーク達も目覚める時が来たらしい。
これを食い止めるには弱小化した中国共産党が、台湾国を成立した日本とアメリカへの最後の復讐と捉えた言い訳である。
これを止めるには、中国共産党が密かに開発を進めていた、千周剛腕せんしゅうごうわんという太陽を利用した破壊兵器だ。
極秘に進めてられたと言っていたが、米国の透過カメラ搭載の衛星で逐一、監視されていた。
只、それが何のものなのか、論争の種になったので一旦保留とした。
それが二年前の事だった。
ロシアと協力した今までの対応とは違い、中国共産党、最後の賭けとまで揶揄される国内事情と民主化の凄まじい嵐に立ち向かう。聞こえはいいが、自滅を覚悟で最後にデカい花火を上げるつもりなのだ。
それがジェノサイドである今回の計画が、米国を始め英国のMI6にも筒向けは日本政府に届く前に、一矢報いたいという事だろう。実際、米国も英国も日本政府に対して警告を発してない。
実際、現実的でないと言うのが今回の対応なのだろうが、オーイックスが確認した時点で大型フレアが果たして一国の首都を消滅させる威力があるとは思えない。
しかし、ギークたちは静かな叫びを出している。
ビッグ・ワンよりビッグ・スリーに直座に連絡が行われた。ビッグ・スリーでは特需フォーカシングという壁や塀、金属を通して確認することの出来る眼がある。
当初、全てのビッグに搭載する計画だったが、費用対策の会議で却下された経緯がある。
潤いは現日本政府よりも遥にあるのに、内部事情で敵対する分子が有る為、内情をオーイックス公安保証部に任せているのだが、やはり組織が大きく成程、左手がしている事と右手がしている事が分からない現状がある。
それを一番避けたいのだが、高沢の感知することの出来ない静かな争いは確かに起きている。
話を戻そう。中国共産党軍部が今回の太陽フレアでの最後の攻撃で、日本にダメージを与える事により最終的に互いが消え去る事を入念している。
ギークたちのリーダーであるサキナの見解は、衛星BーBOXと言われる放射レーザーを千周剛腕の元を消し去る事が、守りに硬いものとするらしい。
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