2 / 15
内緒なの?(レイジ目線)
しおりを挟む
夜遅くなって、部屋のチャイムが鳴った。モニターを見ると、サングラスにマスク、フードを被った人が映っていた。これじゃ、誰だか分からないし。彼はそれに気づいたのか、サングラスを外した。よかった、テツヤ兄さんだ。
ドアを少し開けると、テツヤ兄さんが入って来た。マスクを外し、ニッコリ笑う。このギャップ、相変わらずえぐい。人形よりも綺麗な顔してるのに、笑うとこの上なく可愛い。あり得ない。
「歯ブラシとか持って来た?」
俺が聞くと、
「あ、忘れた。」
やっぱり。
「新しいの出すから、それ使ってよ。」
「うん。あ、でもシャンプーは持って来たよ。」
「シャンプーなんて、俺のを使えばいいのに。」
「だめだよ。俺の髪がお前と同じ匂いしてたら、兄さんたちにすぐバレるだろ。」
驚いた。
「え?内緒なの?」
うちに来た事、隠すの?
「だってお前、兄さんたちに言ってただろ。俺は家に人を入れない主義なんだって。それなのに俺が泊まったなんて知ったら、兄さんたちに何を言われるか。」
テツヤ兄さんはそう言って肩をすくめた。
「・・・聞いてたんだ。で、それ知ってて泊まっていいかって聞いたわけ?」
相変わらず読めないなあ。
「ダメ元で。」
へへへっとテツヤ兄さんは笑った。
「でも、どうして俺にはOKしてくれたんだ?その主義を曲げて。」
それを俺に聞くのか?テツヤ兄さんはずるい。だから、本当の答えは言ってやらない。
「テツヤ兄さんとは、昔いつも一緒に寝てたから。もはや気にならない。」
7人で一部屋に暮らしていた頃、俺とテツヤ兄さんは一つの布団で寝ていた。全員でほとんど雑魚寝だったわけだけど、特に年下二人でくっついて寝ていたのだ。端っこで。
「本当の事言ってもいいんだぜ。俺には気を遣わなくていいからだろ?兄さんたちが来たら気を遣うもんな。」
テツヤ兄さんはそう言ってまたにーっと笑った。またこの笑顔。それは本心なのか?やっぱり読めない。
この人を一言で言ったら、ずるい人。人一倍はしゃいで、明るいのに、人一倍繊細で傷つきやすい。危なっかしくて放っておけない。いつも見ていないと、心配で仕方ないんだ。そうやって、周囲の人を虜にする。ずるいよ。
二人はベッドの上に並んで横になった。明日も仕事だから、ちゃんと体を休めないとならない。
「なあレイジ、シャンプー置いてっていい?」
「え?なんで?」
「また泊まる時に使うから。」
「あ、ああ、うん。いいよ。」
テツヤ兄さんは嬉しそうに笑い、俺の事をぎゅっと抱きしめた。
「レイジ、好きだよ。」
テツヤ兄さんはそうつぶやいて、そのまま眠りについた。
全く・・・この態勢でそんな事言うなんて、ずるいよ。勝手に寝ちゃうし。
「テツヤ兄さん、俺も好きだよ。」
寝息を立てるテツヤ兄さんに、小声でそっと囁いた。
ドアを少し開けると、テツヤ兄さんが入って来た。マスクを外し、ニッコリ笑う。このギャップ、相変わらずえぐい。人形よりも綺麗な顔してるのに、笑うとこの上なく可愛い。あり得ない。
「歯ブラシとか持って来た?」
俺が聞くと、
「あ、忘れた。」
やっぱり。
「新しいの出すから、それ使ってよ。」
「うん。あ、でもシャンプーは持って来たよ。」
「シャンプーなんて、俺のを使えばいいのに。」
「だめだよ。俺の髪がお前と同じ匂いしてたら、兄さんたちにすぐバレるだろ。」
驚いた。
「え?内緒なの?」
うちに来た事、隠すの?
「だってお前、兄さんたちに言ってただろ。俺は家に人を入れない主義なんだって。それなのに俺が泊まったなんて知ったら、兄さんたちに何を言われるか。」
テツヤ兄さんはそう言って肩をすくめた。
「・・・聞いてたんだ。で、それ知ってて泊まっていいかって聞いたわけ?」
相変わらず読めないなあ。
「ダメ元で。」
へへへっとテツヤ兄さんは笑った。
「でも、どうして俺にはOKしてくれたんだ?その主義を曲げて。」
それを俺に聞くのか?テツヤ兄さんはずるい。だから、本当の答えは言ってやらない。
「テツヤ兄さんとは、昔いつも一緒に寝てたから。もはや気にならない。」
7人で一部屋に暮らしていた頃、俺とテツヤ兄さんは一つの布団で寝ていた。全員でほとんど雑魚寝だったわけだけど、特に年下二人でくっついて寝ていたのだ。端っこで。
「本当の事言ってもいいんだぜ。俺には気を遣わなくていいからだろ?兄さんたちが来たら気を遣うもんな。」
テツヤ兄さんはそう言ってまたにーっと笑った。またこの笑顔。それは本心なのか?やっぱり読めない。
この人を一言で言ったら、ずるい人。人一倍はしゃいで、明るいのに、人一倍繊細で傷つきやすい。危なっかしくて放っておけない。いつも見ていないと、心配で仕方ないんだ。そうやって、周囲の人を虜にする。ずるいよ。
二人はベッドの上に並んで横になった。明日も仕事だから、ちゃんと体を休めないとならない。
「なあレイジ、シャンプー置いてっていい?」
「え?なんで?」
「また泊まる時に使うから。」
「あ、ああ、うん。いいよ。」
テツヤ兄さんは嬉しそうに笑い、俺の事をぎゅっと抱きしめた。
「レイジ、好きだよ。」
テツヤ兄さんはそうつぶやいて、そのまま眠りについた。
全く・・・この態勢でそんな事言うなんて、ずるいよ。勝手に寝ちゃうし。
「テツヤ兄さん、俺も好きだよ。」
寝息を立てるテツヤ兄さんに、小声でそっと囁いた。
0
あなたにおすすめの小説
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
死神に狙われた少年は悪魔に甘やかされる
ユーリ
BL
魔法省に悪魔が降り立ったーー世話係に任命された花音は憂鬱だった。だって悪魔が胡散臭い。なのになぜか死神に狙われているからと一緒に住むことになり…しかも悪魔に甘やかされる!?
「お前みたいなドジでバカでかわいいやつが好きなんだよ」スパダリ悪魔×死神に狙われるドジっ子「なんか恋人みたい…」ーー死神に狙われた少年は悪魔に甘やかされる??
【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―
綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。
一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。
もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。
ルガルは生まれながらに選ばれし存在。
国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。
最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。
一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。
遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、
最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。
ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。
ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。
ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。
そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、
巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。
その頂点に立つ社長、一条レイ。
冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。
殿堂入りした愛なのに
たっぷりチョコ
BL
全寮の中高一貫校に通う、鈴村駆(すずむらかける)
今日からはれて高等部に進学する。
入学式最中、眠い目をこすりながら壇上に上がる特待生を見るなり衝撃が走る。
一生想い続ける。自分に誓った小学校の頃の初恋が今、目の前にーーー。
両片思いの一途すぎる話。BLです。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
【8話完結】恋愛を諦めたおじさんは、異世界で運命と出会う。
キノア9g
BL
恋愛を諦め、ただ淡々と日々を過ごしていた笠原透(32)。
しかし、ある日突然異世界へ召喚され、「王の番」だと告げられる。
迎えたのは、美しく気高い王・エルヴェル。
手厚いもてなしと優しさに戸惑いながらも、次第に心を揺さぶられていく透。
これは、愛を遠ざけてきた男が、本当のぬくもりに触れる物語。
──運命なんて、信じていなかった。
けれど、彼の言葉が、ぬくもりが、俺の世界を変えていく。
全8話。
人気俳優と恋に落ちたら
山吹レイ
BL
男性アイドルグループ『ムーンシュガー』のメンバーである冬木行理(ふゆき あんり)は、夜のクラブで人気俳優の柏原為純(かしわばら ためずみ)と出会う。
そこで為純からキスをされ、写真を撮られてしまった。
翌日、写真はネットニュースに取り上げられ、為純もなぜか交際を認める発言をしたことから、二人は付き合うふりをすることになり……。
完結しました。
※誤字脱字の加筆修正が入る場合があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる