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仲直り

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 「それで?何に怒ってたの?全部言って。」
ハイドは久しぶりにダイヤの部屋を訪れた。パジャマ姿の二人は、ダイヤのベッドに並んで腰かけていた。そして、ハイドがダイヤにこう問いかけたのである。
「レインさんは綺麗だもんね。ハイド、レインさんの事好きでしょ?」
ダイヤが上目使いでハイドを見ながらそう言った。
「くーっ、可愛い過ぎる!」
ハイドは目をぎゅっとつぶり、両手の拳を握ってそう言った。それから、
「レインさんは確かに美人だし、面白いし、俺と感覚が合うから好きだけど、恋してるわけじゃないよ。分かってるでしょ?」
と言った。
「分からないよ。だって、二人で笑い合ってると、お似合いなんだもん。」
ダイヤが足をぶらぶらさせながら言った。
「だから、いちいち可愛過ぎるんだってば。」
ハイドは顔がにやけるのを止められない。
「じゃあ、どうすればいい?レインさんとはしゃべらなければいいの?レインさんを見て笑わなければいい?」
ハイドがそう言うと、ダイヤはぷくっと頬を膨らませた。
「そんな事言ってないよ。家族だもん、しゃべっていいし、笑ったっていいけど。」
ダイヤがそう言うと、我慢できずにハイドはダイヤを抱きしめた。
「じゃあ、約束する。抱きしめるのは、ダイヤさんだけ。それでいい?」
抱きしめながら、ハイドが言った。ダイヤは腕をそっとハイドの背中に回して、
「うん。」
と言った。
「後は?レインさんの事だけじゃないって言ってたよね?何に怒ってたの?」
抱きしめたまま、ハイドが言う。
「僕の話をちゃんと聞いてくれなかったから・・・でも、もういいや。」
ダイヤが言った。ハグしたら、心のわだかまりも解ける。
「ああ、でも、一つだけ言っておきたい事がある。」
ダイヤが言った。
「何?」
ハイドがそう言って、ダイヤの顔を見た。
「僕が怒っても、出て行けって言っても、諦めずに何度でも来い。僕、ハイドが来なくなって、もう嫌われたと思って、それで・・・。」
ダイヤがそこまで言った時、ダイヤの目からぶわっと涙が溢れ出た。
「ダ、ダイヤさん・・・。ごめんなさい。でも、俺の方こそダイヤさんに嫌われたと思ったから・・・。」
ハイドがそう言うと、
「うわーん!」
いきなりダイヤが声を上げて泣き出した。ハイドは焦っておたおたして、ティッシュの箱を取りに行って、戻ってきて、ティッシュでダイヤの涙を拭いた。そして、そうっとダイヤを抱きしめた。
「ご、ごめん!ハイド、ごめん!僕が、僕が悪いよ、ね。ヒック。部屋に入れなかったり、無視、したり、ヒック。ごめん。嫌いにならないで!ヒック。」
泣きじゃくりながら、ダイヤがそう言った。
「ああ、ああ、もういいですって。俺も、もうダイヤさんを諦めないって決めたから。だから、もう泣かないで。」
止まらない涙を際限なくティッシュで拭き取ろうとするハイド。泣き続けるダイヤ。二人の周りにはティッシュの山が築かれた。

 鼻をチーンとかんで、ようやく落ち着いたダイヤ。それから、しばらく二人は黙って抱き合って座っていた。
 ハイドはゆっくりとダイヤの頭を撫でていたが、その動きを止め、ダイヤの顔を上に向けさせた。
「泣いても、ダイヤさんはやっぱり綺麗だ。」
そう言うと、ハイドはダイヤの唇に自分の唇を重ねた。誓いのキス。もう何があっても放さないと。
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