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第5章 お友達?になりました
休憩時間で事情説明…
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「…ミリュエンヌが満面の笑みで『サイスの婚約者とお友達になったのよ!』と言ってきたんだが…どういうことだ?」
そう切り出したのは主人であるアルフィリードだった。
知らなかったであろう、イーリアスたちはキョトンとした顔をしている。
「サイスは、婚約者いなかったよな?」フェルト
「聞いたことありませんね」イーリアス
「誰なんだ?」シェハル
その言葉にあのときの状況が頭によぎり、遠い目をしてしまうサイス。
なんとなく胸が温かくなって、ニコニコしているリシア。
二人の温度差に困惑しながら答えを待っていると、サイズが一つ咳払いをしてから話し始めた。
「それは、リシアのことです。ミリュエンヌ様が、リシアを殿下の恋人だと勘違いをしていらっしゃいまして…」
「はぁ?なんで…俺はミリュエンヌだけなのに!」
「それは本人に言ってあげてください。
お会いしたのが廊下でそのまま泣かれてしまって…」
「ミリュエンヌを泣かせたのか!!?」
「どちらかといえば原因は殿下です。
部屋までお送りして落ち着かせるために、リシアを婚約者として紹介しました」
「つまり、本当の婚約関係はないのですね」
「ええ。ありません」
きっぱりとした口調。それに温かかった胸がツキリと痛んだ。
だけどそれがどうしてなのかわからなくて、困惑してしまう。
そんな私を置いて、周りの会話は続く。
「ていうか、泣かせたってどういう意味だよ!」
「そもそも殿下がきちんと説明していれば問題のなかったことでしょう」
「うっ…」
「ミリュエンヌ様の国と我が国は海を隔てているのです。遠いところにいる恋人が不安になることは道理かと思います。手紙を送るなり、最悪こちらに来た時に話すなりいたしましたか?」
「うぅっ…」
「リシアをここに置くと決めたのも殿下です。私に当たるのは違うと思いますが?」
「……すまなかった……」
「それも、本人に言ってください」
サクサクとクッキーを食べながら、二人の会話(?)をきく。
気がつくと、アルフィリードのお茶はなくなっていて、私はそっと淹れた。
「リシア…ありがとう。それとごめん」
『いいえ。私はミリュエンヌ様と仲良くなれて嬉しいです』
「そう言ってくれるとありがたい」
私にはあんなに元気のいい人は周りにいなかった。
海の国はもとより、おばあさんも元気いっぱいってことはなくて、患者は元気になれば出て行く。
サイスの屋敷のみんなは穏やかであそこまでの溌剌さはなかった。
だから驚いたのだ。元気に笑っている彼女に。
同時になんだかまぶしいように感じた。そんな彼女と仲良くなれたのはとっても嬉しい。
それが素直な気持ちだった。
そう切り出したのは主人であるアルフィリードだった。
知らなかったであろう、イーリアスたちはキョトンとした顔をしている。
「サイスは、婚約者いなかったよな?」フェルト
「聞いたことありませんね」イーリアス
「誰なんだ?」シェハル
その言葉にあのときの状況が頭によぎり、遠い目をしてしまうサイス。
なんとなく胸が温かくなって、ニコニコしているリシア。
二人の温度差に困惑しながら答えを待っていると、サイズが一つ咳払いをしてから話し始めた。
「それは、リシアのことです。ミリュエンヌ様が、リシアを殿下の恋人だと勘違いをしていらっしゃいまして…」
「はぁ?なんで…俺はミリュエンヌだけなのに!」
「それは本人に言ってあげてください。
お会いしたのが廊下でそのまま泣かれてしまって…」
「ミリュエンヌを泣かせたのか!!?」
「どちらかといえば原因は殿下です。
部屋までお送りして落ち着かせるために、リシアを婚約者として紹介しました」
「つまり、本当の婚約関係はないのですね」
「ええ。ありません」
きっぱりとした口調。それに温かかった胸がツキリと痛んだ。
だけどそれがどうしてなのかわからなくて、困惑してしまう。
そんな私を置いて、周りの会話は続く。
「ていうか、泣かせたってどういう意味だよ!」
「そもそも殿下がきちんと説明していれば問題のなかったことでしょう」
「うっ…」
「ミリュエンヌ様の国と我が国は海を隔てているのです。遠いところにいる恋人が不安になることは道理かと思います。手紙を送るなり、最悪こちらに来た時に話すなりいたしましたか?」
「うぅっ…」
「リシアをここに置くと決めたのも殿下です。私に当たるのは違うと思いますが?」
「……すまなかった……」
「それも、本人に言ってください」
サクサクとクッキーを食べながら、二人の会話(?)をきく。
気がつくと、アルフィリードのお茶はなくなっていて、私はそっと淹れた。
「リシア…ありがとう。それとごめん」
『いいえ。私はミリュエンヌ様と仲良くなれて嬉しいです』
「そう言ってくれるとありがたい」
私にはあんなに元気のいい人は周りにいなかった。
海の国はもとより、おばあさんも元気いっぱいってことはなくて、患者は元気になれば出て行く。
サイスの屋敷のみんなは穏やかであそこまでの溌剌さはなかった。
だから驚いたのだ。元気に笑っている彼女に。
同時になんだかまぶしいように感じた。そんな彼女と仲良くなれたのはとっても嬉しい。
それが素直な気持ちだった。
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