ちょっと事故った人魚姫

ラズ

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終章 温かい宝石箱

むかしむかしのお伽話~愛された人魚姫~

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むかしむかしあるところに、美しいがゆえにいじめられていた人魚姫がいました。
人魚姫はいつも傷が絶えませんでした。
いじめに耐えられなくなった人魚姫は魔女のおばあさんに声を代償にして魔法の薬をもらい人間になりました。
しかし、人魚姫は海の中で飲んでしまい溺れてしまいました。

人魚姫は気がついたら大きな船に乗っていて助けられたことを知りました。
行き場のない人魚姫は船に乗って陸の国で働くことになりました。

海にいた人魚姫は陸の全てが新鮮です。
そして、そこで船が王族のものだと知り内心震えあがりました。
何故なら、平民は王族の前に姿を表すことすら罪で自分のいた国では首をはねられていたからです。

しかし、そんなことはなくまず働く練習をすることになりました。
働き方を優しく丁寧に教えてくれる執事さん。
おしゃべりしようと声をかけてくれるメイドさん。
そして、優しいご主人様。
人魚姫は陸はこんなに暖かい場所なんだと知りました。

しばらくして、お城に仕事場が変わりそこでも一生懸命頑張りました。
しかし、王子様付きのメイドは他のメイドから嫉妬を受けます。

他の側近は人魚姫の真面目な態度を知っているので庇い、傷つけることを許しませんでした。

そして、時が経って王子様は隣国の王女様と結婚すると宣言しました。側妃を娶る気はないそうです。
他のメイドは残念ね!と言いますが、人魚姫は気にしません。人魚姫は王子に恋をしていなかったからです。

そして、ある日のこと…事件が起こりました。
サンルームでお茶をしていると、突然魔女のおばあさんが現れました。
他の人魚がこの国に入り込んだようで、今しがた飲んでいた紅茶に魔女の薬を入れたそうなのです。
薬は姿を変えてしまうもので、そのままにしていれば鳥や犬に変わってしまいます。

効果を消すには人魚の逆鱗が必要でした。
国に入り込んでいる人魚は人魚姫を除いて三人。
しかし、紅茶を飲んだのは四人でした。

人魚姫は他の人魚を捕まえた後、自分の逆鱗を差し出しました。
人魚にとって逆鱗は命と同等。
それをためらいなく渡したのです。

何も知らないで人間は逆鱗を飲みました。
そして、海に行き…人魚姫は頭を下げて泡になりました。

何故泡になってしまったのかわからない人間たちは魔女のおばあさんから真相を聞いてなげき悲しみました。

そして、魔女に人魚姫を助けて欲しいと頼んだのです。
彼女は愛されていました。
優しい言葉、温かい言葉、気づかい…見た目ではなく、中身が彼女の魅力でした。

魔女が何かをする前に…人魚姫の飲んだ魔法の薬は完成して、人魚姫は人間に変わりました。
それをみんなで喜び、笑いあいました。
気づけばおばあさんはいなくなっていました。

その後、元人魚姫は王子様の側近と結ばれて二人の子供を産み、幸せに暮らしましたとさ



おしまい





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というわけで完結です!
ご愛読ありがとうございました!

こんな終わり方でしたが、いかがだったでしょう?

終わりの方はハイスピードで書いたので少し?荒いです。

感想…返信できないかもしれませんが、読んでいますのでご了承ください。

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