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第9章 誰も死なせない!
4話
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閉ざされた医務室の扉の隙間から、黒い煙がもくもくと廊下まで漏れ出ていた。
何が起こっているのか、詳しく説明を受けなくても、優はすぐに事態を理解することができた。朱雀の炎が冷たく変わってしまっているのが、扉の外からでも感じられたからだ。
普通なら、この闇の渦の中に入ることを戸惑うはずだが、空は、医務室の扉ごとぶち抜いて、優を抱えたまま中に飛び込んで行った。
「優を連れて来た! 朱雀、吏紀! どこだ」
真っ暗で何も見えない中で、空が大声を上げると、奥から「ここだ」と言う吏紀の声が聞こえて来た。
その声に力がない。
今、医務室の中は闇で満ちていて、その場にいた永久も、それからたった今入って来たばかりの空も、糸のような闇に体を絡め取られて、自由な動きを封じられた。
――「朱雀」
優の瞳がシュコロボヴィッツの輝きに染まった。
杖も召喚せずに、まっすぐに声のした部屋の奥へ、闇を掻き分けて進んで行く。
闇のベールを掻き分けて見ると、床の上にうずくまる朱雀を、吏紀が抱きかかえていた。
その吏紀の体も闇にすっぽり覆われて、アメジストの力が今にも消えそうだ。危険な状態だ。
朱雀の闇は、側に居る光の魔法使いをも道連れにするかのように、強い邪気の引力を放っている。
優は変わり果てた朱雀の姿を、涙ぐみながら見下ろした。
朱雀の目は真っ黒で、その瞳はもう、何ものも映し出してはいない。ただ冷たく宙を彷徨っている。
「朱雀。」
優は朱雀の前に跪くと、闇の中にいる朱雀の顔を、そっと両手で包みこんだ。
不思議な事に、闇は優に纏わりつくことができなかった。
「ここにいるよ。私のことが見える? ……グルエリオーサのこと、ありがとう。大好きだよ、朱雀」
優が捧げたのは、感謝と大好きの気持ち。
他に、どんな魔法の言葉も唱えなかった。力は意味をもたないことを、優は本能で悟っていたのだ。
そうして優は真っ暗な朱雀に口づけると、朱雀のことを、強く強く抱きしめた。絶対に、離さない。
全ての時が停止したかに見えた。
部屋の中で獰猛にうごめいていた闇が、突如に動きを止め、吏紀、空、永久の3人に纏わりついていた闇の糸がわずかに緩む。
「――優。」
朱雀の冷たい手が、かすかに動いて、優の体を押し返す。
「俺、から……離れろ。お前、まで、道連れに……」
「大丈夫だよ。全然、大丈夫だよ朱雀。傍に居るよ。だからお願い、私たちを置いて行ってしまわないで」
力をこめて朱雀を抱きしめる優の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
「俺は……」
優の腕の中で、朱雀は目を閉じた。……なんて、温かいんだろう。
幼いころの記憶。親に愛されなかった痛みや孤独。大切なものを奪われた悲しみ。恐れていた闇。朱雀の内にあったあらゆる負の感情が、優の温かさの中で解けて、軽くなってゆく。
「……ここに居たいよ。優の傍にいて、――どこにも行きたくない」
閉じられた朱雀の瞼から、涙が流れ出た。
すぐ傍にある。願っても手に入れられないと思っていた存在が、朱雀のすぐ傍に。
この身を裂くほど愛おしい人。
「優のことが、好きだからな」
その瞬間、優の体から炎の力が流れ出て、時を止めていた闇の中で勢いよく広がった。暖炉から炎が吹きだし、部屋中に熱気がたちこめる。
絡みついていた闇は、灰のように吹き散ってたちどころに消え去った。
目の前の眩しさに眉をしかめながら、朱雀がうっすらと瞼を上げたとき。
この世で最も美しいと思える人を見た。
かつてベラドンナ女学園の真理の鏡の中で見たそのままの姿の優が、今まさに、朱雀の腕の中にいる。
紅に輝くシュコロヴィッツの瞳が朱雀を見下ろし、炎の巻き毛が朱雀の顔に優しく降りかかる。幼さの残るイタズラな口元が笑っていて、涙の雫に濡れた睫毛がキレイだ。
でも、朱雀が何より嬉しいと感じたのは、ただ、優がそこに居てくれたことだった。朱雀の傍に。
「大好きだよ、朱雀」
「ああ、今やっと、わかったよ……」
誰かのことを好きになって、同じように、誰かに好きになってもらうことで、人は本当の愛を知る。
朱雀の体に優の温かさが伝わり、心臓の鼓動が再び命の息を吹き返した時、朱雀の瞳に光が戻った。
吏紀と空が、安堵に屑折れて呆れたように笑みを浮かべる。
「朱雀……やればできるじゃないか」
「信じてたけど、本当に戻って来るなんて……マジですげーよ」
やがて二人はこらえきれないとばかりに顔をしかめて、まだ抱き合ったままの朱雀と優に、腕を回してすがりついた。
驚いたことに、吏紀も空も嗚咽を漏らして泣いている。
「よかった……」
壁際に立たずむ永久も、抱き合う4人を見てゲフゲフと泣きだした。
誰もが心の中で諦めかけていた。あれだけ圧倒的に迫って来る闇を払いのけて、朱雀の内なる光が戻ってくることを。
直後、流和と、猿飛業校長が杖を構えて医務室に飛び込んできた。
そして、暖炉で燃える穏やかな炎と、朱雀を抱きしめて笑っている優や、空や吏紀を見て、これは一体何事かと、驚くのだった。
巨大な闇の力が働いているのを感じて駆けつけて来た業校長だったが、いざ医務室に来てみると、何事もなかったかのように、高円寺朱雀の中では温かな炎の力が瞬いていた。その炎は以前よりも静かに、だが強く、燃えている。そこには、闇の気配も、以前の危うさも、少しも感じられない。
「ほほお」
猿飛校長はチラと優を見ると、すべてを悟って微笑んだ。
明王児、優。まさしくそなたはナジアスの娘じゃな。シュコロボヴィッツを救いし乙女。
「一体、何があったの?」
流和が、永久に問い掛けた。
すると、永久は嬉しそうに振り返る。
「朱雀くんが、闇に打ち勝ったの。私たちみんなが、そのことの証人だわ!」
「なるほど、私だけが、その歴史的瞬間を見逃したってわけね」
流和が、少し残念そうに呟いた。
かつては、闇に堕ちてゆく魔法使いを光の世界に連れ戻すことは可能かという問いに、誰も「YES」と答えられなかった。
しかし今日から、光の魔法使いたちは確信を持って断言するだろう。
もしも彼が光にとどまることを願うなら、救い出すことは可能だと。答えは「YES」だ。
優に付き添われて、すっかり顔色のよくなった朱雀がベッドに横たわるのを眺めながら、流和の内には一縷の希望がさしていた。それは、沈黙の山で闇の魔法使いたちのもとへ去って行ってしまった、聖羅のことについてだった。もしかすると、聖羅を取り戻すことも可能かもしれない、諦めるのはまだ早いのだと、流和は思った。
床の上に転がっていた、朱雀の黄金の杖を拾い上げて、優はそれを朱雀のベッドの脇に立て掛けた。ルビーは以前のように、熱い炎の輝きで瞬いている。
優が着ているパーティードレスには、朱雀を沼から助け出した時の泥がついてしまっている。
けれど、あれだけいろいろなことがあったのに、優の左手首のアンジェリケのコサージュは、まだ生き生きと咲いていた。
――今夜、僕と一緒に踊って下さい。僕は愛の芽生えを夢見ています。
花言葉の意味が、その通りになった。
優と朱雀の間に生まれた、小さな恋は、今、少しずつ形を変えようとしていた。
光を掴むように。花が開くように。
「おやすみ。また明日ね」
「キスは口にしてほしい。できれば、さっきみたいに火花が散らない緩めのやつで」
朱雀は、沼地で受けた優の手荒い人工呼吸のことを言ったのだった。
優はニコリと笑って、だが眼光鋭く、隣のベッドにいる空と吏紀には余計なことを話さないでよ、と暗黙のうちに牽制をした。
そうして優が流和と永久と連れだって女子寮に戻って行ってしまってから、空が聞いた。
「火花が散るキスって、どんな意味?」
「文字通りの意味さ……」
と、朱雀がベッドの中で寝返りを打ってうつ伏せになる。
「死の沼で溺れた俺に、優が人工呼吸をしたんだ。その瞬間、あり得ない勢いで火花が散ってさ……ただでさえ死にかけてた俺は、とどめを刺されそうになったんだ」
「火花が? なんでまた」
「さあね。けど、相手が俺じゃなかったら、優は無意識に何度も男を殺すタイプだよ」
そう言いながら、朱雀が少し笑った。
この先、何度、火花が散ろうとも。
朱雀はきっと、優とキスすることを選ぶだろう。
その夜、朱雀は久しく悪夢のない、温かな気持ちで、グッスリと眠った。
何が起こっているのか、詳しく説明を受けなくても、優はすぐに事態を理解することができた。朱雀の炎が冷たく変わってしまっているのが、扉の外からでも感じられたからだ。
普通なら、この闇の渦の中に入ることを戸惑うはずだが、空は、医務室の扉ごとぶち抜いて、優を抱えたまま中に飛び込んで行った。
「優を連れて来た! 朱雀、吏紀! どこだ」
真っ暗で何も見えない中で、空が大声を上げると、奥から「ここだ」と言う吏紀の声が聞こえて来た。
その声に力がない。
今、医務室の中は闇で満ちていて、その場にいた永久も、それからたった今入って来たばかりの空も、糸のような闇に体を絡め取られて、自由な動きを封じられた。
――「朱雀」
優の瞳がシュコロボヴィッツの輝きに染まった。
杖も召喚せずに、まっすぐに声のした部屋の奥へ、闇を掻き分けて進んで行く。
闇のベールを掻き分けて見ると、床の上にうずくまる朱雀を、吏紀が抱きかかえていた。
その吏紀の体も闇にすっぽり覆われて、アメジストの力が今にも消えそうだ。危険な状態だ。
朱雀の闇は、側に居る光の魔法使いをも道連れにするかのように、強い邪気の引力を放っている。
優は変わり果てた朱雀の姿を、涙ぐみながら見下ろした。
朱雀の目は真っ黒で、その瞳はもう、何ものも映し出してはいない。ただ冷たく宙を彷徨っている。
「朱雀。」
優は朱雀の前に跪くと、闇の中にいる朱雀の顔を、そっと両手で包みこんだ。
不思議な事に、闇は優に纏わりつくことができなかった。
「ここにいるよ。私のことが見える? ……グルエリオーサのこと、ありがとう。大好きだよ、朱雀」
優が捧げたのは、感謝と大好きの気持ち。
他に、どんな魔法の言葉も唱えなかった。力は意味をもたないことを、優は本能で悟っていたのだ。
そうして優は真っ暗な朱雀に口づけると、朱雀のことを、強く強く抱きしめた。絶対に、離さない。
全ての時が停止したかに見えた。
部屋の中で獰猛にうごめいていた闇が、突如に動きを止め、吏紀、空、永久の3人に纏わりついていた闇の糸がわずかに緩む。
「――優。」
朱雀の冷たい手が、かすかに動いて、優の体を押し返す。
「俺、から……離れろ。お前、まで、道連れに……」
「大丈夫だよ。全然、大丈夫だよ朱雀。傍に居るよ。だからお願い、私たちを置いて行ってしまわないで」
力をこめて朱雀を抱きしめる優の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
「俺は……」
優の腕の中で、朱雀は目を閉じた。……なんて、温かいんだろう。
幼いころの記憶。親に愛されなかった痛みや孤独。大切なものを奪われた悲しみ。恐れていた闇。朱雀の内にあったあらゆる負の感情が、優の温かさの中で解けて、軽くなってゆく。
「……ここに居たいよ。優の傍にいて、――どこにも行きたくない」
閉じられた朱雀の瞼から、涙が流れ出た。
すぐ傍にある。願っても手に入れられないと思っていた存在が、朱雀のすぐ傍に。
この身を裂くほど愛おしい人。
「優のことが、好きだからな」
その瞬間、優の体から炎の力が流れ出て、時を止めていた闇の中で勢いよく広がった。暖炉から炎が吹きだし、部屋中に熱気がたちこめる。
絡みついていた闇は、灰のように吹き散ってたちどころに消え去った。
目の前の眩しさに眉をしかめながら、朱雀がうっすらと瞼を上げたとき。
この世で最も美しいと思える人を見た。
かつてベラドンナ女学園の真理の鏡の中で見たそのままの姿の優が、今まさに、朱雀の腕の中にいる。
紅に輝くシュコロヴィッツの瞳が朱雀を見下ろし、炎の巻き毛が朱雀の顔に優しく降りかかる。幼さの残るイタズラな口元が笑っていて、涙の雫に濡れた睫毛がキレイだ。
でも、朱雀が何より嬉しいと感じたのは、ただ、優がそこに居てくれたことだった。朱雀の傍に。
「大好きだよ、朱雀」
「ああ、今やっと、わかったよ……」
誰かのことを好きになって、同じように、誰かに好きになってもらうことで、人は本当の愛を知る。
朱雀の体に優の温かさが伝わり、心臓の鼓動が再び命の息を吹き返した時、朱雀の瞳に光が戻った。
吏紀と空が、安堵に屑折れて呆れたように笑みを浮かべる。
「朱雀……やればできるじゃないか」
「信じてたけど、本当に戻って来るなんて……マジですげーよ」
やがて二人はこらえきれないとばかりに顔をしかめて、まだ抱き合ったままの朱雀と優に、腕を回してすがりついた。
驚いたことに、吏紀も空も嗚咽を漏らして泣いている。
「よかった……」
壁際に立たずむ永久も、抱き合う4人を見てゲフゲフと泣きだした。
誰もが心の中で諦めかけていた。あれだけ圧倒的に迫って来る闇を払いのけて、朱雀の内なる光が戻ってくることを。
直後、流和と、猿飛業校長が杖を構えて医務室に飛び込んできた。
そして、暖炉で燃える穏やかな炎と、朱雀を抱きしめて笑っている優や、空や吏紀を見て、これは一体何事かと、驚くのだった。
巨大な闇の力が働いているのを感じて駆けつけて来た業校長だったが、いざ医務室に来てみると、何事もなかったかのように、高円寺朱雀の中では温かな炎の力が瞬いていた。その炎は以前よりも静かに、だが強く、燃えている。そこには、闇の気配も、以前の危うさも、少しも感じられない。
「ほほお」
猿飛校長はチラと優を見ると、すべてを悟って微笑んだ。
明王児、優。まさしくそなたはナジアスの娘じゃな。シュコロボヴィッツを救いし乙女。
「一体、何があったの?」
流和が、永久に問い掛けた。
すると、永久は嬉しそうに振り返る。
「朱雀くんが、闇に打ち勝ったの。私たちみんなが、そのことの証人だわ!」
「なるほど、私だけが、その歴史的瞬間を見逃したってわけね」
流和が、少し残念そうに呟いた。
かつては、闇に堕ちてゆく魔法使いを光の世界に連れ戻すことは可能かという問いに、誰も「YES」と答えられなかった。
しかし今日から、光の魔法使いたちは確信を持って断言するだろう。
もしも彼が光にとどまることを願うなら、救い出すことは可能だと。答えは「YES」だ。
優に付き添われて、すっかり顔色のよくなった朱雀がベッドに横たわるのを眺めながら、流和の内には一縷の希望がさしていた。それは、沈黙の山で闇の魔法使いたちのもとへ去って行ってしまった、聖羅のことについてだった。もしかすると、聖羅を取り戻すことも可能かもしれない、諦めるのはまだ早いのだと、流和は思った。
床の上に転がっていた、朱雀の黄金の杖を拾い上げて、優はそれを朱雀のベッドの脇に立て掛けた。ルビーは以前のように、熱い炎の輝きで瞬いている。
優が着ているパーティードレスには、朱雀を沼から助け出した時の泥がついてしまっている。
けれど、あれだけいろいろなことがあったのに、優の左手首のアンジェリケのコサージュは、まだ生き生きと咲いていた。
――今夜、僕と一緒に踊って下さい。僕は愛の芽生えを夢見ています。
花言葉の意味が、その通りになった。
優と朱雀の間に生まれた、小さな恋は、今、少しずつ形を変えようとしていた。
光を掴むように。花が開くように。
「おやすみ。また明日ね」
「キスは口にしてほしい。できれば、さっきみたいに火花が散らない緩めのやつで」
朱雀は、沼地で受けた優の手荒い人工呼吸のことを言ったのだった。
優はニコリと笑って、だが眼光鋭く、隣のベッドにいる空と吏紀には余計なことを話さないでよ、と暗黙のうちに牽制をした。
そうして優が流和と永久と連れだって女子寮に戻って行ってしまってから、空が聞いた。
「火花が散るキスって、どんな意味?」
「文字通りの意味さ……」
と、朱雀がベッドの中で寝返りを打ってうつ伏せになる。
「死の沼で溺れた俺に、優が人工呼吸をしたんだ。その瞬間、あり得ない勢いで火花が散ってさ……ただでさえ死にかけてた俺は、とどめを刺されそうになったんだ」
「火花が? なんでまた」
「さあね。けど、相手が俺じゃなかったら、優は無意識に何度も男を殺すタイプだよ」
そう言いながら、朱雀が少し笑った。
この先、何度、火花が散ろうとも。
朱雀はきっと、優とキスすることを選ぶだろう。
その夜、朱雀は久しく悪夢のない、温かな気持ちで、グッスリと眠った。
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