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第9章 誰も死なせない!
14話
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朱雀と優が別れたという話は、瞬く間にダイナモンの生徒の間に広がった。噂は一人歩きして、『朱雀が浮気して優に振られた』という説が最も有力になった。
周囲の生徒たちにどう噂されようとも、朱雀は平気な顔で医務室から退院した。
優は一日中、朱雀を避けているようだったけれど、それも朱雀は気にしない。夜の訓練の時間になればイヤでも顔を合わせることになるだろう。
空と吏紀は何も聞いてこなかった。
もともと、朱雀に関する噂話には大して興味を示さない二人だ。というのも、その噂の大半が根も葉もない嘘だと知っているからだ。
制服をダメにされるかもしれないから、夜の訓練には私服で参加するほうがいいという助言を受けて、朱雀は素直に従った。制服がダメになろうと気にはしないが、私服のほうが楽で動きやすいのは事実だ。
一方、優はその夜の練習には参加したくないとグズり始めていた。
優がまた子どものようにヘソを曲げていると知って、流和と永久は冷静に説得にあたった。
「朱雀くんに会いたくないんでしょう」
「変な噂が出回ってるわよ。あなたたち昨日、一体なにがあったの? 何か嫌な事をされたの?」
優はその日ずっと深刻な顔で押し黙っていたのだが、親友たちに訳をきかれて、何か重大な秘密を打ち明ける人のように苦悶の表情を浮かべた。
「朱雀は、バージンじゃないらしいの……」
言ってしまってから、優はまたショックを受けたように両手で顔を覆って屑折れた。
流和と永久が、暗黙のうちに顔を見合わせて、少しだけ首をかしげた。
「……、それだけ?」
「それだけ、って! 大変なことでしょう? 私、そんな破廉恥な人とは付き合えないよ! だから昨日、別れたの。もう朱雀には会えないと思う」
「けど、それって別に、意外なことでもないでしょう?」
「え!?」
永久の言葉に、優が目を丸くして聞き返した。
「知ってたの!?」
「知ってたわ」
と、流和。
「知ってはいないけど、多分そうだろうなとは、予測できたんじゃない? これまでの言動から、なんとなく」
と、永久。
すると、今度は優が涙を流しながら訴えた。
「朱雀と私って、考え方が違いすぎると思うの。私は、高校生でそういうことをするのは早すぎると思うの。なのに朱雀は、……全然、そんなの大したことじゃないみたいに言って」
「もしかして朱雀に強要されたの? 何か強引なことをされた?」
「朱雀はそんなことしないよ」
優の返答に、心なしか流和がホッと胸を撫で下ろす。
「それなら、そんなに思いつめることないんじゃない? 性に関しての進展具合は人それぞれだし、誰にだって過去に過ちの一つや二つはあると思うわ。確かに私の知ってる朱雀は、少し前まではかなり、不道徳な人だったけど、優に出会ってかなり変わったと思うし」
「うん、そうだよ優。朱雀くんが優の気持ちを尊重してくれるんなら、彼の過去のことにこだわる必要はないんじゃない? 優がいいと思うときまで、体の関係を控えればいいだけだよ」
「本当にそうかな。私、朱雀のことが、宇宙人みたいに恐くなっちゃったんだよ。今じゃ全く未知の存在って気がするの。これまではすごく安心できてたのに。なんていうか、お父さんみたいにホッとするっていうか」
「朱雀は優のお父さんじゃないのよ?」
「そんなの知ってるよ」
ウブだなあ、と、流和も永久も心の中で思った。女の子なら誰しも、自分の父親のような男性に憧れるものだけど、優は朱雀のことを、もう少し一人の成熟した青年として意識するべきだ。朱雀のことで優がこんなにショックを受けるのがその証拠と言えよう。
けれど、優の心が深く傷つき、動揺しているのを知って、二人ともそれ以上は強く言い含めようとしなかった。
性について初めて知った子どもが、一度は経験する深いショックと驚きと、嫌悪感を思い出しながら。
「朱雀との関係はこれからゆっくり時間をかけて築き直すとして、でも、今夜の特訓には参加するべきだと思うわ」
最後に流和にそう言われて、優はしぶしぶイチジク寮から広間に降りて行く決意をしたのだった。
魔女との戦いを前に、私的感情を挟むのは良くないと思ったからだ。
階下には、すでに優たち以外の全員が集まっていて、今日の訓練の打ち合わせをしているところだった。「朱雀は優とペアになって、」という吏紀の言葉に、優の顔から途端に血の気が引いた。
朱雀が、広間の中央で振り返った。
黒いパンツに、首元が開いたグレーのカットソーを何気なく着ている朱雀は、流和や美空が制服のときより良く見えるのと同じように、なんだかいつもよりも大人っぽく見えた。
たちまちに優の心に不安のモヤモヤした感情が浮かんで来て、優はかなり不自然に朱雀から目をそらしてしまった。
これにはさすがに朱雀も傷ついたが、あくまでも平静を装って優のところにやって来た。
「攻撃魔法と支援魔法、どっちから試す? お前が決めろ」
ぎこちない二人の雰囲気をすぐに感じ取って、空が流和に耳打ちした。
「あの二人、また喧嘩したのか?」
「単純な喧嘩よりも、ちょっと深刻かも」
「なんだよ」
「優は朱雀を恐がってるの。それというのも、朱雀が優にとっては『未知の経験』をした人だから……」
詳細を説明しても空は理解しないだろうな、と思って、流和はそれ以上詳しくは話さなかった。
「とにかく、今夜は朱雀の紳士度が試されるわね」
流和は横目に優と朱雀の二人を見つめてから、空と一緒に、美空、東條、吏紀、永久との訓練の輪に入って行った。
今、広間の端の方で、優と朱雀が二人きりで向き合っている。
「初めに言っておくが、俺は別れたつもりはないからな」
「もう、朱雀とは付き合えない」
「なんで。俺が童貞じゃないのがそんなに気に入らないのか」
優の中にあるのが自分に対する怒りなのか嫉妬なのか、朱雀には理解できなかった。
「地下浴場で、朱雀が素っ裸になって追いかけて来たことがあったでしょう。あのとき、私、すごく恐かったの。でも今は、あのときよりも朱雀が恐い」
「恐いって、どうして?」
「朱雀があまりに、私の常識や倫理観とかけ離れてるから、きっと私たち、気付かないところでもっとたくさん食い違っているはずだよ」
いや、大抵の食い違いはこれまで朱雀自身が補填してきたから問題ない、と朱雀は思った。
「セックスすることが問題なら、優とはあと2年間はそういうことをしないと約束する」
「……そういうことじゃないでしょう。期間を定めればいいって問題じゃないよ!」
「じゃあどうすればいいんだ。魔法使いでも過去は変えられないぞ」
「私にとっては、セックスは特別な愛の行為なの。だから、そういうことは結婚した夫婦しかするべきじゃないと思う、絶対に」
「それじゃあこれからは結婚するまでそういうことをしないと約束する」
朱雀があまりに流暢に言葉を並べたせいか、優が疑うような視線を向けて来た。
「なんだよ」
「なんか嘘くさい」
「約束は守る」
「絶対に?」
「約束する。絶対だ」
「でもまだ、朱雀のことが恐い」
「別にしばらくはそれでいいけど、あからさまに目をそらすのはなしだろ。結構、こたえるゼ」
言いながら朱雀が近づくと、今度は優があからさまに後ろに飛びのいて距離を開けた。
「ふうん。そっちがそういうつもりなら、いいだろう」
朱雀は立ち止まり、ズボンのポケットに両手を突っ込んで、真っすぐに優を見つめた。
「じゃあ始めるか。これから俺はお前を捕まえて、強引にキスをする。それが嫌なら、本気で逃げるか俺を倒すかしてみろ。東條との訓練の成果を見せるチャンスだぜ、優」
朱雀は優に向けて優しく微笑むと、直後、瞬身魔法でその場から姿を消した。
後ろ! 咄嗟に優は前に飛び出ると、朱雀の腕を交わしてルビーの杖を召喚した。
牽制のつもりで、優は杖の先から炎を噴き出し、朱雀に向けた。だが、朱雀は軽々と素手でその炎を払いのけて近づいて来る。
どうしようか、と、優は集中した。空を相手にするのとは違って、朱雀を相手に近接攻撃は分が悪いように思える。それに、自分を捕捉しようとしている相手には近づきたくなかった。特に今、朱雀とは、正面からまともにやり合うのはダメだ。
そう思った時、優は『空』の中に身を潜めて、魔力探知防御魔法を発動した。
優の姿を完全に見失った朱雀が苦笑する。肉眼でも見えず、魔力探知魔法でも感じられない。いつも当たり前のように感じられる優の炎の温かさが、完全に消失する瞬間。
世界のどこにも優がいないと感じる時間。
「だからイヤだったんだ」
次の瞬間、足もとに魔法の気配を感じた朱雀はハッとして背後に飛びのき、そのまま後方宙返りで地面に両手をついてから、さらに遠くに退避した。直後、ほとんど朱雀をかすめるように、地面が粉塵を舞いあげて大爆発を起こした。
「おい! ここにはお前たち以外の【平凡な】魔法使いもいるんだからな! 少しは考えてくれよ」
と、粉塵爆発に巻き込まれそうになった東條が怒鳴っている。
舞い上がった埃で視界が塞がれる中、朱雀は新たな炎の力を感じ取って身構えた。
「ファイヤー・ボール!」
どこからともなく優の声がして、マグマを思わせる火の大玉が朱雀を目がけていくつも襲いかかって来た。
「ファイヤー・ボールだって? そんな可愛いもんじゃないだろう」
呆れたように舌打ちしながら、朱雀が黄金のルビーの杖を召喚して、火の玉を打ち返した。地面についた朱雀の足が、衝撃で後ろに滑る。
硬と柔を併せ持つ優のファイヤー・ボールは、朱雀でさえ素手で触りたくないと思う代物だった。おまけに床や壁に当たると自ら回転を加えて跳ねかえり、何度も朱雀に襲いかかって来るようだ。火の玉が当たるところすべて、大理石の床や壁にまで次々に炎が燃え移っていった。
跳ね返したり、交わしたりするのではキリがないし、周囲に被害が拡大する。
朱雀は片手で杖を回すと、素早く炎の守護壁を形成してファイヤー・ボールを防いだ。その間に、空いている方の手で、指をこめかみの前に合わせて長い詠唱を行い始めた。
詠唱の間にも守護壁にファイヤー・ボールが打ち当って来る衝撃に耐え、やがて、朱雀の瞳がシュコロボヴィッツの強い輝きを帯びる。
「封印魔法、エクソ・テニグ・シーリアム」
ドドーン! という凄まじい破裂音とともに、空間に大きな風船のような歪みが現れ、優のファイヤー・ボールが次々とその中に吸い込まれていった。
そうしてあっという間に優のファイヤー・ボールをすべて吸い込んでしまってから、最後に朱雀が素早く指先を振って叫んだ。
「滅!」
瞬間、風船が割れてキラキラ光る火の粉の欠片が辺りに飛び散り、完全に消えた。
ファイヤー・ボールが消えると、床や壁に燃え移っていた炎も終息し、白い煙がもくもくと立ち上った。その狭間に優の姿を認めて、朱雀がまた微笑んだ。
「手こずらせてくれるじゃないか。まあ、そのほうが【燃える】けど」
シュコロボヴィッツの瞳を輝かせた優が杖を構えた。朱雀は少しだけ目を細めて――綺麗だ、と思った。
そうして朱雀も、敬意をこめて優に杖を構えて見せた。
「フランマ!」
「フランマ!」
紅と蒼の炎が激しくぶつかり合い、広間中に灼熱がたちこめる。
「お前たちいい加減にしろ! ここは仮にも『室内』なんだぞ!」
「ケンカは外でやれ!」
今度は吏紀と空が同時に怒鳴るが、その声は炎の轟きに掻き消された。
大気が焼ける音以外には何も聞こえない、何も。
それなのに優は、指先に触れる炎に朱雀の声を感じた。
――優。
激しい炎の中を、朱雀がこっちに向かって歩いて来るのが見える。押し返しても押し返しても、朱雀は止まらない。
「来ないで!」
――優、大好きだよ。
見ると朱雀の手には、もう黄金のルビーの杖は握られていなかった。優の大好きな手がそっと優の肩に触れて、すっぽりと朱雀の腕の中に抱き寄せた。
紅と蒼が織りなす美しい炎の中で、こらえきれなくなって、優がメソメソとしゃくりあげた。
「泣くなよ」
「だって、私が全然知らない人みたいなんだもん。大好きで、すごく傍にいると思ってたのに、朱雀のことが急に恐くなっちゃったんだもん。あっちへ行ってよ!」
「逃げても捕まえるし、イヤだと言っても放さない」
「朱雀のこと、本当に嫌いになっちゃうよ! 朱雀のことがすごく恐いけど、嫌いになっちゃうのはもっと、ずっと、ずっと、……悲しいよう」
「どんなに嫌われても、何度だって、また好きにならせるから、泣くな」
「ムヘッ、ム、ウウ……本当は、好きなんだよう……」
涙と鼻水でグシャグシャになった優の顔を、朱雀が両手で優しく包みこんだ。
「この世のものとは思えないほど、酷い顔だぜ、優」
朱雀の親指が優の唇に触れたかと思うと、温かい唇が、濡れた優の唇を塞いだ。涙が混ざって、しょっぱい味がした。
それからギュっと抱きしめられて、優はまた、朱雀と一緒にいて安心できる気持ちがした。でも、朱雀はもうお父さんみたいな人ではないんだな、と優は気がついた。もっと別の、くすぐったすぎて心配になっちゃうような、もどかしい感じ。お菓子に例えると、すごく甘いのに、すごく苦くて、どんな味だったかなって、何度も確かめてみたくなる感じに似てる。
「これからは、キスも心も体も全部お前にやるから、優も俺に約束しろ。全部、俺に渡すって」
「うん、約束する」
「絶対に?」
「うん、絶対に」
炎が鎮まったとき、二人はまた恋人同士に戻っていた。
けれど周りにいた仲間たちは、命からがら灼熱の炎から逃げおおせたので、心中穏やかではなく、この後、優と朱雀の二人はしばらくみんなから責められることになった。
「常識がないんだよ、お前たちは」
吏紀が恐い顔で朱雀と優を睨んだ。こんなに吏紀が怒るのも珍しいかもしれない。
「優がフェニックスを召喚しなかっただけ、まだ常識的だったと思うぞ。あれは俺の封印術でも抑えられないから、内心では、フェニックスだけは勘弁してくれよ、ってヒヤヒヤしてたんだ」
と、朱雀が心情を明かした。
「フェニックスは室内で召喚しないよ、危ないもん」
優が、そんなことするわけないじゃんという顔でみんなを見回すと、空が皮肉たっぷりに言う。
「できれば、室内の『火遊び』も禁止にしてほしいね」
「まあ、なにはともあれ、二人が仲直りして良かったわよ」
と、流和が言うと、今度は美空が目を見開いた。
「なに、ケンカしてたの? てっきり本気のデュエルかと。ケンカですって!? 私たちそれに巻き込まれて大怪我しそうになったわけ? 呆れた!」
「ケンカっていうか……優が一方的に怒ってたんだよ」
「朱雀が私を挑発したんでしょ、捕まえるって」
「そうだっけ」
と、朱雀が悪びれることなく言い捨てた。
「あ! そういうこと言う?」
優と朱雀がまたやり合いそうになったので、吏紀が素早く間に入った。
「とにかく! こういうことは金輪際、ないようにしてくれ」
「悪かった。気をつける」
珍しく朱雀が素直に謝る姿勢を見せたことに、吏紀をはじめとして、美空や東條、空が少しだけ息をのむ。
けれど、今回は優のファイヤー・ボールがもたらした損害が最たるところだったので、優は朱雀の背中から顔をだして、みんなに申し訳なさそうに頭を垂れた。
「わかりました。ごめん」
周囲の生徒たちにどう噂されようとも、朱雀は平気な顔で医務室から退院した。
優は一日中、朱雀を避けているようだったけれど、それも朱雀は気にしない。夜の訓練の時間になればイヤでも顔を合わせることになるだろう。
空と吏紀は何も聞いてこなかった。
もともと、朱雀に関する噂話には大して興味を示さない二人だ。というのも、その噂の大半が根も葉もない嘘だと知っているからだ。
制服をダメにされるかもしれないから、夜の訓練には私服で参加するほうがいいという助言を受けて、朱雀は素直に従った。制服がダメになろうと気にはしないが、私服のほうが楽で動きやすいのは事実だ。
一方、優はその夜の練習には参加したくないとグズり始めていた。
優がまた子どものようにヘソを曲げていると知って、流和と永久は冷静に説得にあたった。
「朱雀くんに会いたくないんでしょう」
「変な噂が出回ってるわよ。あなたたち昨日、一体なにがあったの? 何か嫌な事をされたの?」
優はその日ずっと深刻な顔で押し黙っていたのだが、親友たちに訳をきかれて、何か重大な秘密を打ち明ける人のように苦悶の表情を浮かべた。
「朱雀は、バージンじゃないらしいの……」
言ってしまってから、優はまたショックを受けたように両手で顔を覆って屑折れた。
流和と永久が、暗黙のうちに顔を見合わせて、少しだけ首をかしげた。
「……、それだけ?」
「それだけ、って! 大変なことでしょう? 私、そんな破廉恥な人とは付き合えないよ! だから昨日、別れたの。もう朱雀には会えないと思う」
「けど、それって別に、意外なことでもないでしょう?」
「え!?」
永久の言葉に、優が目を丸くして聞き返した。
「知ってたの!?」
「知ってたわ」
と、流和。
「知ってはいないけど、多分そうだろうなとは、予測できたんじゃない? これまでの言動から、なんとなく」
と、永久。
すると、今度は優が涙を流しながら訴えた。
「朱雀と私って、考え方が違いすぎると思うの。私は、高校生でそういうことをするのは早すぎると思うの。なのに朱雀は、……全然、そんなの大したことじゃないみたいに言って」
「もしかして朱雀に強要されたの? 何か強引なことをされた?」
「朱雀はそんなことしないよ」
優の返答に、心なしか流和がホッと胸を撫で下ろす。
「それなら、そんなに思いつめることないんじゃない? 性に関しての進展具合は人それぞれだし、誰にだって過去に過ちの一つや二つはあると思うわ。確かに私の知ってる朱雀は、少し前まではかなり、不道徳な人だったけど、優に出会ってかなり変わったと思うし」
「うん、そうだよ優。朱雀くんが優の気持ちを尊重してくれるんなら、彼の過去のことにこだわる必要はないんじゃない? 優がいいと思うときまで、体の関係を控えればいいだけだよ」
「本当にそうかな。私、朱雀のことが、宇宙人みたいに恐くなっちゃったんだよ。今じゃ全く未知の存在って気がするの。これまではすごく安心できてたのに。なんていうか、お父さんみたいにホッとするっていうか」
「朱雀は優のお父さんじゃないのよ?」
「そんなの知ってるよ」
ウブだなあ、と、流和も永久も心の中で思った。女の子なら誰しも、自分の父親のような男性に憧れるものだけど、優は朱雀のことを、もう少し一人の成熟した青年として意識するべきだ。朱雀のことで優がこんなにショックを受けるのがその証拠と言えよう。
けれど、優の心が深く傷つき、動揺しているのを知って、二人ともそれ以上は強く言い含めようとしなかった。
性について初めて知った子どもが、一度は経験する深いショックと驚きと、嫌悪感を思い出しながら。
「朱雀との関係はこれからゆっくり時間をかけて築き直すとして、でも、今夜の特訓には参加するべきだと思うわ」
最後に流和にそう言われて、優はしぶしぶイチジク寮から広間に降りて行く決意をしたのだった。
魔女との戦いを前に、私的感情を挟むのは良くないと思ったからだ。
階下には、すでに優たち以外の全員が集まっていて、今日の訓練の打ち合わせをしているところだった。「朱雀は優とペアになって、」という吏紀の言葉に、優の顔から途端に血の気が引いた。
朱雀が、広間の中央で振り返った。
黒いパンツに、首元が開いたグレーのカットソーを何気なく着ている朱雀は、流和や美空が制服のときより良く見えるのと同じように、なんだかいつもよりも大人っぽく見えた。
たちまちに優の心に不安のモヤモヤした感情が浮かんで来て、優はかなり不自然に朱雀から目をそらしてしまった。
これにはさすがに朱雀も傷ついたが、あくまでも平静を装って優のところにやって来た。
「攻撃魔法と支援魔法、どっちから試す? お前が決めろ」
ぎこちない二人の雰囲気をすぐに感じ取って、空が流和に耳打ちした。
「あの二人、また喧嘩したのか?」
「単純な喧嘩よりも、ちょっと深刻かも」
「なんだよ」
「優は朱雀を恐がってるの。それというのも、朱雀が優にとっては『未知の経験』をした人だから……」
詳細を説明しても空は理解しないだろうな、と思って、流和はそれ以上詳しくは話さなかった。
「とにかく、今夜は朱雀の紳士度が試されるわね」
流和は横目に優と朱雀の二人を見つめてから、空と一緒に、美空、東條、吏紀、永久との訓練の輪に入って行った。
今、広間の端の方で、優と朱雀が二人きりで向き合っている。
「初めに言っておくが、俺は別れたつもりはないからな」
「もう、朱雀とは付き合えない」
「なんで。俺が童貞じゃないのがそんなに気に入らないのか」
優の中にあるのが自分に対する怒りなのか嫉妬なのか、朱雀には理解できなかった。
「地下浴場で、朱雀が素っ裸になって追いかけて来たことがあったでしょう。あのとき、私、すごく恐かったの。でも今は、あのときよりも朱雀が恐い」
「恐いって、どうして?」
「朱雀があまりに、私の常識や倫理観とかけ離れてるから、きっと私たち、気付かないところでもっとたくさん食い違っているはずだよ」
いや、大抵の食い違いはこれまで朱雀自身が補填してきたから問題ない、と朱雀は思った。
「セックスすることが問題なら、優とはあと2年間はそういうことをしないと約束する」
「……そういうことじゃないでしょう。期間を定めればいいって問題じゃないよ!」
「じゃあどうすればいいんだ。魔法使いでも過去は変えられないぞ」
「私にとっては、セックスは特別な愛の行為なの。だから、そういうことは結婚した夫婦しかするべきじゃないと思う、絶対に」
「それじゃあこれからは結婚するまでそういうことをしないと約束する」
朱雀があまりに流暢に言葉を並べたせいか、優が疑うような視線を向けて来た。
「なんだよ」
「なんか嘘くさい」
「約束は守る」
「絶対に?」
「約束する。絶対だ」
「でもまだ、朱雀のことが恐い」
「別にしばらくはそれでいいけど、あからさまに目をそらすのはなしだろ。結構、こたえるゼ」
言いながら朱雀が近づくと、今度は優があからさまに後ろに飛びのいて距離を開けた。
「ふうん。そっちがそういうつもりなら、いいだろう」
朱雀は立ち止まり、ズボンのポケットに両手を突っ込んで、真っすぐに優を見つめた。
「じゃあ始めるか。これから俺はお前を捕まえて、強引にキスをする。それが嫌なら、本気で逃げるか俺を倒すかしてみろ。東條との訓練の成果を見せるチャンスだぜ、優」
朱雀は優に向けて優しく微笑むと、直後、瞬身魔法でその場から姿を消した。
後ろ! 咄嗟に優は前に飛び出ると、朱雀の腕を交わしてルビーの杖を召喚した。
牽制のつもりで、優は杖の先から炎を噴き出し、朱雀に向けた。だが、朱雀は軽々と素手でその炎を払いのけて近づいて来る。
どうしようか、と、優は集中した。空を相手にするのとは違って、朱雀を相手に近接攻撃は分が悪いように思える。それに、自分を捕捉しようとしている相手には近づきたくなかった。特に今、朱雀とは、正面からまともにやり合うのはダメだ。
そう思った時、優は『空』の中に身を潜めて、魔力探知防御魔法を発動した。
優の姿を完全に見失った朱雀が苦笑する。肉眼でも見えず、魔力探知魔法でも感じられない。いつも当たり前のように感じられる優の炎の温かさが、完全に消失する瞬間。
世界のどこにも優がいないと感じる時間。
「だからイヤだったんだ」
次の瞬間、足もとに魔法の気配を感じた朱雀はハッとして背後に飛びのき、そのまま後方宙返りで地面に両手をついてから、さらに遠くに退避した。直後、ほとんど朱雀をかすめるように、地面が粉塵を舞いあげて大爆発を起こした。
「おい! ここにはお前たち以外の【平凡な】魔法使いもいるんだからな! 少しは考えてくれよ」
と、粉塵爆発に巻き込まれそうになった東條が怒鳴っている。
舞い上がった埃で視界が塞がれる中、朱雀は新たな炎の力を感じ取って身構えた。
「ファイヤー・ボール!」
どこからともなく優の声がして、マグマを思わせる火の大玉が朱雀を目がけていくつも襲いかかって来た。
「ファイヤー・ボールだって? そんな可愛いもんじゃないだろう」
呆れたように舌打ちしながら、朱雀が黄金のルビーの杖を召喚して、火の玉を打ち返した。地面についた朱雀の足が、衝撃で後ろに滑る。
硬と柔を併せ持つ優のファイヤー・ボールは、朱雀でさえ素手で触りたくないと思う代物だった。おまけに床や壁に当たると自ら回転を加えて跳ねかえり、何度も朱雀に襲いかかって来るようだ。火の玉が当たるところすべて、大理石の床や壁にまで次々に炎が燃え移っていった。
跳ね返したり、交わしたりするのではキリがないし、周囲に被害が拡大する。
朱雀は片手で杖を回すと、素早く炎の守護壁を形成してファイヤー・ボールを防いだ。その間に、空いている方の手で、指をこめかみの前に合わせて長い詠唱を行い始めた。
詠唱の間にも守護壁にファイヤー・ボールが打ち当って来る衝撃に耐え、やがて、朱雀の瞳がシュコロボヴィッツの強い輝きを帯びる。
「封印魔法、エクソ・テニグ・シーリアム」
ドドーン! という凄まじい破裂音とともに、空間に大きな風船のような歪みが現れ、優のファイヤー・ボールが次々とその中に吸い込まれていった。
そうしてあっという間に優のファイヤー・ボールをすべて吸い込んでしまってから、最後に朱雀が素早く指先を振って叫んだ。
「滅!」
瞬間、風船が割れてキラキラ光る火の粉の欠片が辺りに飛び散り、完全に消えた。
ファイヤー・ボールが消えると、床や壁に燃え移っていた炎も終息し、白い煙がもくもくと立ち上った。その狭間に優の姿を認めて、朱雀がまた微笑んだ。
「手こずらせてくれるじゃないか。まあ、そのほうが【燃える】けど」
シュコロボヴィッツの瞳を輝かせた優が杖を構えた。朱雀は少しだけ目を細めて――綺麗だ、と思った。
そうして朱雀も、敬意をこめて優に杖を構えて見せた。
「フランマ!」
「フランマ!」
紅と蒼の炎が激しくぶつかり合い、広間中に灼熱がたちこめる。
「お前たちいい加減にしろ! ここは仮にも『室内』なんだぞ!」
「ケンカは外でやれ!」
今度は吏紀と空が同時に怒鳴るが、その声は炎の轟きに掻き消された。
大気が焼ける音以外には何も聞こえない、何も。
それなのに優は、指先に触れる炎に朱雀の声を感じた。
――優。
激しい炎の中を、朱雀がこっちに向かって歩いて来るのが見える。押し返しても押し返しても、朱雀は止まらない。
「来ないで!」
――優、大好きだよ。
見ると朱雀の手には、もう黄金のルビーの杖は握られていなかった。優の大好きな手がそっと優の肩に触れて、すっぽりと朱雀の腕の中に抱き寄せた。
紅と蒼が織りなす美しい炎の中で、こらえきれなくなって、優がメソメソとしゃくりあげた。
「泣くなよ」
「だって、私が全然知らない人みたいなんだもん。大好きで、すごく傍にいると思ってたのに、朱雀のことが急に恐くなっちゃったんだもん。あっちへ行ってよ!」
「逃げても捕まえるし、イヤだと言っても放さない」
「朱雀のこと、本当に嫌いになっちゃうよ! 朱雀のことがすごく恐いけど、嫌いになっちゃうのはもっと、ずっと、ずっと、……悲しいよう」
「どんなに嫌われても、何度だって、また好きにならせるから、泣くな」
「ムヘッ、ム、ウウ……本当は、好きなんだよう……」
涙と鼻水でグシャグシャになった優の顔を、朱雀が両手で優しく包みこんだ。
「この世のものとは思えないほど、酷い顔だぜ、優」
朱雀の親指が優の唇に触れたかと思うと、温かい唇が、濡れた優の唇を塞いだ。涙が混ざって、しょっぱい味がした。
それからギュっと抱きしめられて、優はまた、朱雀と一緒にいて安心できる気持ちがした。でも、朱雀はもうお父さんみたいな人ではないんだな、と優は気がついた。もっと別の、くすぐったすぎて心配になっちゃうような、もどかしい感じ。お菓子に例えると、すごく甘いのに、すごく苦くて、どんな味だったかなって、何度も確かめてみたくなる感じに似てる。
「これからは、キスも心も体も全部お前にやるから、優も俺に約束しろ。全部、俺に渡すって」
「うん、約束する」
「絶対に?」
「うん、絶対に」
炎が鎮まったとき、二人はまた恋人同士に戻っていた。
けれど周りにいた仲間たちは、命からがら灼熱の炎から逃げおおせたので、心中穏やかではなく、この後、優と朱雀の二人はしばらくみんなから責められることになった。
「常識がないんだよ、お前たちは」
吏紀が恐い顔で朱雀と優を睨んだ。こんなに吏紀が怒るのも珍しいかもしれない。
「優がフェニックスを召喚しなかっただけ、まだ常識的だったと思うぞ。あれは俺の封印術でも抑えられないから、内心では、フェニックスだけは勘弁してくれよ、ってヒヤヒヤしてたんだ」
と、朱雀が心情を明かした。
「フェニックスは室内で召喚しないよ、危ないもん」
優が、そんなことするわけないじゃんという顔でみんなを見回すと、空が皮肉たっぷりに言う。
「できれば、室内の『火遊び』も禁止にしてほしいね」
「まあ、なにはともあれ、二人が仲直りして良かったわよ」
と、流和が言うと、今度は美空が目を見開いた。
「なに、ケンカしてたの? てっきり本気のデュエルかと。ケンカですって!? 私たちそれに巻き込まれて大怪我しそうになったわけ? 呆れた!」
「ケンカっていうか……優が一方的に怒ってたんだよ」
「朱雀が私を挑発したんでしょ、捕まえるって」
「そうだっけ」
と、朱雀が悪びれることなく言い捨てた。
「あ! そういうこと言う?」
優と朱雀がまたやり合いそうになったので、吏紀が素早く間に入った。
「とにかく! こういうことは金輪際、ないようにしてくれ」
「悪かった。気をつける」
珍しく朱雀が素直に謝る姿勢を見せたことに、吏紀をはじめとして、美空や東條、空が少しだけ息をのむ。
けれど、今回は優のファイヤー・ボールがもたらした損害が最たるところだったので、優は朱雀の背中から顔をだして、みんなに申し訳なさそうに頭を垂れた。
「わかりました。ごめん」
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