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第五章 それは日々の話
7 衣装部屋より 5
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倉庫に置いてあった白いくまのデザインのパーカーと、白い垂れ耳うさぎのデザインのパーカーを引っ付かんで駆け戻ると、成人さまのお姿が消えている。
えええええ。
こんな少しの間に?と泣きそうになったが、息を切らしている私に涼乃絵さまの笑い含みのお声がかかった。
「そんなに急がなくても待っておりますよ。」
成人さま、待ってないじゃないですか!という抗議の声を飲み込んで、荒い息を吐きながら泣きそうになる。
とりあえずお座りなさい、と促されて座れば、緋色殿下が私の腕の中の服をまじまじと見つめていらっしゃるのに気付いた。
「あ、あの、これが、白くまと垂れ耳うさぎです。」
机に広げると、ほう、と声を上げられる。白くまパーカーを手に取り、これはいい、と常陸丸さまを振り返られた。
「いいっすね。」
常陸丸さまも仕事中の張り詰めた雰囲気はまるでなく、にかっと優しいお顔を綻ばされる。
「白だと赤い目も模様も、より映えるな。」
「ぬいぐるみが白だから喜びますね、きっと。乙羽にも欲しいなあ。」
ん?今なんと?なんと仰いましたか?
「あ、あ、あ、あの。乙羽さまも、こういった可愛らしいデザインはお好きでいらっしゃいますか?」
そういえば靴下は、成人さまとお揃いで履いていらした。何とも言えない可愛さの、潰れたような顔のうさぎが描かれた靴下。
「んん。あー、その、なんだ?俺が着せてみたい、というかなんというか。可愛いだろうなあと思ってな。」
「きっと、お似合いになると思います!」
「あー、そうだな。それに、この布地がとても触り心地が良いだろう?ずっと抱き締めていたら気持ち良さそうだ。」
にこにこと乙羽さまのことをお話になる常陸丸さまは、とても最強の呼び声高い兵士には見えません。乙羽さまへのお好きな気持ちが溢れ出ておりますよ?
「気持ち良いぞ。」
しれっと緋色殿下が仰った。……ずっと抱き締めてらっしゃるんですね。ええ、ええ。本望です!抱いていて気持ちのよい服をお作りしたのです。
私、くまのデザインの服をこの新しい布地で作って良かったあ!
「あの、乙羽さまのものもよろしければお作りして……。」
言いさして気付く。あの布地はまだ新しくて、結構値が張るし生産量もそんなに多くない。私の休日の手仕事でやるには少し、材料費の点で荷が重い。
「あ、いや、うーん。」
でも是非、この服で休日を……。
「代金は払うから、もし良ければ作ってくれないか?成人とお揃いの靴下はものすごく喜んでいたから、喜ぶと思う。」
私の妄想が、乙羽さまにうさぎのパーカーを着せて常陸丸さまの腕の中へとおさめる前に、常陸丸さまの現実の声に呼び戻された。
「は、は、は、はい!」
「常陸丸さん、この布地は、なかなかに値が張りましてよ?」
正式な依頼なら断るなんて選択肢はない。私が喜んで返事をすると、涼乃絵さまが楽しそうにお声を上げられた。
「いいですよ。乙羽の物を買うために仕事してるんだし。俺、割りと稼いでるんですよ、涼乃絵さま。」
「ふふふっ。そうね。赤い目や模様を緑にしましょうか。」
乙羽さまの物を買うために仕事してるんですね……。あまりに自然に仰られるので、聞いていた私が赤面してしまう。
そんな私を笑って見ながら頷かれる涼乃絵さま。それは、業務時間内に作っても良いということですね?ああ、私、頑張ります。仕事が楽しいです!
えええええ。
こんな少しの間に?と泣きそうになったが、息を切らしている私に涼乃絵さまの笑い含みのお声がかかった。
「そんなに急がなくても待っておりますよ。」
成人さま、待ってないじゃないですか!という抗議の声を飲み込んで、荒い息を吐きながら泣きそうになる。
とりあえずお座りなさい、と促されて座れば、緋色殿下が私の腕の中の服をまじまじと見つめていらっしゃるのに気付いた。
「あ、あの、これが、白くまと垂れ耳うさぎです。」
机に広げると、ほう、と声を上げられる。白くまパーカーを手に取り、これはいい、と常陸丸さまを振り返られた。
「いいっすね。」
常陸丸さまも仕事中の張り詰めた雰囲気はまるでなく、にかっと優しいお顔を綻ばされる。
「白だと赤い目も模様も、より映えるな。」
「ぬいぐるみが白だから喜びますね、きっと。乙羽にも欲しいなあ。」
ん?今なんと?なんと仰いましたか?
「あ、あ、あ、あの。乙羽さまも、こういった可愛らしいデザインはお好きでいらっしゃいますか?」
そういえば靴下は、成人さまとお揃いで履いていらした。何とも言えない可愛さの、潰れたような顔のうさぎが描かれた靴下。
「んん。あー、その、なんだ?俺が着せてみたい、というかなんというか。可愛いだろうなあと思ってな。」
「きっと、お似合いになると思います!」
「あー、そうだな。それに、この布地がとても触り心地が良いだろう?ずっと抱き締めていたら気持ち良さそうだ。」
にこにこと乙羽さまのことをお話になる常陸丸さまは、とても最強の呼び声高い兵士には見えません。乙羽さまへのお好きな気持ちが溢れ出ておりますよ?
「気持ち良いぞ。」
しれっと緋色殿下が仰った。……ずっと抱き締めてらっしゃるんですね。ええ、ええ。本望です!抱いていて気持ちのよい服をお作りしたのです。
私、くまのデザインの服をこの新しい布地で作って良かったあ!
「あの、乙羽さまのものもよろしければお作りして……。」
言いさして気付く。あの布地はまだ新しくて、結構値が張るし生産量もそんなに多くない。私の休日の手仕事でやるには少し、材料費の点で荷が重い。
「あ、いや、うーん。」
でも是非、この服で休日を……。
「代金は払うから、もし良ければ作ってくれないか?成人とお揃いの靴下はものすごく喜んでいたから、喜ぶと思う。」
私の妄想が、乙羽さまにうさぎのパーカーを着せて常陸丸さまの腕の中へとおさめる前に、常陸丸さまの現実の声に呼び戻された。
「は、は、は、はい!」
「常陸丸さん、この布地は、なかなかに値が張りましてよ?」
正式な依頼なら断るなんて選択肢はない。私が喜んで返事をすると、涼乃絵さまが楽しそうにお声を上げられた。
「いいですよ。乙羽の物を買うために仕事してるんだし。俺、割りと稼いでるんですよ、涼乃絵さま。」
「ふふふっ。そうね。赤い目や模様を緑にしましょうか。」
乙羽さまの物を買うために仕事してるんですね……。あまりに自然に仰られるので、聞いていた私が赤面してしまう。
そんな私を笑って見ながら頷かれる涼乃絵さま。それは、業務時間内に作っても良いということですね?ああ、私、頑張ります。仕事が楽しいです!
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