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第九章 礼儀を知る人知らない人
54 ごゆっくりどうぞ 成人
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「こんにちはー」
「邪魔するぞ」
「緋色殿下、成人殿下。ようこそいらっしゃいませ。お連れ様も、ようこそいらっしゃいました」
「ふわあ」
「ふわ」
美容液の店に入ると、松吉と香月の口から、なんか声が漏れた。
そんな声を聞いても、美容液のお店の店主はやっぱり今日もぴしっと立って、にっこり笑顔で落ち着いて挨拶してくれた。ここの店主は、先触れなんてしなくてもいつでもぴしっとしてるんだ。この店主が西の国の店に行ってて留守でも、代わりの人がぴしっとしてる。店員さんが何人もいるけど、その人たちもいつもぴしっとしていた。商店街の他の人たちと違って、俺が誰を連れて来ても驚かないのはすごい。
「亀、お手々出したらあかんで」
「ん」
髪の毛の美容液は、瓶に入って売っている物が多い。棚に並ぶ色とりどりの瓶はとっても綺麗だけれど、うっかり手を出して落としたら割れてしまう。このお店は、子どもを連れていたら見て回りにくい。亀吉はお利口だけど、綺麗だなあって思ったら手が出ることもあるもんね。
「俺、亀吉と外にいる」
「ええんですか?」
「いいよー。俺の美容液は、いつも緋色が選んでくれるから」
「それは、ええですねえ」
松吉が、にこーって笑った。
髪の毛の美容液は、好きな人に贈る贈り物。だから俺のは、いつも緋色が買ってくれる。緋色の分はもちろん、俺がお金を貯めて買う。いつも俺が使ってるのと同じ美容液を緋色に買うから、俺はどれにするかは選んでいない。俺は、緋色と同じ匂いのを使いたいから、緋色が俺に選んだ美容液を買いに来る。この店は、そんなに強い匂いがするわけじゃないんだけど、でも色んな匂いがする店の中に長い時間いるのはちょっと苦手。亀吉と外で待ってる方が、俺もいい。
「俺も一緒に外にいます。半助、中は頼んだ」
常陸丸が、おいでって亀吉に向かって手を広げた。む、と亀吉が悩んでいる。まだあんまり、常陸丸と仲良くなってなかったみたいだ。
「亀吉。俺とお外で遊ぼ」
「いく」
仲良しになった俺が、抱っこしてあげられなくてごめんね。でも、常陸丸の横に並んで声を掛けたら、亀吉はすぐに行くって言ってくれた。嬉しい。
「松吉も香月も、ゆっくり見てていいよー」
商店街は歩いているだけで楽しいから、時間がかかっても大丈夫。駄菓子屋さんに行こうかな。亀吉、喜ぶかな。あ、でも、飴はまだ食べられないんだっけ? 金平糖なら大丈夫?
そうだ。金物屋の源さんのところも行くんだった。行ってこよう。
「邪魔するぞ」
「緋色殿下、成人殿下。ようこそいらっしゃいませ。お連れ様も、ようこそいらっしゃいました」
「ふわあ」
「ふわ」
美容液の店に入ると、松吉と香月の口から、なんか声が漏れた。
そんな声を聞いても、美容液のお店の店主はやっぱり今日もぴしっと立って、にっこり笑顔で落ち着いて挨拶してくれた。ここの店主は、先触れなんてしなくてもいつでもぴしっとしてるんだ。この店主が西の国の店に行ってて留守でも、代わりの人がぴしっとしてる。店員さんが何人もいるけど、その人たちもいつもぴしっとしていた。商店街の他の人たちと違って、俺が誰を連れて来ても驚かないのはすごい。
「亀、お手々出したらあかんで」
「ん」
髪の毛の美容液は、瓶に入って売っている物が多い。棚に並ぶ色とりどりの瓶はとっても綺麗だけれど、うっかり手を出して落としたら割れてしまう。このお店は、子どもを連れていたら見て回りにくい。亀吉はお利口だけど、綺麗だなあって思ったら手が出ることもあるもんね。
「俺、亀吉と外にいる」
「ええんですか?」
「いいよー。俺の美容液は、いつも緋色が選んでくれるから」
「それは、ええですねえ」
松吉が、にこーって笑った。
髪の毛の美容液は、好きな人に贈る贈り物。だから俺のは、いつも緋色が買ってくれる。緋色の分はもちろん、俺がお金を貯めて買う。いつも俺が使ってるのと同じ美容液を緋色に買うから、俺はどれにするかは選んでいない。俺は、緋色と同じ匂いのを使いたいから、緋色が俺に選んだ美容液を買いに来る。この店は、そんなに強い匂いがするわけじゃないんだけど、でも色んな匂いがする店の中に長い時間いるのはちょっと苦手。亀吉と外で待ってる方が、俺もいい。
「俺も一緒に外にいます。半助、中は頼んだ」
常陸丸が、おいでって亀吉に向かって手を広げた。む、と亀吉が悩んでいる。まだあんまり、常陸丸と仲良くなってなかったみたいだ。
「亀吉。俺とお外で遊ぼ」
「いく」
仲良しになった俺が、抱っこしてあげられなくてごめんね。でも、常陸丸の横に並んで声を掛けたら、亀吉はすぐに行くって言ってくれた。嬉しい。
「松吉も香月も、ゆっくり見てていいよー」
商店街は歩いているだけで楽しいから、時間がかかっても大丈夫。駄菓子屋さんに行こうかな。亀吉、喜ぶかな。あ、でも、飴はまだ食べられないんだっけ? 金平糖なら大丈夫?
そうだ。金物屋の源さんのところも行くんだった。行ってこよう。
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