チートスキル『学習(ラーニング)』で異世界最強 ~Malice・Awaking~

さぼてん

文字の大きさ
11 / 46

10 それが俺の仕事

しおりを挟む
「スクトさん……どうしてここに」
「あ?そりゃこっちのセリフだ」
「にしても、何だこの状況は」

「……俺の、せいなんです」
「はぁ?」
「スクトさんの言ったことを無視して、首を突っ込んだから!報復で、皆が巻き込まれてしまった……だからこの事件を引き起こしたのは、俺なんです!」
「皆、狙いは俺の持ってる魔法具です。住人同士で殺しあっているのは、只の暇つぶしでしかない」
俺はスクトさんの前で膝をつき、地面を叩いて涙を流す。

「……落ち着け。話が見えてこねぇ。その言い方だと、何か知ってるな?」
「はい。多分ですけど……先日の誘拐事件と同一犯です。奴も、狙いはこれでしたから」
「なら話は早え。そいつをぶっ潰せば丸く収まるってわけだ」
「俺が、何とかします。この事態の原因は俺なんです。だから……」

そうとだけ言って、ふらふらと歩き出す俺。
正直、もう降伏してスマホを奴に渡してしまったほうがいいのでは?という考えが、頭をよぎっていた。
完全に、やけっぱちだった。
そんな俺を――スクトさんが引きとめた。

「人守んのが俺の仕事だ。俺の目の黒いうちは、そんなことさせるかよ」
俺の肩を掴み真っ直ぐに見つめながら、スクトさんはそう言った。
「でも!」
それでも尚罪悪感から動こうとする俺。

「バカが!お前だって例外じゃねえ。みすみす命を捨てさせるような真似させるかよ!」
そんな俺の心を、スクトさんは見透かしていたようだ。俺はその場に座り込み、言う。

「じゃあ、どうするんですか」
「さっきも言ったろ……原因はそいつなんだろ。探し出して、ぶっ潰す。そんだけだ」
俺の肩を軽く叩くスクトさん。そんな彼の態度に、俺の心は少しだけ、軽くなった気がした。そんな時だった。

『マスター、敵本体を発見しました。』
マリスが俺たちへ語り掛けてきたのは。

「うぉびっくりした……喋んのかよそれ。どういう仕組みだ」
「見つけたって、どうやって」
『魔力パターンを解析し、逆探知しました。ナビも可能です』
「だが、この状況はほっとけねぇぞ。解決までに犠牲者が増え続けることになる」

『それなら大丈夫!』
悩む俺たちのもとに、また別の声が割って入った。それはスクトさんのつけたブレスレットから聞こえてくる。
この声には聞き覚えがあった。まさか――

「キュリオ、さん?」
『お、ケイちゃんもいるんだ。あの時以来だね』
「ケイちゃん?おいどういうことだ。あの時って何があった」
『ちょちょ、スクト!それは後!とにかくそこに二人いるなら好都合!協力して本体叩いちゃって!』
「チッ……わーったよ。で?この状況はどう解決するんだ」
『今その場の魔力パターンを解析して、疑似的に真逆のパターンを作ったんだ。それを打ち込めば効果を打ち消せるはずだよ』
「そんなこと出来るんですか?」
『なんたって僕、天才ですから。それじゃ送るから、スクトは指示通りに動いて』
「……了解」

『まず、キー出して腕輪に挿しこんで』
「こうだな」
そう言うと、スクトさんは何やら鍵のようなものを取り出し、腕輪に差し込んだ。

『挿したね?じゃあデータ送るからちょっと待ってて……よし!オッケー、《展開》して!』
「ああ。……《展開》!」
そう言うとスクトさんはキーを回し、腕輪の下部のボタンを叩いた。すると――

《Armed on……》

「……変わった」
その姿は、瞬く間に変化していた。まるで特撮番組のヒーローのようなその姿に、驚く俺。
それだけでは無い。俺はあの装甲が装着されるまでのシーケンスに、見覚えがあった。

「マリス、あれって……」
『はい。《生成》のシーケンスと酷似しています』
それを聞いて、合点がいった。あれを作ったのは、キュリオさんだろう。あの時データを取らせてくれと言っていたのは、このためだったのか。

「で?次は?」
そんな俺には目もくれず、話を続ける二人。
『んじゃ、右の太もも辺りの装甲に手かざして』
「こうか……おお、何か出た。銃、か?」

スクトさんが右手を太もも部の装甲へかざすと、その手元に銃のような物体が生成された。
ディテールの少ない、シンプルなハンドガンサイズの銃だ。
その後部には、翼を模したような何かを挿し込むためのスロットが設けられている。

『で、キーをそこに装填して!』
「よし」

《Loading……》

スクトさんがキーを挿し込むと、音声が流れる。そして――

『上に向けて撃って!』
「オゥラッ!」
スクトさんは、トリガーを引いた。

《Pecking blast……!》

音声とともに、エネルギー弾が空高く放たれる。それは空中で静止し、薄い膜となって広がってゆく――

「……あれ、俺は何を?」
するとたちまち、人々は正気に戻り始めた。

「すげぇ……」
『外部からのデータ供給による特殊効果の付与――ラーニング』
感心する俺をよそに、マリスがそう呟いた。

『オッケー、後は事後処理隊が向かうから、二人は本体を!』
「わかった。おい、行くぞ。案内しろ」
「はい!」

そう答え、俺たちは走り出した。
アイツだけは、絶対に許せない。そんな思いを胸にしながら――
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

処理中です...